2020年9月30日水曜日

春の道北・船と車と鉄道で 2016 (81) 「空港問わず語り」

道の駅「ウトナイ湖」を出発して、国道 36 号に戻りましょう。
ウトナイ湖と新千歳空港の間は、割と人口が希薄なエリアなのですが、これは意図的に開発が制限されている(着陸機のアプローチエリアに当たる?)からなのでしょうか。前方の十字路を左折すると「新千歳空港 IC」に行けるのですが、そう言えばそんな IC ができたんでしたね……(まだ使ったことが無い)。
空港と言えば、たとえば大阪市内から関西空港までは 50 km 近く距離があります。渋滞が無くても 40 分はかかる距離です(いきなりどうした?)。

赤くて黄色いアレ

空港の話の途中ですが、右手に例のアレが見えてきました。この一帯は「例のアレ」に事欠かないエリアですね……。
おっと。このタイミングで黄色に変わったところで安全に停止することは難しいっ!
ということで、美沢の信号を辛うじて通過して、千歳市に入ります。

ということで空港問わず語り

空港の話に戻りますが、たとえば JR の関空特急「はるか」だと、新大阪駅から関西空港駅まで 50 分ほどかかります。阪神高速湾岸線のほうが若干線形が良いのか、JR よりも早く着く可能性があるんですね。
それを見越して……ということでは無いのでしょうが、タクシーに「最速で」という無茶振りをする客も実在するそうです。運転手さんの話によると、飛ばしに飛ばした結果、そのお客さんは無事飛行機に間に合ったのだとか。
改めて Google Map で確かめてみると、札幌市役所から新千歳空港までも 48.6 km とのことで、ほぼ 50 km なんですね。似たような無茶振りをするお客さんはいるのでしょうか……?
Google Map は航空写真を目一杯拡大できるので助かるのですが、このレベルまで拡大するとこの程度の解像度だったんですね。もっとくっきり見えたら助かるんですけどね……。

大曲市は大仙市へ

国道 36 号でいつも面白いなぁと思うのが、「札幌」「大曲」「恵庭」のチョイスです。「札幌」と「恵庭」は市の名前ですが、「大曲」は「北広島市大曲」のことですよね。
これは北広島の市街地が完全に二つに分かれていることもポイントとして上げられると思うのですが、「北広島」だと市役所や駅のあるあたりを指すことになってしまうので、やむなく IC のあるあたりの「大曲」という地名を出してきた……のだと理解しています。

レンタカーは右に

この先の交叉点を右折すると安平方面に向かうことができるのですが、改めて地図を見てみると、大手レンタカー会社の営業所が固まっているんですね。空港のレンタカーって、空港から絶妙な距離で離れているのが面白いです。
レンタカー営業所に向かう場合は、青色のレーンを通ることになります。最近はこのような色付きの舗装も増えてきましたね。
夏場の北海道は「雷 注意報」が半ばお約束ですが、この時期は「なだれ注意報」も多いでしょうか。別の言い方をすれば、時期を問わずだいたい何らかの注意報が出てますよね……。

地域高規格道路「道央圏連絡道路」

新千歳空港まであと少しですが、ここで国道 36 号を離れて国道 337 号に入ります。
この先の国道 337 号は地域高規格道路「道央圏連絡道路」のため、歩行者や軽車両、原付も進入できない……のですね。

