2021年9月21日火曜日

春の道北・船と車と鉄道で 2016 (183) 「豊沃橋」

道道 1023 号「上徳志別乙忠部線」で歌登方面に向かいます。途中で「タチカラウシナイ川」を渡るのですが、橋の名前が……
「功橋」という名前でした。世界の青木かと見せかけて実は佐々木かもしれませんし、もしかしたら橋爪かもしれないので油断ができませんね。
ちなみにこのあたりは「豊沃」という地名なのですが(歌登町が枝幸町と合併した後は「歌登豊沃」)、「豊沃」とは瑞祥地名の中でも珍しいタイプの地名ですよね。1980 年代までは、普通に川名由来の「タツカラウシュナイ」と呼ばれていたようです。

道道 120 号と合流

「タツカラウシナイ川」の谷は、徳志別川と合流する直前がちょっと狭隘になっていますが……
狭隘な部分を抜けると徳志別川の広い谷間に出て、程なく道道 120 号「美深中頓別線」と接続します。
道道 1023 号の脇には「うたのぼり健康回復村」の案内板も立てられていました。
道道 120 号と接続する T 字路にやってきました。右折して歌登方面に向かいます。

豊沃橋

道道 120 号「美深中頓別線」に入りました。左にカーブしつつ徳志別川を渡ります。この橋の名前は「豊沃橋」と言うそうで、元々は「志美宇丹」と「豊沃」(タチカラウシュナイ)を結ぶ道路の橋だったようです。
現在は「豊沃橋」から「上徳志別」と「大曲」を経由して、「天の川トンネル」を抜けて「仁宇布」(中川郡美深町)に抜けるルート(国鉄美幸線の予定線とほぼ同じ)が道道 120 号に選定されているため、豊沃(タチカラウシュナイ)から志美宇丹に抜けるには前述の T 字路を右折する必要がありますが、元々は道道 1023 号から道道 120 号に抜けるルートがメインルートだった、ということになりますね。
鉄建公団建設線の「美幸線」は、ほぼ建設が完了しながら結局開通することの無かった路線(未成線)としても知られていますが、途中の「天の川トンネル」など、一部が道道に転用されています。この緩やかなカーブももしかしてそうかな?……と思ったのですが、完全に無関係だったようです。

志美宇丹とオフン

道道 120 号「美深中頓別線」も「夜間の除雪はしていません。」とのこと。積雪時は要注意ですが、それ以外の季節であればとても走りやすい道路のひとつです。
かつての「歌登町志美宇丹」は、枝幸町との合併の結果「枝幸町歌登志美宇丹」となりました。「志美宇丹」という地名の解釈も「諸説あります」状態ですが、sipe-ichan 説はちょっと無理があるかなぁ、と思い始めています。
志美宇丹から「ニタツナイ川」(かつて「ピウタン」と呼ばれた川)沿いに南下すると「大奮」(歌登大奮)という所に出るのですが、この「大奮」は「オフンタルマナイ川」沿いで、元々は「オフンタルマナイ」という地名だったようです。
正式な地名は「枝幸町歌登大奮」だと思われるのですが、現地では「オフン」で通じているようで、このような案内も出ていました。「シンプル・イズ・ベスト」を地で行くこの看板、なんか好きなんですよね……。

美幸線路盤の流用区間

志美宇丹(枝幸町歌登志美宇丹)の西側にはバイパスが整備されています。道路は僅かな上り坂を駆け上がったあとで左にカーブしているのですが、途中から未成線となった「美幸線」の路盤を流用している……ように見えるんですよね。
航空写真で見ると「ああ、そういうことか」とご納得いただけるかもしれません。


「美幸線跡」が道路に転用されたのは「天の川トンネル」が有名ですが、他は意外と例がないようで、ここくらいしか無さそうな気もするんですよね……。

「ゆるい峠」再び

「志美宇丹」は昔から「歌登町」のエリアだったという認識ですが、歌登の中心街が「北見幌別川」の流域にあったのに対し、志美宇丹は山を越えた先の「徳志別川」の流域にありました。別の言い方をすれば「志美宇丹と歌登の間には峠がある」ということなんですが、最も高い地点でも標高が 130 m 未満のため、つい存在を忘れがちになってしまいます。
峠に向かう途中で歩道がなくなったり、道幅が若干狭くなったりしているので、ここから峠道なのは間違いないんですが……。

「豊橋」のすぐそばに

峠を越えると北見幌別川の支流である「ペンケナイ川」の流域です(枝幸町歌登辺毛内)。「うたのぼり健康回復村」も、ペンケナイ川筋の最上流部にあります。
「健康回復村」の「うたのぼりグリーンパークホテル」はタイ人観光客向けに宿泊体験のカスタマイズを行い、多くのタイ人観光客を受け入れて TV で取り上げられるまでになったことでも有名……だったかもしれません。

道道 120 号は「健康回復村」のすぐ近くで「ペンケナイ川」の支流を渡っているのですが、その橋の名前が……
「豊橋」と書いて「ゆたか──」と読むそうです。これはかなり難易度が高いのでは……!

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