2021年8月2日月曜日

春の道北・船と車と鉄道で 2016 (152) 「-41.2 ℃」

深名線の湖畔駅跡の交叉点を右折して、朱鞠内湖に向かいます。右手に小さな看板が吊るされているのですが……さすがに文字までは見えないですよね。
こちらの吊り看板は、北海道電力の「朱鞠内発電所」と「朱鞠内変電所」の所在を示すものでした。朱鞠内湖を形成する雨竜第一ダムは水力発電を目的に建設されたもので、湖のまわりには北海道電力の私有地が目立ちます。


朱鞠内湖の水は、基本的には名寄市の「雨竜発電所」に送られているのですが、それとは別に朱鞠内にも揚水所兼発電所が存在しています。夏場の農繁期に水を放水する際に発電を行っているようで、農閑期は逆に揚水を行っているとのこと。

「除雪車」「幌 加 内 町」

「雨竜第一ダム」への小径を横目にそのまま直進すると……そろそろ湖畔ですね。
湖畔に向かう道を塞ぐかのような形で、除雪車が置かれていました。
それにしても、この「除雪車」のロゴが素晴らしいですよね。上に「幌 加 内 町」という文字が入っているのも最高じゃありませんか!?
ボンネットの側面にも「幌加内町」の文字と「除雪ドーザ」の文字も見えます。塗装の痛みもなにか勲章のように見える……というのは、贔屓の引き倒しでしょうか?

-41.2 ℃

除雪車の向こうには「遊漁者管理・休憩棟」があり、更にその向こうには船着き場がある筈ですが、残雪が邪魔をしているようです。

クルっと回れ右をすると、そこにはカントリーサインで見かけた例のオブジェが。
「朱鞠内湖」の下には「日本最寒の地」とあるのですが、この色合だと背景に溶け込んで見づらいのでは……。「41.2」は、朱鞠内湖の北東に位置する「幌加内町母子里」で 1978 年 2 月に記録された「-41.2 ℃」のことで、よく見ると「4」の字の左上に「-」が見えますね。でも、なんで「4」の左横に配置しなかったのだろう……?

なぜ朱鞠内に?

改めて考えてみると、道北を旅した際に「朱鞠内湖」に立ち寄る率がとても高いんですよね。特になにか目当てがあるわけでは無い(強いて言うなら「開かずの道道」である道道 528 号「蕗の台朱鞠内停車場線」の状況が気になる)のですが、程よく人の気配があって、でも程よく閑散としていて、それほど遠くない……という点で、何かと都合の良い場所だと認識しているみたいです。

「朱鞠内湖」は現役の発電ダムですが、既に「近代化遺産」のような貫禄も感じさせます。また戦中に建設されたことで「タコ部屋労働」の暗い歴史も持ち合わせていて、最近建設されたダムにはあまり感じられない「業の深さ」を持ち合わせている……というのも、何故か「朱鞠内湖」に引き寄せられる理由の一つ……なのかもしれません。

では、そろそろ引き上げることにしましょう。ここ(朱鞠内湖畔キャンプ場)からは国道 275 号に戻る以外、進む道はありません。

ということで、ちゃちゃっと国道 275 号に戻ってきました。左折して東に向かうと「-41.2 ℃」を記録した「母子里」を経由して、その先の道……じゃなくて美深に出ることができます。
ただ、この日のゴールは旭川だったので、直進して添牛内まで戻ることにしました。

すごく高い工事予告

相変わらずの霧の中、朱鞠内の集落を抜けて朱鞠内トンネルに向かいます。
左カーブでトンネルを抜けた先には……
こんな工事の案内が。これだけ見ると単なる工事予告なんですが……
この高さにあるというのはなかなか珍しいのではないかと。このあたりは冬場の冷え込みが厳しいのみならず、きっと積雪量ももの凄いのだろうなぁと想像しますが、この高さだったら多少の積雪があっても埋もれてしまうことは無さそうですね。

とりあえず添牛内へ

ということで、あっさりと国道 239 号の接続点まで戻ってきました。左折して東に向かうと士別峠を経由して士別に出ることができます。士別経由で旭川に向かっても良かったのですが、これまで走ったことの無い新ルートを開拓すべく、幌加内町の中心部に向かうことにしましょう。
ということで、まずは右折して添牛内へ!

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