前の記事続きを読む

www.bojan.net
Copyright © 1995- Bojan International


2020年9月29日火曜日

春の道北・船と車と鉄道で 2016 (80) 「ウトナイ湖」

今更ですが、ウトナイ湖にやってきました。「国指定ウトナイ湖鳥獣保護区」にして「ラムサール条約登録湿地」とのことで、箔の付き方は十分と言ったところでしょうか。
違った切り口のものとしては、「北海道の自然 100 選」にも選ばれているみたいですね。
「ウトナイ湖の自然環境」を紹介する案内板も建てられていました。ラムサール条約で保護される湿地としては国内で 4 番目、道内では 3 番目とのこと。ウトナイ湖に先行したのはどこなんでしょうねぇ。釧路湿原かな、サロベツ原野かな……?
正解は「サロベツ原野」ではなく「クッチャロ湖」(浜頓別町)とのこと。昭和 55 年に「釧路湿原」が指定され、平成元年に「クッチャロ湖」が追加指定されたようです。「ウトナイ湖」がラムサール条約登録湿地になったのは平成 3 年なのだそうです。
観光客へは「美しいウトナイ湖と野鳥を守りましょう!」ということをアピールしていました。エサを与えることで起こる問題点を具体的に列挙しているので、とてもわかり易くて良い看板ですね。

湖岸? 湿地?

実際に湖岸に向かって歩いてみると……あ、結構な数の人がいますね。年齢層も広そうな感じです。
「ラムサール条約登録湿地」ではありますが、岸辺がドロドロで歩けたものではない……と言った状態ではありません。小枝などが漂着するものの、「砂浜」と言って良さそうな感じでしょうか。
ただ、道の駅から少し離れたところでは「葭原」が広がっています(sar ですね)。この佇まいを見ると、やはり「湿地」と呼ぶのが良さそうでしょうか。

黒くて大きい

岸辺から少し離れたところに、ハクチョウ(だと思う)の姿を見かけました。
優美な姿を見せるハクチョウですが……
そう言えば、水辺のすぐ近くにも「鳥にエサをあげないで!」の警告が出ていました。
しかも、その裏側には……
……(汗)。「黒くて大きい」のだそうですが、なるほど、水草を湖底の泥ごと食べてしまうので、泥で増量されたものが出てくるわけですね(汗)。

「ウトナイト沼」も遠くなりにけり

それでは、ボチボチ駐車場に戻ることにしましょうか。
ちなみに道の駅「ウトナイ湖」の隣には「ウトナイ湖野生鳥獣保護センター」もあります。機会があれば見学してみたいですね。
駐車場に戻ってきました。今は「ウトナイ湖」と呼ぶのが一般的だと思いますが、昔は「ウトナイト沼」と呼ばれていた時代もあったんでしたね。でも「ウトナイ レイク」という呼び方は流石に初めて見るような気がします……。

前の記事続きを読む

www.bojan.net
Copyright © 1995- Bojan International


2020年9月28日月曜日

春の道北・船と車と鉄道で 2016 (79) 「実は複雑怪奇な『とまチョップ』」

国道 36 号で苫小牧から千歳方面に向かいます。道の駅「ウトナイ湖」の案内が見えてきました。
ウトナイ湖には立ち寄ったことが無かったので、ちょいと寄り道してみましょう。時間は朝の 10 時過ぎだったので、まだまだ余裕があります。

すいませんすいません

GW の 3 連休の初日ということもあり、駐車場は中々の混み具合です。
なんとか駐車したのですが、これは……(嫌な予感が)。
どう見ても大型車用の区画ですよね。すいませんすいません……。

実は複雑怪奇な「とまチョップ」

駐車場とウトナイ湖の間には柵が設けられていて、指定された入口からの入場を促しています。
「道の駅」の建物の右側には駐車場とウトナイ湖を繋ぐ通路があり、そこには自販機が何台も並んでいました。自販機は「とまチョップ」をあしらったデザインのものですが……
「とまチョップ」が「とまこまい」「ハクチョウ」「ハナショウブ」「ホッキ貝」「ハスカップ」に由来する、というのは初めて知りました。ここまでディープな合成ネーミングだったとは……。

歩行ルートを制限する理由

わざわざ柵を設けてまでルートを制限しているのは、とまチョップ自販機の売上を伸ばすため……ではなく、靴底の消毒のためだったのですね。
確か数年前に口蹄疫が流行した時は、フェリーに上下船する際に消毒マットの上を通っていたんでしたね。これもおそらく似たような理由からなのだと推察します。

