2023年9月7日木曜日

春の道東・船と鉄路とバスの旅 2017 (101) 「槍昔に小学校はあったか」

念願の(?)槍昔にやってきました。風蓮湖に突き出した半島の突端にある小さな集落です。
【ご注意ください】この記事の内容は、特記のない限りは 2017 年 5 月時点のものです。

道路沿いには家屋が立ち並んでいますが、そう言えばお隣の別海町走古丹とは異なり、小学校らしき建物が見当たりません(走古丹の小学校も既に廃校になってしまいましたが)。
槍昔の人口ですが、2010 年時点で 12 世帯 48 人で、2015 年時点では 11 世帯 51 人とのこと(増えてる!)。改めて Wikipedia で「槍昔」のページを見てみると、1950 年に「厚床小学校槍昔分校」が開校し、1952 年に「槍昔小中学校」として独立した……とあります。ただ中学校は後に廃校となり、「槍昔小学校」も 1971 年に廃校になってしまったそうです。

ただ、槍昔の空中写真を見ても小学校があったと思しき場所が見当たりません。改めて 1978 年頃の空中写真を見てみると……

(この背景地図等データは、国土地理院の地理院地図から配信されたものである)
あ、なんか学校っぽい敷地と建物が。改めてストビューで見てみると……


おおおお! 完全に見逃していましたが、ここに小学校があったんですね。学校は概して高台に建設されることが多いのですが(津波の際の避難所に使えるように……なんでしょうね)、槍昔の集落のあたりは海抜 1 m ~ 3 m 程度の平地ばかりなので、わざわざ 1.6 km ほど北西の海抜 14 m くらいの場所に学校を開設した……ということだったみたいです。

「汽水湖」である「風蓮湖」

ちょいと車を停めて風蓮湖を望みます(ミラーに映り込んでしまっていたので、Firefly に消してもらいました(汗))。逆光だけあってゴーストがちょこんと出ていてなかなか良い感じです。
これは南西側のソウサンベツ方向か、あるいは南側だったでしょうか。風蓮湖は「ほぼ海」だと思っていましたが、実際には「汽水湖」とのこと。

ここにも「新酪農村」

そろそろ引き返すことにしましょう。クレストの先が左カーブになっているのですが、先が見えない左カーブなので要注意ですね。
槍昔は「漁村」という認識だったのですが、南西側の内陸部は「新酪農村」として開拓されていました。このあたりの直線区間は「新酪農村」として建設された際に整備されたのでしょうか……?
「槍昔小学校」に話を戻しますが、小学校が漁村のやや西に設置されたのは「漁村」と「新酪農村」の両方から子供が通いやすいようにだったのかな……と思ったりしました。ただよく見ると「新酪農村」の建設は 1978 年とのこと。小学校は 1971 年に廃校になっているので、完全に時間軸がズレてしまっていました。

「新酪道路」の交叉点が近づいてきました。別海までは直進 21 km、根室(の中心部)までは左折 32 km と出ています。あれ、別海のほうが近い?
えっ、と思って確認してみたのですが、確かにこの交叉点から別海町役場までは 22.2 km とのこと。根室市役所までは 32.5 km なので、間違いなかったですね。

力技で切り抜けるタイプの道

ずっと同じ道を引き返すよりは違う道を通りたい……ということで、ちょいと左折してみました。道路の向きはかつての殖民区画に合わせたようで、多少のアップダウンは力技で切り抜けるタイプの道です。
坂を下り、再び上った先でほぼ直角に向きを変えます。坂を下ったところでソウサンベツ川を横切るようです。
右カーブを抜けた後も力技で切り抜ける道が続きます(掘割が凄い……)。この凹部ではアッコベツ川を横切ります。
「新酪道路」は、ここでまたしても二手に分かれるようです。根室へは左折とありますが、国道 44 号を経由するよりも少しだけ短いみたいですね。
掘割の間の上り坂を駆け上がります。国道 44 号は尾根の上を通っているので、ここからはほぼ上り坂っぽい感じです。

林の中のシケイン

「新酪道路」は何故か防風林の中で S 字にカーブしていました。
まるでシケインのようにすら思える S 字カーブを抜けると……
程なく国道 44 号と接続する T 字路が見えてきました。
この青看板のデザインもなかなか独特ですが、「新酪農村」が 1978 年に建設されたということは、建設当時のままだったりするでしょうか……?
【おことわり】本記事内の写真は以下の目的のために Adobe Firefly の生成 AI による生成塗りつぶしを使用しているものがあります:ノイズ除去、鏡像除去

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