2022年7月13日水曜日

紀勢本線各駅停車 (35) 「紀伊天満・那智」

紀伊勝浦を出発して 3 分ほどが経過しました。倉庫らしき建物が見えてきましたが……
【ご注意ください】この記事の内容は、特記のない限りは 2016 年 6 月時点のものです。列車の時刻や使用する車輌・番線などが現在とは異なる可能性があります。

紀伊天満駅

倉庫の向かい側が紀伊天満駅でした。紀伊勝浦からは 1.2 km しか離れていないのですが、新宮行き 2333M はこの区間を 3 分かけて走るダイヤのようです。
紀伊天満駅は 1 面 1 線の「棒線駅」です。1912 年(大正元年)に新宮鉄道の「那智口駅」として開業後、1917 年に「天満駅」に、そして 1934 年に国有化された際に「紀伊天満駅」に改められて現在に至るようです。
この駅は、古くからの市街地の中にある停留所のような駅で、駅前に神社があるという風変わりなロケーションの駅です。


この駅舎ですが、「紀伊天満駅」の文字が無ければどう見ても……トイレですよね……(トイレのマークの所為でしょうけど)。


ホーム上屋は駅舎の周囲に存在するだけのシンプルな構造です。ホームも決して広くないようで、紀伊勝浦のすぐ近くに駅を設ける必要があったのだろうか……と疑問に思えてきますが、陸軍図によると駅のすぐ近くに那智村役場があったようで、新宮鉄道としても駅を設けないわけにはいかなかった……ということかもしれません。
ちなみに余談ですが、紀伊天満駅の東側にはこんな道路があります。


例によって……ですが、この道路も線路跡のように見えます。国道 42 号の西にある「A コープ なち店」あたりまで続いていたようにも見えますが、今のところは正体不明です。那智川の近くに向かっているということで、川原で採取した砂利を運搬するための工事用の線路だったのかな、などと想像してみました。

あれ、もしかしたら「ぶつぶつ川」の近くの謎の道路も同じ理屈で説明できる?

那智駅

紀伊天満を出発すると、すぐに那智川を渡ります。北北東に進むこと 2 分弱で那智駅に到着です(紀伊天満駅と那智駅の間は 0.9 km しか無いとのこと)。
那智駅は 2 面 2 線の相対式ホームですが、もしかしたら海側ホームの南側に荷物ホームが存在したかもしれません(1974 年頃の航空写真で車輌らしきものが見える……ような気がするので)。この植え込みが線路跡の可能性もあるんじゃないかと思うんですが……。
那智駅の駅舎は山側にあります。つまり海側ホームにあるのはホーム上屋ということになりますが……めちゃくちゃ立派ですよね。ホームがスロープ状になっているのが気になりますが、ホームの紀伊田辺側と新宮側で高さが違うように見えます。
ディーゼルカーなどは出入口にステップがついていて、比較的低いホームでも乗り降りができるようになっていますが、直流用電車にはステップがついていないため、低いホームでは列車とホームの間の段差が大きくなる傾向にあります。そのため、電化の際にホームが嵩上げされることが多いのですが、那智駅の構造は 1 つのホームで電車とディーゼルカーの両方に対応しようとしたようにも見えますね。

「熊野那智大社」の玄関口

那智駅は「熊野那智大社」の玄関口と言うこともあり、開業の 24 年後に早くも駅舎が改築されたとのこと。改築された駅舎は「熊野那智大社」を模したもの……とのことですが……


ふむふむ。これは確かに立派な駅舎ですね。ホーム上屋も木製のように見えますが、これは 1912 年の開業時のものか、あるいは 1936 年の駅舎改築時のものなんでしょうか。
那智駅は亀山駅から 193.0 km ということで、ホームの真ん中に 193 キロポストが立っています。
立派な(立派すぎる)駅舎のある那智駅ですが、やはりと言うべきか現在は無人とのこと。
改札口の上には「ようこそ 那智駅 へ」と題されたポスターが! 社交辞令にすぎないのかもしれませんが、こうやって歓迎されるのは嬉しいものですよね。

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