ピコリーノ(カスタマイズ済み)

消毒マットの前には株式会社サンポールの「Picolino」が。上の小鳥までは既製品ですが……
こんなカスタマイズが施されていました。

Hey Mister Tambourine Man

ウトナイ湖に限った話ではありませんが、野生動物への餌付けは良からぬ結果を招くことが殆どです。そんなわけで、「鳥にエサをあげないで!」という警告が複数の言語でなされていました。
ちなみに、後ろに見えている看板はこちらです。ウトナイ湖は法的には「勇払川」で、二級河川だということですね。
靴底の消毒もしっかり済ませたので、湖岸まで歩いてみましょう。

前の記事続きを読む

www.bojan.net
Copyright © 1995- Bojan International


2020年9月27日日曜日

北海道のアイヌ語地名 (767) 「シマフルベツ川・カネオペツ川・パンケホロカユウパロ川」

やあ皆さん、アイヌ語の森へ、ようこそ。
(この背景地図等データは、国土地理院の地理院地図から配信されたものである)
地図をクリックしたら地理院地図に飛べたりします。

シマフルベツ川

suma-hure-pet??
岩・赤い・川

(?? = 典拠なし、類型あり)
夕張シューパロダムのあたりで夕張川と合流する「パンケモユーパロ川」(パンケモウユウパロ川)を遡ると、「開かずの道道」として知られる道道 136 号「夕張新得線」沿いを東に向かうことになります。「シマフルベツ川」(シマプルベツ川)は占冠村との境からそれほど遠くないところでパンケモユーパロ川に注ぐ北支流の名前です。

「シマフルベツ川」と「シマプルベツ川」や、「パンケモユーパロ川」と「パンケモウユウパロ川」のように表記が揺れているところがありますが、前者が地理院地図の川名、後者が国土数値情報の川名です。最近ようやく気づいたのですが、両者に細かな違いがあるケースは少なくないみたいですね。

「シマプルベツ」という川名はかなり謎だったのですが、戦前に作図された陸軍図には「シマフレベツ川」と描かれていました。なるほど、これなら suma-hure-pet で「岩・赤い・川」と読めそうですね。

お隣の占冠村には「赤岩青巖峡」という景勝地がありますが、似たような感じで、褐色の岩が目立つ川だったのだろうなぁ、と思わせます。

カネオペツ川

kane-o-pet?
金・そこにある・川
ka-net-o-pet??
表面・流木・そこにある・川

(? = 典拠あるが疑問点あり、類型あり)(?? = 典拠なし、類型あり)
シューパロ湖の北半分は夕張川のダム湖ですが、夕張湖に東から注ぐ「ペンケモユーパロ川」という支流があります。「カネオペツ川」はペンケモユーパロ川の南支流なので、夕張川から見ると「支流の支流」ということに成るでしょうか。

夕張シューパロダムができる前は、ペンケモユーパロ川の北側には田畑が広がっていましたが、今はほぼシューパロ湖に沈んでしまったようです。

「カネオペツ」という川名は古くから存在していたようで、明治時代の地形図にも「カ子オペッ」と描かれていました。

「北海道地名誌」には次のように記されていました。

 カネオベツ川 ペンケモユウパロ川の左小支流。アイヌ語の金(かね)のある川の意であるが,
(NHK 北海道本部・編「北海道地名誌」北海教育評論社 p.220 より引用)
おっ、ビッグビジネスの予感がしますね! 続きが気になりますが……

この川からは金が出ないという。
(NHK 北海道本部・編「北海道地名誌」北海教育評論社 p.220 より引用)
なんでやねーん!

