2021年8月5日木曜日

春の道北・船と車と鉄道で 2016 (155) 「『廃棄物処理場』と『廃棄物処理センター』の謎」

かつての江丹別村の中心部にやってきました。大正時代に測図された陸軍図を見ると、当時は「江丹別村」ではなく「鷹栖村」だったようです。「江丹別村」は 1924 年(大正 13 年)に旧・鷹栖村から分村して発足しています。
陸軍図では、このあたりは「上江丹別」となっていました。現在、旭川市江丹別町嵐山と呼ばれているあたりが「下江丹別」で、「上江丹別」と「下江丹別」の間、現在の旭川市江丹別町共和のあたりを「中江丹別」と呼んだようです。

ただ面白いことに、村役場などが設置されたのは、もっとも山奥にある「上江丹別」でした。「上江丹別」(現在の旭川市江丹別町)のあたりは平地が多く、また隣町から遠かったために各種の施設を充実せざるを得なかった……と言ったところでしょうか。

江丹別町中央

「江丹別町中央」は、江丹別川と支流の「ポンベツ川」の間に位置し、集落の北には「丸山」という標高 241.4 m の孤峰が控えています。「江丹別ダム」は、東側を流れる江丹別川の上流部にあります。
道路の右側にはホクレンのガソスタと A コープがあり、郵便局もあります。あとは小中学校があり、他には蕎麦関連の施設が目立ちます。お隣の幌加内町の中心部を極限まで圧縮するとこんな形になるのでしょうか。
郵便局のサインは赤基調のものです。この手のサインは赤のものとオレンジのものを見かけますが、なにか意味があるのか、それとも設置年の違いだけなのか……?

「江丹別川」は「北 海 道」

集落の東側で「江丹別川」を渡ります(Google Map では誤って「拓北川」となっていますが……)。
川名の案内板の傾き加減もいい味が出ています。江丹別川は「一級河川石狩川水系」ですが、そう言えば「川の名の由来」が見当たりませんね。

旭川市廃棄物処分場

江丹別町中央から少し南に進んだところで、道道 848 号「鷹栖江丹別線」が分岐しています。ネーミングから考えると、ここが終点でしょうか。
そのまま道道 72 号「旭川幌加内線」を直進すると、「旭川市廃棄物処分場」の案内が見えてきました。廃棄物処分場とは、要するに「燃やせないものを埋める場所」なんでしょうけど、海が無いと山間部に場所を求めるしか無いですよね。日々の快適な暮らしのためには必要不可欠なものですが……

「ローベツ川」は「旭 川 市」

「開明橋」を渡って江丹別川の西側にやってきました。このあたりは川が蛇行していることもあり、一時的に進行方向が西南西に変わります。前方に見える山は深川市との境界となっているものですが、地理院地図では山名が見当たりません(標高 549.1 m の山だと思うのですが)。
「江丹別町中園」を過ぎて、かつての「中江丹別」の近くにやってきました。江丹別川に合流する直前の「ローベツ川」を渡ります。
こちらも傾き加減がいい味を出していますが、色合いが違いますし、よく見るとこちらは「旭 川 市」となっていますね。川によって管轄が異なるということなんでしょうか(理屈の上では、同じ一級河川だと思うのですが)。

川沿いか、山越えか

江丹別川と山の間の狭隘な区間を進みます。かつての「中江丹別」や「下江丹別」はこんな感じで、かつての「上江丹別」と比べて平地が少ないんですよね。
「江丹別川」を渡ると、前方に交叉点が見えてきました。ここで道道 915 号「共和嵐山線」が分岐するのですが、引き続き江丹別川沿いを下るにはここで右折して、道道 915 号に入らないといけません。
道道 72 号はここで東に向きを変えて、山越えして鷹栖町に向かうことになります。何故山越えするのだろう……と思ったのですが、そのほうが旭川市北部に近いから、なのでしょうね(旭川駅に向かうのであれば、道道 915 号経由でもほとんど距離は変わらないような)。

検索時の条件次第ですが、約 0.1 km しか違わないという説もあります。

旭川廃棄物処理センター

2016 年時点では、そのような選択肢があることすら知らなかったので、素直に道道 72 号を東に向かったのですが……あれ? ここにも「旭川廃棄物処理センター」の案内が出ています。
どちらも左折ということは、左折した先で道が繋がっているのか……と思ったのですが、「旭川市廃棄物処分場」と「旭川廃棄物処理センター」はどうやら全くの別物のようですね(Google マップに「旭川廃棄物処理センター」とあるのは、厳密には誤り)。

「旭川廃棄物処理センター」は「株式会社旭川振興公社が運営する廃棄物処理施設」とのことで、「株式会社旭川振興公社」は……不動産の取得・売却や小学校のプールの管理、旭山動物園のグッズの販売など、旭川市からの受託業務を中心に色々と手広く業務を展開しているようです。今風の会社のようにも思えますが、設立は 1960 年とのことで、もうすぐ設立 61 周年を迎えるみたいです(!)。

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