(この背景地図等データは、国土地理院の地理院地図から配信されたものである)
地図をクリックしたら地理院地図に飛べたりします。
カラマンベツ
(? = 記録はあるが疑問点あり、類型あり)
(この背景地図等データは、国土地理院の地理院地図から配信されたものである)
釧路市音別町チャンベツから道道 241 号「本流音別停車場線」を北上すると、「朝日橋」と「夕日橋」で音別川を渡った先に東に分岐する道があります。道道から分岐した道は「カラマンベツ橋」で音別川を渡っているのですが、カラマンベツ橋から 0.5 km ほど北で「カラマン沢川」が音別川に合流しています。更に「カラマン沢川」を遡ると、道東道の「カラマン沢川橋」があり、橋の西に「カラマントンネル」が、また橋の東には「カラマン別トンネル」があります。
「カラマントンネル」の西隣には延長 3,016 m の「カラ里トンネル」があり、カラ里トンネルのすぐ近くには「
『東西蝦夷山川地理取調図』(1859) にはそれらしい川が見当たりませんが、『北海道実測切図』(1895 頃) には「カラマ」という名前の川が描かれていました。また『午手控』(1858) には「カルマ 右小川」とあるので、何らかの手違いで「東西蝦夷──」には描かれなかった、という可能性もあるかもしれません。
どうやら「カラマンベツ」は「カラマ」という川名に由来するっぽいのですが、肝心の「カ
からまんべつ カラマンベツ <音別町>
〔近代〕昭和34年~現在の音別町の行政字名。もとは音別村の一部。地名の由来は,アイヌ語のカラマンベツ(作る・焼く・川)による。
(『角川日本地名大辞典 1 北海道(上巻)』角川書店 p.419 より引用)
うーん……。果たしてこれはこのまま信用しちゃっていいものなんでしょうか。なんとなく「辞書から単語を拾って並べてみました」感が凄いのですが……。……などと言いながら、辞書から単語を拾って並べるしか無いのはこちらも同じだったりするのですが(汗)。kar には「作る」以外にも「回る」という意味もあるので、kar-oman-pet で「回る・山の方へ行く・川」だったのかな、と考えてみました。
留辺蘂(るべしべ)
(記録あり、類型多数)
(この背景地図等データは、国土地理院の地理院地図から配信されたものである)
「カラマン沢川」の下流部で東から合流する「サカイの沢川」という支流があるのですが、「サカイの沢川」を水源に向かって遡った先に「留辺蘂」という三等三角点(標高 345.3 m)が存在します。これは ru-pes-pe で「路・それに沿って下る・もの(川)」と思われるのですが、『北海道実測切図』(1895 頃) を見ると、三角点の北側(茶路川筋)に「ルペシュペ」という川が描かれていました。この川はおそらく現在「モリヤ川」と呼ばれる川だと思われますが、「ルペシュペ」は川の名前としては廃れたものの、三角点の名前として残った……ということのようです。
サトンベツ川
(? = 記録はあるが疑問点あり、類型あり)
(この背景地図等データは、国土地理院の地理院地図から配信されたものである)
道道 241 号「本流音別停車場線」の起点付近で「音別川」に合流する北支流です。川沿いを「里音別林道」が通っていて、道東自動車道は「里音別川橋」で「サトンベツ川」を渡っています。「サトンベツ川」の東の「カラ里トンネル」は「カラマン沢川」(=カラマンベツ)と「サトンベツ川」(=里音別)の合成なのでしょうね。『北海道実測切図』(1895 頃) には「サトンペッ」と描かれていました。そのため「サトンベツ川」という川名はアイヌ語由来である可能性が高そうなのですが、今ひとつ意味が判然としません。
『北海道地名誌』(1975) には次のように記されていました。
サトンベツ川 音別川上流の左支流。里音別川とも書く。アイヌ語「サッ・オ・ム・ペッ」で乾く音別川の意。
(NHK 北海道本部・編『北海道地名誌』北海教育評論社 p.699 より引用)
sat-{o-mu-pet} で「乾いた・{音別川}」では無いか、との説ですが、なるほど、そう捉えることも可能ですね。あるいは……ですが、sa-ta-{o-mu-pet} で「前・に(ある)・{音別川}」という可能性もあるかもしれません。更科さんの解も十分妥当な感じがしますが、何となく自説を推してみたくなったりして……(ぉぃ)。
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