気を取り直して。kánekáni、あるいは konkane はいずれも「金」あるいは「黄金」を意味する語彙で、和語からの移入語彙と考えられます。kane-o-pet であれば「金・そこにある・川」と読めるのですが、更科さんの調べによると「この川からは金が出ない」とのこと。

同様の例が北見市の「金尾内川」にもありますが、明治時代に砂金の試掘が行われたものの発見されなかった、とのこと。空振りが二件続いたとなると、ちょっと別の方向性で考えないといけないような気がしてきました。

別の方向性で考えてみた

ka は「上」だったり「表面」と言った風に解釈できるかと思います。とすると ka-net-o-pet で「表面・流木・そこにある・川」と解釈できたりしないでしょうか……? 流木と言っても巨木ではなく、焚付に使えそうな細枝の可能性もあるんじゃないかと。

ただ、知里さんの「──小辞典」を見ていたところ、別の捉え方もできそうなことに気づきました。

net, -i ねッ ①漂木;流木。②水面の一角に流木が集結して魚類の隠れ場をなしている所。③イブリ(胆振),ヒダカ(日高)地方で人為的に川の上にさしかけを作って魚をとる仕掛。釧路・北見地方の puy に当る。
(知里真志保「地名アイヌ語小辞典」北海道出版企画センター p.65 より引用)
「人為的に川の上にさしかけを作って魚をとる仕掛」というのは、puy の項によると「桟橋」とのこと。そこまで立派なものがあったかどうかは微妙ですが、先に引用した②のような考え方は十分成り立ちそうな気もします。

ただ、北隣の「白金川」では実際に白金が出たという話もあるとのこと。となるとやっぱり「金・多くある・川」だったんですかねぇ……?(ぉぃ

パンケホロカユウパロ川

panke-horka-{yuparo}
川下側の・U ターンする・{夕張川}

(典拠あり、類型あり)
夕張川の西支流です。「パンケホロカユウパロ川」(パンケポロカユウパロ川)の北には「ペンケホロカユウパロ川」(ペンケポロカユウパロ川)も流れています。

「北海道地名誌」には次のように記されていました。

 パンケホロカユウパロ川 大夕張の奥の右支流。アイヌ語で川下にある後戻りさせられる夕張川の意。
(NHK 北海道本部・編「北海道地名誌」北海教育評論社 p.220 より引用)
はい。panke-horka-{yuparo} で「川下側の・U ターンする・{夕張川}」と考えられそうですね。

それにしても「志幌加別川」「遠幌加別川」があるほか、パンケモユーパロ川の南支流として「ホロカユウパロ川」もあります。夕張川の西支流には「パンケホロカユウパロ川」と「ペンケホロカユウパロ川」があるというのは……ややこしいですよね。特にお役所関係の方が間違えたりしないのか、他人事ながら心配になってしまいます。

(この背景地図等データは、国土地理院の地理院地図から配信されたものである)

前の記事続きを読む

www.bojan.net
Copyright © 1995- Bojan International


2020年9月26日土曜日

北海道のアイヌ語地名 (766) 「遠幌加別川・オラシナイ沢川・パンケモユーパロ川」

やあ皆さん、アイヌ語の森へ、ようこそ。
(この背景地図等データは、国土地理院の地理院地図から配信されたものである)
地図をクリックしたら地理院地図に飛べたりします。

遠幌加別川(えんほろかべつ──)

wen-horka-pet
悪い・U ターンする・川

(典拠あり、類型あり)
かつて夕張市清水沢から夕張川に沿って東に向かう「三菱石炭鉱業大夕張鉄道線」という鉄道路線がありました。現在も南大夕張駅があったあたりに当時の車輌が保存されているため、ご覧になった方も多くいらっしゃるかもしれません。

三菱大夕張線の清水沢駅と南大夕張駅の間には「遠幌駅」がありました。かつては「夕張市遠幌」という地名だったようで、現在も「夕張市南部遠幌町」という形で健在です。

遠幌駅は「遠幌加別川」のすぐ近くにありました。「遠幌」という地名は「遠幌加別」の後ろ 2 文字を省略した形だったのでしょうね。

丁巳日誌「由宇発利日誌」には「ベンケホロカユウハリ」という川が記録されていて、頭注に「遠幌加別」とあります。「由宇発利日誌」は「ハンケホロカユウハリ」と「ベンケホロカユウハリ」が続けて記録されていて、「ハンケホロカユウハリ」は現在の「志幌加別川」だと考えられます。

