2024年9月3日火曜日

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父島さんぽ (8) 「今、日本で一番絶滅しそうな鳥」

 

「小笠原ビジターセンター」の話題を続けます。こちらは「世界自然遺産を守るために」というコーナーです。なんかずーっと自然遺産の話ばかりで食傷気味の方もいらっしゃるかもしれませんが、もう少しお付き合いください。
【ご注意ください】この記事の内容は、特記のない限りは 2024 年 4 月時点のものです。各種サービスの実施状況や利用時間などが現在と異なる可能性があります。

「小笠原本来の生態系をとりもどすために」というサブタイトルとともに、小笠原の生態系を破壊する「害獣」と「害虫」が紹介されています。種ごとに「どのように持ち込まれたか」「生態系への影響」「取組の成果」がシンプルにまとめられていて、とても参考になりますね。
よく見ると右上になにやら妙なものがくっついていますが、実はこれ、「グリーンアノール」の捕獲に使用するトラップみたいです。要は「グリーンアノールホイホイ」なんですが、見かけまで「なんとかホイホイ」に近いのが面白いですね。
隣には「生態系に悪影響を及ぼす外来種の木」(害木?)と保護されるべき希少動物・希少植物がまとめられています。こちらもよく見ると下に何か補足がありますが……
あー……。多摩動物公園で「オガサワラシジミ」の繁殖飼育を行っていたのですが、飼育下の全ての個体が死亡してしまったとのこと。元はと言えば「グリーンアノール」が大繁殖してしまったことがきっかけなので、おのれグリーンアノール……ですね。

ビジターのわたしたちにもできること

小笠原の生態系を脅かす外来種と、生息が脅かされている保護対象種を紹介した後で、「みんなで一緒に小笠原の自然を守ろう!」と題して各種の取組やルールが紹介されています。
右下には「ビジターのわたしたちにもできること」というパネルがありました。侵略的な外来種を持ち込まないようにしましょう……ということですが、靴底の土に紛れて侵入するケースもあるので、意図せず持ち込んでしまう可能性もゼロではありません。
中でも「カタマイマイ」の生息を脅かす肉食性プラナリアの「ニューギニアヤリガタリクウズムシ」は母島には侵入していないと見られるため、父島から母島への移動に際しても細心の注意が必要です。

小笠原の「サンゴ礁」

続いては「サンゴ礁」に関する展示です。
小笠原には、あまり「サンゴ礁」のイメージが無いのですが、緯度は沖縄本島と大差ない(若干沖縄本島より北かも)ので、サンゴ礁も普通に存在するとのこと。
ただ沖縄のサンゴ礁と比べると規模が小さく分布が疎らなのも確かなようで、その所為もあってか調査研究が立ち遅れているという側面もあるそうです。

マボちゃん

おや、こんなところにイルカのぬいぐるみが……
小笠原では「ミナミハンドウイルカ」の個体識別調査を行っていて、一部のイルカには個体番号と名前がつけられているとのこと。実際に「マボちゃん」というイルカがいた、という訳では無さそうですね。

今、日本で一番絶滅しそうな鳥

トイレ横の壁も展示スペースとして活用されています。
「オガサワラカワラヒワ展」とありますが、「今、日本で一番絶滅しそうな鳥」というサブタイトルが……。そんなカジュアルに「絶滅しそう」と言われても……と思ったりもしますが……(汗)。
レッドリストでは「絶滅危惧ⅠA類 (CR)」とされていて、これは「ごく近い将来における野生での絶滅の危険性が極めて高いもの」を意味しています。確かに「絶滅しそう」ですね……。

環境省の「オガサワラカワラヒワ」のページによると、生息を脅かす要因として「外来種(ノネコ、ドブネズミ、クマネズミ)による捕食」などが挙げられています。

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