2022年7月29日金曜日

紀勢本線特急列車 (46) 「熊野市~二木島」

「紀勢本線各駅停車」と銘打ちながら「紀和駅」の存在をすっかり失念するなど、いつも以上(当社比)のボンクラぶりが目立っていましたが、挙句の果てには「腹が減った」という理由で途中下車をキメる羽目に。そしてその結果、気がつけば何故かこんなところに……(汗)。
いや~、やっぱ特急列車は快適ですわぁ(ぉぃ)。

【ご注意ください】この記事の内容は、特記のない限りは 2016 年 6 月時点のものです。列車の時刻や使用する車輌・番線などが現在とは異なる可能性があります。

大泊駅

「木本トンネル」を抜けて大泊駅にやってきました。熊野市駅からは 2.4 km しか離れていませんが、間の地形が険しいこともあってか、雰囲気がガラっと変わりましたね。
この大泊駅は 1 面 2 線の島式ホームのように見えますが、ホームの南側に現存する線路は保線用車輌が置かれる線路のため、駅としては 1 面 1 線で列車交換のできない構造です。ただ、かつては 1 面 2 線の構造だったため、駅舎はホームの東側に設置されています。
かつて構内踏切が存在したものの、踏切を横切る線路が無くなってしまったため、踏切としては廃止された……ということになりますね。

大泊駅については日本最長路線バスの旅(番外編)#4 「生まれながらの無人駅」もご覧ください。

波田須駅

国鉄の「紀勢西線」は 1940 年に熊野市駅(当時は紀伊木本きいきのもと駅)まで開通しましたが、熊野市から 3 駅先の新鹿あたしか駅まで延伸されたのは 1956 年のことです。16 年のタイムラグは戦争の影響が大きいと思われますが、延伸された区間は長大トンネルのオンパレードで、仮に戦争が無かったとしても開通まで時間を要したであろうことが想像できます。

大泊と波田須はだすの間には「大吹トンネル」というトンネルがありますが、これは近くを通る「熊野参詣道」の「大吹おおびき峠」に由来するネーミングでしょうか。だとすれば「大吹トンネル」は「おおびきトンネル」と読むのが正解かもしれません。
波田須にやってきました。前述の通り、紀勢本線(当時は「紀勢西線」)の熊野市(当時は「紀伊木本」)から新鹿までが開通したのは 1956 年ですが、波田須駅が開業したのは 1959 年に紀勢本線が全通した後の 1961 年です。路線開通後に追加された駅ということで、1 面 1 線のシンプルな棒線駅となっています。

波田須駅については日本最長路線バスの旅(番外編)#4 「生まれながらの無人駅」もご覧ください。

新鹿駅

波田須と新鹿の間には 2 本のトンネルがあり、長いほうは「甫本トンネル」という名前のようです。新鹿駅の南に「甫本ほもと」という字があり、それに由来するネーミングのようです。
甫本トンネルを抜けると、眼前に「新鹿湾」の海が広がります。美しい砂浜が広がっていますね。
この砂浜は「新鹿海水浴場」のようで、砂浜の砂は手前に見える「里川」が運んでくれているようです。
新鹿で新宮行き 333C とすれ違います。333C は特急「ワイドビュー南紀 8 号」とすれ違うため、新鹿に 11 分停車していたようです。もしかしてターミナル駅の隣の駅で列車交換を行うのがセオリーなのでしょうか……?
それはそうと、ホームの高さが随分と低いのが気になりますね……。

新鹿駅の駅舎は大泊駅とそっくりですが、どちらも 1956 年に路線延伸した際に設置された駅なので、似ているのも当然……なんでしょうか。
1959 年に紀勢本線が全通する前は「紀勢西線」と「紀勢東線」に分かれていましたが、以前は新宮鉄道をルーツとする「紀勢中線」もありました。1940 年に串本江住間が開通したことで「紀勢中線」の孤立状態は解消され、紀和(当時は「和歌山」)-熊野市(当時は「紀伊木本」)間が「紀勢西線」を名乗ることになります。

戦後の 1956 年に「紀勢西線」は新鹿まで延伸されますが、結果的に新鹿駅が「紀勢西線」の最東端ということになりました。別の言い方をすれば、新鹿と三木里の間の開業が最も後回しになった、となりますね。

新鹿駅については日本最長路線バスの旅(番外編)#4 「生まれながらの無人駅」日本最長路線バスの旅(番外編)#5 「公的インフラとしての鉄道」もご覧ください。

二木島駅

新鹿を通過すると長い右カーブを抜けて再びトンネルに入ります。
2534 m の「逢神坂トンネル」を抜けると間もなく二木島にぎしま駅です。熊野古道の「逢神坂峠」は「おおかみざかとうげ」らしいので、トンネルの読みも「おおかみざかトンネル」でしょうか。
二木島湾は山に囲まれた「天然の良港」のようで、海水浴場は無いかわりに漁港として活用されている……と言えそうでしょうか。

二木島駅については日本最長路線バスの旅(番外編)#5 「公的インフラとしての鉄道」もご覧ください。

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