2024年8月26日月曜日

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父島さんぽ (2) 「小笠原世界遺産センター」

 

小雨がパラついてきたので部屋に傘を取りに戻って再び散歩を始めたのですが、ふと左手を見てみると、そこには「小笠原世界遺産センター」の文字が。
ここはいずれ立ち寄るつもりで、宿からそれほど遠くないところにあるという認識はあったのですが、それは大きな認識違いでした。「それほど遠くない」どころか「目と鼻の先」だったのですね(宿から 110 m ほど)。これも何かの縁でしょう。ささっと見学することにしました。

【ご注意ください】この記事の内容は、特記のない限りは 2024 年 4 月時点のものです。各種サービスの実施状況や利用時間などが現在と異なる可能性があります。

おや……? 入口の手前に何か落ちている……?
よく見ると、なんとこんなところに「小笠原固有種」が。
Wikipedia の「シマカコソウ」の記事では「絶滅危惧IA類(CR)」となっていますが、この説明ではワンランク安全?な「絶滅危惧IB類(EN)」とあります。いずれにせよ絶滅が危惧されていることには違いがないのでしょうけど……。

世界自然遺産の登録区域

ということで、「小笠原世界遺産センター」の中に入ります。入口の左手に小笠原諸島の地図が掲げられていますが……
赤枠が「世界自然遺産の登録区域」とのこと。島全域が指定されているわけではなく、父島や母島では集落の周辺は指定から外れています。またよく見ると、一部の海域も指定されていますね。南島周辺では広い海域が登録区域となっています。

何故に似て非なる施設が?

正面玄関にやってきました。ここで靴を脱いでスリッパに履き替える必要があります。
実は、ここからそれほど遠くないところ(160 m ほどの距離)に「小笠原ビジターセンター」があります。似たような施設があるのに何故「世界遺産センター」を建設する必要があるのか……という疑問もあったのですが……
ヒントとなる文章がありました。「世界でも、ここにしかいないカタツムリや昆虫を守るため、繁殖飼育を行なっています」(※ 原文ママ)とあります。入口のところにあった小笠原諸島の地図(世界自然遺産の登録区域を図示したもの)の右下にちょこっと「館内案内図」が出ていて……
館内の半分以上を「動物対処室」「保護増殖室」そして「検査・処理室」が占めているのですね。この「小笠原世界遺産センター」は観光客向けのアピール施設と言うよりは、世界自然遺産の保全のための前線基地と言った位置づけなのかもしれません。なるほど、そもそもビジターセンターとは主目的が異なるということなのでしょう。

アホウドリ?

鳥の模型が吊り下げられていますが、この鳥は「アホウドリ」でしょうか。かつて乱獲によって激減した過去があるので、自然環境保全を訴えるシンボルとしてはこの上ないチョイスかも……。
ちなみにアホウドリは「絶滅危惧II類(VU)」とのこと。「シマカコソウ」よりは絶滅の危険性は高くないようですが、それでも「絶滅が危惧される」という点は同じで、絶滅を免れるためには保護が必要……ということでしょうか。

カタログラックには大量のフライヤーが整然と置かれていました。環境保全のための具体的な対策のアピールが大半ですが、中には「ははの湯 できました」という文字も見えます。

展示ホール

「展示ホール」の中は木製の巨大な衝立のようなものでパネルが展示されています。車輪がついているようで、実は簡単に移動できるのかもしれません。
パネルでは、小笠原の自然にはどのような価値があるのかが紹介されています。

小笠原の Photogenic Places

部屋の壁には写真が飾られているのですが、これらは「職員の独断と偏見で選んだ小笠原の『映えスポット』を紹介します!」とのこと(アスペクトが急に 1:1 になったのはトリミングの都合です)。これは二見漁港の南東に位置する「旭山南峰」からの写真ですが、これも「映えスポット」の一つですね!
こちらは母島の写真ですね。透き通った海の向こうに山が見えていますが、左側に見えているのが「小富士」とのこと。水面の反射が見事に抑えられた写真ですが、これは PL フィルターを使ったのでしょうか……?
次も母島からで、これは「北港」の写真ですね。ここは車かバイクがあれば日帰りでも行けるところですね。
父島からは、南西部に位置する「中山峠」からの眺めですね。小港海岸と大村海岸を一望できるスポットです。
そして同じく父島南部から「ハートロック」です。このあたりには道路が通っていないので、島内を数時間ハイキングする必要がありそうです。到達難易度の高いスポットですね。

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