【ご注意ください】この記事の内容は、特記のない限りは 2017 年 4 月~ 5 月時点のものです。
左カーブを抜けた後は、R = 80 の深い右カーブで再び北に向きを変えると間もなく「桂沢トンネル」です。このトンネルポータルも戦国武将の兜のような形ですね。
トンネルの中は割と新しそうに見えますが、この「桂沢トンネル」も 1985 年に建設されたそうなので、もう 37 歳……ということになりますね。
ご自由にお使い下さい
トンネルを抜けた先には「岩見沢道路事務所 桂沢除雪ステーション」があります。よく見ると、下にトイレのマークと「ご自由にお使い下さい」の文字が。
ストリートビューで見てみると、確かにトイレが開放されているっぽい様子が。これは助かりますよね。
「桂竜橋」の突き当り
国道 452 号は再度「「桂竜橋」を渡ります。地理院地図には旧道と思しき「桂沢橋」という橋も描かれていますが、航空写真では既にその存在を確認できません(撤去されたのでしょうか)。
橋を渡った先は T 字路(=ブレーキングポイント)ですが、路面がかなり継ぎ接ぎ状態ですね……。交通遮断用のゲートと、左側には謎のマスコットっぽいものも見えます。
「りゅうちゃん」の幻
こちらの恐竜みたいなキャラクターは「りゅうちゃん」と言うのだそうです。この「りゅうちゃん」は「エゾミカサリュウ」をモチーフにしたキャラクター……だった筈なのですが、後の研究で「エゾミカサリュウ」は海棲の爬虫類(モササウルス科)だということが判明し、「りゅうちゃん」のような形の手や足は持ち合わせていなかったことが明らかになります。
Wikipedia の「エゾミカサリュウ」の記事にも「文化利用」として次のように記されています。
エゾミカサリュウは上述のとおり恐竜ではない可能性が高まったものの、地元の三笠市ではティラノサウルス型肉食恐竜の復元イメージが強く残り、町おこしの目玉として観光振興に利用された。三笠市立博物館前と桂沢湖畔の道立自然公園入口には、高さ 3 m 近くの復元像が飾られただけでなく、毎年夏には三笠恐竜まつりが開催され、エゾミカサリュウをかたどった恐竜みこしが町を練り歩いた。さらに、マスコットの『リュウちゃん』のイラストが市内の観光地各所に飾られ、恐竜ではないという訂正はしづらい状況となった。
(Wikipedia 日本語版「エゾミカサリュウ」より引用)
「訂正はしづらい状況となった」という一文には破顔を禁じ得ないですが、桂沢湖畔の「エゾミカサリュウ復元像」はいつの間にかしれっと「ティラノサウルス像」だったことになり、桂沢ダムの拡大工事が進む中でひっそりと撤去されたのだそうです。「エゾミカサリュウ」にこんな騒動があったとは知りませんでした。そして「幻の大型肉食恐竜」発見譚が「りゅうちゃん」というキャラとして生き残ったというのも、実に面白いですよね。
芦別方面へ
左折した先には「三笠市立博物館」がありますが、流石に時間が無いので今回はパス!です。右折して芦別方面に向かいます。広域情報表示板には「Caution Icy road」の文字が。左右分割式のゲートも見えるので、何かがあればこの先が通行止めになるということですね。
夕鉄バス・夕鉄バス・夕鉄バス!
国道 452 号が(一部未開通区間もあるとは言え)大半の区間が走行可能なのは奇跡的にすら思えるのですが、実は道道 116 号「岩見沢三笠線」と道道 135 号「美唄富良野線」を組み合わせることで札幌・富良野間の最短ルートになるんですよね(何を今更……という話ですいません)。国道に認定された当初は未舗装区間もあったそうですが、今ではこんな風に観光バスもスイスイ~と走ることのできる道になりました。
舗装が継ぎ接ぎな場所もあったりしますが……。この辺は国道 451 号と通じるものもありますね。
「夕鉄バス」の観光バスが 3 台続いて、3 台目の後には乗用車が連なっていました。まぁ追い越したところで更にその前に 2 台いるので、大人しく後を走るのが実は正解なのかもしれません。
三芦トンネル
トンネルが見えてきました。このトンネルを抜けると「芦別市」です……が、トンネルから芦別市役所までは 30 km 以上あります。あれ、意外と短い?(50 km ほどありそうなイメージだったのですが、そういえばさっきの青看板で既に 41 km でしたよね)「三芦トンネル」(全長 455 m)に入ります。このトンネルは「桂沢トンネル」と同い年の 1985 年生まれとのこと。昭和末期のトンネルということになりますね。
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2 件のコメント:
法面に鋲のようなものが打ち込まれているヤツはアンカー打設工ですね。
単純な土留めとかモルタル吹付の場合、動かなくする力は引力により下方向に働く力だけで、その力の元は重量という事になるため、大きな力で押さえつけなくてはいけない場合はモルタル厚を増やして重量を増やす必要があります。
また勾配が大きいと崖方向に押える力はそれだけ小さくなります。
それなら直接崖を押さえちゃえばいいんじゃね?という事で斜面に垂直になる方向に安定した地盤までアンカーを打ってアンカーの引っ張る力で土を押さえようという工法です。
壁に立てかけたものが倒れるなら手で押さえれば倒れないよね…というのと同じ原理です。(ザックリしすぎ)
ちなみに、トンネルポータルの戦国武将の兜みたいなアレは「雪庇防止板(せっぴぼうしばん)」というらしい。
<セルダン> さん:
「アンカー打設工」と言うのですね。モルタル吹付けでもまだまだ強度が足りないケースがあるというのは想定外でした。チラっとググって見ると滋賀県の Web サイトに PDF があったのですが(https://www.pref.shiga.lg.jp/file/attachment/1028732.pdf)、このアンカーは滋賀県の国道 306 号(鞍掛峠)で見かけて「これはなんだろう」と思ったんですよね。
「雪庇防止板」でググると https://www.daiken-sangyo.jp/seppi.html などが引っかかりますが、あの兜のような、あるいは羽を広げたクジャクみたいなデザインにもちゃんと意味があるんですね。「円弧形状の為、坑口における威圧感が少なく」というのはちょっと疑問符も残りますが……。
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