2022年5月23日月曜日

紀勢本線各駅停車 (プロローグ 2) 「和泉鳥取・山中渓」

和歌山行きの「紀州路快速」は和泉砂川を出発しました。車窓に畑が目立つようになってきましたね。
……と思ったら分譲中?の住宅地が。大阪の中心部まではそこそこ距離がある筈ですが、お手頃価格で良い住環境を得られるということなんでしょうか。

和泉鳥取駅(JR-R49)

和泉鳥取駅にやってきました。「分譲注文住宅」の看板が見えますね。
この和泉鳥取駅ですが、ここまで見てきた駅とはちょいと雰囲気が違います。ホームの下部がスッカスカなのですが、高架線上の駅というわけでもありません。
この駅の開業は 1963 年で、戦時買収で国鉄になってから 19 年後に設置された駅でした。上りホームと下りホームの間の通路は線路の下を通っているようで、線路が盛土の上にあることをうまく活かしているようです。
和泉鳥取を出発すると、峠越えの区間に入ります。大阪と和歌山を結ぶ主な交通路としては「南海本線」「JR 阪和線」そして「国道 26 号」「阪和自動車道」あたりがメジャーかと思いますが、南海本線と国道 26 号が「孝子きょうし峠経由」で、JR 阪和線と阪和自動車道が「山中渓やまなかだに経由」となっていて棲み分けができています。
「南海本線」と「国道 26 号」よりも「JR 阪和線」と「阪和自動車道」のほうが建設年次が新しいため、山中渓経由のほうが新しいルートっぽい印象がありますが、実はどちらも古くからある峠越えルートだったようで、「紀州街道」は山中渓を通っていたとのこと(もっとも「孝子越街道」も古くから存在していたらしいので、どちらが古いのかは良くわかりませんが……)。

山中渓駅(JR-R50)

峠に向かって坂を登る途中ですが、山中渓駅が見えてきました。これも国有化後に設置された駅なのかな……? と思わせたものの……
どうやらホームの端の延伸部分だったらしく、駅中心部は土が盛られた昔ながらの構造のホームでした。線路側に一部欠けた部分が見えるのが気になりますが、これは一体……?
この山中渓駅は 1930 年に阪和電鉄が東和歌山まで延伸した際に設けられた駅とのこと。いかにも乗降客の少なそうな駅ですが、大阪府内の JR 駅では 2 駅しかない無人駅の一つがこの山中渓駅なのだそうです(あと一つは長滝駅とのこと。あの感じの良い駅舎が無人駅だったとは……)。
山中渓駅と、次の紀伊駅までの駅間は 8.1 km もあります。…… 8.1 km しか無いんかい! とちゃぶ台をひっくり返したくもなりますが、駅と駅の間に停留場を設けるのを常套手段としていた阪和電鉄に出自を持つ JR 阪和線では、これが最長駅間とのこと。

ここから和歌山県

山中渓駅を出発すると、短い(50 m も無さそう)「第二山中トンネル」を通過後、そのまま和歌山県に入ります。あれっ?と思わせますが、何故かこのあたりの府県境は分水嶺とは関係ないところに引かれているようで、上り勾配が続きます。
線路の右側に緑が迫ってきましたが……
おわっ。ついに峠越えのトンネルに入ったようです。このトンネルは「雄ノ山トンネル」というのだそうです。

和歌山 JCT(建設中)

トンネルを抜けると右側の高台に阪和自動車道が見えるのですが……いや、これは建設中(当時)の「和歌山 JCT」ですね。
阪和自動車道は「雄ノ山峠」を掘割で抜けるために、JR 阪和線よりも高いところを通っています。その上に「京奈和自動車道」を通すことにした……までは良いのですが、両者を接続するジャンクションを更にその上に通すことにしてしまったために、このようなメチャクチャ高いところに橋をいくつもかけることになってしまったようです。
手前に見えているのが和歌山市内に向かう「京奈和自動車道」の高架で、その上を跨ぐ形の橋が大阪方面に向かうジャンクションの高架です。とんでもない構造に思えますが、これがベストだという判断があった……ということなんでしょうね。

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