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次は、屋外で静態保存されている車輌を見に行くことにしましょう。エントランスには「奥行臼駅」のイラストが飾られていました。後ろの電柱にちゃんと電線まで描き込まれているのが良いですよね。
エントランスには「別海町鉄道記念館」のある「別海町鉄道記念公園」の整備に際して、当時の町長さんのメッセージも掲げられていました。
左右の出入口の間には何故か「C622 展示コーナー」がありました。北海道にも縁のある車輌ではありますが、標津線に入ったことは無かった……ですよね?
あとこのナンバープレートですが、C62 2 号機は梅小路蒸気機関車館(今の「京都鉄道博物館」)。で保存されている筈なので、これは……レプリカということでしょうか? 色々と謎の多い展示ですね。
別海町鉄道記念公園
「別海町鉄道記念館」のある一帯(かつての西春別駅構内)は「別海町鉄道記念公園」として整備されています。「鉄道記念館」にもっとも近い位置には蒸気機関車が保存展示されているのですが……やはり屋外で雨ざらし(しかも冬場はめっちゃ寒い)というのは、保存車輌にとっては過酷なんですね……。
この蒸気機関車は「D51-27」で、「D51-27 蒸気機関車」と題された説明板も設置されています。
この「D51-27」は 1949 年(昭和 24)に製造され、サハリンに輸出されたものです。サハリンの鉄道の多くは日本時代に建設されたもののため、日本仕様の蒸機がそのまま輸出できた……ということなのでしょうね。
サハリン向け D51-27
「鉄工品貿易公団」というのは日本政府直営の貿易機関で、1947 年 4 月頃に設立され 1951 年 1 月に解散したとのこと。当時は財閥が解体された後で、今のように商社が山ほどある状態では無かった……ということかもしれませんし、あるいは「財閥解体」で仕事を失った商社マンを保護するための隠れ蓑的な法人だったりして……(汗)。サハリンに輸出された D51 は「戦後賠償の一環」という説も根強いですが、日本語版 Wikipedia では「日ソ共同宣言の締結前に賠償はあり得ない」とあります。ただ日本語版の Wikipedia は特定方向の史観への捻じ曲げが酷いので、どこまで信用できるのか……という話も(少なくとも無批判に信用することは NG ですよね)。
「戦後賠償」では無かったとしても、この時期に純粋な「貿易」がソ連相手に行われたというのも「おいマジか」と思ってしまうんですよね。(単なる「戦後賠償」ではない)何らかの含意があったと考えるのもそれほど荒唐無稽では無いと思えるのですが……。
この「サハリン向け D51」という珍車ですが、この説明によると「日本国内においては 1 両しかありません」とあります。ただ平取の「振内鉄道資料館(振内駅跡)」にも D51-23 が保存されているほか、他にも 4 両ほどが日本に里帰りを果たして保存され、後に解体されていたとのこと。
「サハリン向け D51」を見分ける上でもっとも分かりやすいのが、「D51-27」という風にナンバーに「-」が含まれるところです。
国鉄の蒸気機関車は、「──記念館」の出口にあった「C62 2」のように「-」が入らないんですよね。
歌舞伎っぽい?
国鉄の蒸気機関車は、どうせ煤煙で車体が汚れるからなのか、基本的に真っ黒に塗装されているのが一般的でした。ただ保存車両においては「黒一色」ではあまりに「映えない」という判断からか、赤や白、銀色などの塗料をふんだんに使って「見栄えを良くする」というのが定番のようです。国内では、ワンポイントとして連結棒の内側を赤くペイントするという「オシャレ」が多いような気がするのですが(例)、動輪の内側を真っ赤っ赤にペイントするというのは、ちょっと斬新な感じが。白い縁取りはなんとなく「歌舞伎っぽい」印象も……?
そう言えば海外の蒸気機関車でも黒をベースに赤や白をあしらうカラーリングが多いような気がするのですが、動輪を真っ赤にペイントするのは中国で多いみたいですね。あ、ユジノサハリンスクで保存されている D51-22 も似たようなカラーリングなので、これはソ連時代のカラーリングなのかも……!
幻の「恵須取鉄道」向け D51
「サハリン向け D51」の外観上の大きな特徴として、運転室扉の存在があげられるのですが……(国内向け D51 には扉が存在しない)どうやら日本統治時代に「樺太庁鉄道」が「
この 2 両は結局樺太に送られることは無かったそうですが、「サハリン向け D51」のオリジナルとも言える個体が既に存在していたというのは面白いですよね。
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