2024年9月2日月曜日

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父島さんぽ (7) 「凄いぞ世界自然遺産!」

 

それでは、「小笠原ビジターセンター」の「自然・動物コーナー」を見ていきましょう。
【ご注意ください】この記事の内容は、特記のない限りは 2024 年 4 月時点のものです。各種サービスの実施状況や利用時間などが現在と異なる可能性があります。

これは受付のクローズアップですが、よく見ると鳥(シロハラミズナギドリ?)が宙を舞っているだけではなく、様々な動植物が「これでもか!」とばかりに並んでいますね。壁に飾られているのは山羊の頭でしょうか……?
いやはや、それにしても展示物のボリューム(数)が凄いですね。「所狭し」という言い回しはこんな状況のためにあるんじゃないかと思えてきました。

宙を舞うアホウドリ

展示側では「アホウドリ」の剥製?が宙を舞っていますが……
「アホウドリ」は明治から大正にかけての乱獲で、一気に絶滅が危惧されるまでに生息数が落ち込んだ種です。現時点ではかろうじて絶滅は免れていますが、保護が必要な状況であることは変わりありません。
こちらの剥製?は「コアホウドリ」とのこと。体重は 2.5-3.5 kg とありますが、意外と軽いんですね(空を飛ぶ鳥なので当たり前なのかもしれませんが)

世界自然遺産の概要

「自然・動物コーナー」の入口に相当する場所には「小笠原列島の位置」と「列島の生い立ち/海底地形・海流」というパネルが置かれていました。
「小笠原列島」は「大小 30 余りの島々と、217 にもおよぶ附属島ふぞくとう岩礁がんしょう)の総称です」とあります。「小笠原列島」自体が 4 つの列島の集合体とも言えるもので、「聟島列島」「父島列島」「母島列島」と「火山列島」に分かれています(よく見るとパネルの下にラミネート加工された英訳文が付け加えられていますね)。小笠原の周辺海域は黒潮が北東に向かって流れるのではなく、その反流が西に流れているとのこと。

その横には、やはりと言うべきか「世界自然遺産の概要」というパネルが。
「世界自然遺産とは?」「小笠原諸島の自然の成り立ち」そして「世界自然遺産の区域」というパネルが並んでいるのですが、この「世界自然遺産の区域」というパネルの文章、実際に現地を訪れた後に読み返してみると「まさにそれ!」という内容なんですよね。シンプルでありながら重要なポイントが凝縮されているのです。

生息場所に適した陸産貝類の進化

「世界自然遺産としての価値」として、「生息場所に適した陸産貝類の進化」と題されたパネルです。小笠原の陸産貝類は生息場所や生活様式が分化する「適応放散」が顕著に見られるというところが高く評価されたとのこと。

パネルで紹介されている「カタマイマイ属」が「ニューギニアヤリガタリクウズムシ」などの陸生プラナリアに捕食されてしまい生息数が激減してしまったのは「小笠原世界遺産センター」で見た通りですね。
「カタマイマイ属の進化の歴史」として「適応放散」の詳細が図示されています。共通の祖先からここまで分化するものなのですね……。右隣は「海洋島独特の植物の進化」で、花が「雄花」と「雌花」に分かれた例と草が木に変化した例が紹介されています。

凄いぞ世界自然遺産!

「世界自然遺産の生態系に育まれた生きもの」として「小笠原の希少な植物」が紹介されています。絶海の孤島では生態系も独自の進化を遂げる……というのは容易に理解できることですが、中でも小笠原の生態系はユニークなものらしく……
面積当たりの固有種の数が、あの「ガラパゴス諸島」よりも多い(それも圧倒的に)というのは……ちょっと驚きですね。凄いじゃないですか世界自然遺産!

小笠原の希少な動物

小笠原独自の進化を遂げた動物も紹介されていました。
こちらも「小笠原の希少な動物」ですね。「オナガミズナギドリ」「シロハラミズナギドリ」「オガサワラノスリ」「アカガシラカラスバト」「ハハジマメグロ」「オガサワラオオコウモリ」が紹介されています。
この中では「あかぽっぽ」こと「アカガシラカラスバト」が「絶滅危惧ⅠA類 (CR)」とされていて、「ごく近い将来における野生での絶滅の危険性が極めて高いもの」と見られています。「オガサワラオオコウモリ」も「絶滅危惧ⅠB類 (EN)」で、「IA類ほどではないが、近い将来における野生での絶滅の危険性が高いもの」とのこと。

「乾性低木林」と「湿性高木林」

「小笠原の代表的な生態系」として「乾性低木林」が紹介されています。
ところが、ちょっと先には「湿性高木林」というパネルも。
「どないなっとんねん責任者出てこい!」という話ですが、兄島や父島、母島の南部などは「乾性低木林」で、標高が比較的高い母島の中央部は「湿性高木林」とのこと。「父島」と「母島」でキャラを棲み分けているようで面白いですね。

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