2022年6月27日月曜日

紀勢本線各駅停車 (23) 「周参見・双子山信号場」

紀伊日置を出発すると「安宅坂トンネル」を抜けて「すさみ町」に入ります。駅名は漢字で「周参見すさみ」ですが、町名がひらがなと言うのは「平成の大合併」で良くあるパターンですよね。

ところが、「すさみ町」という町名になったのは 1955 年(昭和 30 年)とのこと。周参見町すさみちょう大都河村おおつがわむら佐本村さもとむらが新設合併するにあたり、「周参見町」の名前を引き継ぐのは吸収合併のような印象を与えるため、せめてもの抵抗でひらがなにした……というのが理由の半分くらいを占めているような予感がします。

残りの半分は「周参見」がちょいと難読だったから……ではないかなぁと。

「安宅坂トンネル」を抜けると、列車は「太間川たいまがわ」沿いを南に向かいます。途中で紀勢自動車道が紀勢本線をオーバークロスしています。
【ご注意ください】この記事の内容は、特記のない限りは 2016 年 6 月時点のものです。列車の時刻や使用する車輌・番線などが現在とは異なる可能性があります。

紀勢自動車道・阪和自動車道を経由した場合、すさみから和歌山までは 100 km ほどとのこと。これを近いと見るか遠いと見るかは意見が分かれるところかも知れませんが、以前は完成 2 車線で恒常的に渋滞していた区間が 2021 年 12 月に 4 車線化されたこともあり、今ではすさみから和歌山までは(渋滞が無ければ)1 時間 35 分ほどで走破できるとのこと。
周参見の市街地に入りました。踏切の傍には「釣船」の文字が入った「民宿」が。かつて紀勢本線には「新宮夜行」という夜行列車がありましたが、この列車は「太公望列車」とも呼ばれたそうで、大勢の釣り客を運んでいた時代もあったのだとか。
すさみ駅の手前で太間川を渡ります。
河口のすぐ近くで国道 42 号が太間川を渡っていました。中間に橋脚の無いアーチ橋ですが、これは漁船の行き来に配慮したものなんでしょうね。

周参見駅

周参見駅は 2 面 3 線の国鉄型配線っぽい構造に見えますが、現在は 2 番線は廃止されて列車は基本的に 1 番線を使用する運用とのこと。ただ 1 番線には既に特急「くろしお 22 号」が入線済みのため、2333M は 3 番線に入ります。
時刻表をチラ見した限りでは、周参見で特急とすれ違う各駅停車は 2333M だけのように見えます(見落としがあればすいません)。他には 8:44 発の新宮行き 2329M が 8:45 発の紀伊田辺行き 2324M とすれ違うために 3 番線を使用してそうな感じでしょうか。昼間に 3 番線を使うのは 2333M だけかもしれません。
2 番線(2 番のりば)は廃止済みとのことですが、ホームにフェンスやロープなどは設置されていないようです。

ちなみに特急「くろしお 22 号」は和歌山まで 1 時間 45 分で結んでいるとのこと。紀勢自動車道・阪和自動車道を経由した場合よりも 10 分ほど遅れを取っていますが、紀勢本線の周参見・和歌山間が 126.9 km なのに対し、紀勢自動車道・阪和自動車道経由だとすさみ町役場から和歌山市役所までは 108 km しか無いことを考えると、「くろしお」は相当頑張ってますよね。
周参見を出発すると、眼前に太平洋が広がります。阪和自動車道・紀勢自動車道と比べて距離や線形の面で苦戦を強いられる紀勢本線ですが、車窓からの眺めは紀勢本線の圧勝のような気がします。

双子山信号場

紀勢本線は程なく内陸部に入るのですが、あれ、駅でも無いところに側線が……?
ここは「双子山信号場」という名前の信号場で、列車のすれ違いのために 1965 年に設置されたものだそうです。そういえば、紀伊田辺からは単線区間ですが、どの駅もすれ違いができる構造なんですよね。線路にホームがあるだけ(すれ違い不可)の駅は無かったような……。

この「双子山信号場」ですが、Wikipedia には次のように記されています。

  • 2021 年(令和 3 年)3 月 13 日 - この日のダイヤ改正で定期列車の行き違いがなくなり、2 番線は使用停止状態となった(信号設備は機能中)。それまでは昼過ぎに普通列車と「くろしお」の行き違い設定があった。
(Wikipedia 日本語版「双子山信号場」より引用)
これによると、昼過ぎに「くろしお」とすれ違う普通列車があったように見受けられますが、時刻表をチラ見した限りでは 2016 年時点でもそれらしい列車が見当たりません。謎ですね……。

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