ウエンホロカペッ

一方で、明治時代の地形図では「シーホロカペッ」と「ウエンホロカペッ」となっており、現在の名前に近くなっています。NHK 北海道本部編の「北海道地名誌」には次のように記されていました。

 宇遠幌加別川(うえんほろかべつがわ)遠幌で夕張川に合する小支流。アイヌ語の「ウェン・ホㇽカ・ペッ」で悪い後戻り川の意で,鉱泉が湧き出て水がにごって水ののめない川であることに名付けたかと思う。
(NHK 北海道本部・編「北海道地名誌」北海教育評論社 p.220 より引用)
「遠幌加別」が略されて「遠幌」になったと思われるのですが、更に遡ると「宇遠幌加別」だった可能性もあるのですね。ただ、戦前の陸軍図には「遠幌加別川」とあり、「遠」に「ウエン」とのルビが振られていました。

山田秀三さんの「北海道の地名」には次のようにありました。

遠幌加別川 えんほろかべつがわ
遠幌 えんほろ
 夕張川を志幌加別川川口から約 1 キロ上った処に,北から遠幌加別川が注いでいる。ウェン・ホロカ・ペッ(wen-horka-pet 悪い・後戻りする・川)の意。何で悪かったのかは全く忘れられた。
(山田秀三「北海道の地名」草風館 p.64 より引用)
とりあえず wen-horka-pet で「悪い・U ターンする・川」なのは確定と考えて良さそうでしょうか。何が悪かったかについては山田さんは断定を避けていますが、「北海道地名誌」の説(おそらく更科さんの文章でしょう)が正しい可能性も十分ありそうに思えます。

オラシナイ沢川

o-rap-us-nay??
河口・両翼を張ったように突出ている出先・ついている・川

(?? = 典拠なし、類型あり)
夕張シューパロダムのすぐ西側で夕張川に合流する北支流の名前です。古い地図や手元の資料には全く手がかりが見当たらないので推測で進めるしかないのですが、o-rap-us-nay で「河口・両翼を張ったように突出ている出先・ついている・川」と読めそうな気がします。

もともとオラシナイ沢川の東には「大夕張ダム」がありました。2015 年に、その下流側に「夕張シューパロダム」が建設され、大夕張ダム自体がダム湖に水没してしまいました。

改めて地形図を見てみると、夕張シューパロダムの南北にはどちらも長い尾根が伸びていることがわかります。この尾根を下流側から見ると rap(翼、転じて両翼を張ったように突き出ている出先)と認識された、ということでは無いでしょうか。

おまけ

もう一つ、明治時代の地形図によると、オラシナイ沢川が夕張川に注ぐあたりで、夕張川の流れが左右二手に分かれていたことがあったようです。オラシナイ沢川が夕張川に注ぐあたりに巨大な「中洲」があったことになるので、o-sir-un-nay で「河口・島・ある・川」だった……と考えたこともありました。

この説の致命的な欠陥は「オラシナイ沢川」ではなく「オシラナイ沢川」でないといけない……ということで、「オラシナイ」にそれらしい解釈が存在する時点で、この説はちょっと無いかなぁー、と感じているところです。

パンケモユーパロ川

panke-mo-{yuparo}
川下側の・支流・{夕張川}

(典拠あり、類型あり)
夕張シューパロダムによって形成された「シューパロ湖」は、ダムの東側に南北に長く伸びています。夕張川とパンケモユーパロ川(パンケモウユウパロ川)が合流したところにダムが建設されたため、ダム湖は南北両方に伸びることになりました。

丁巳日誌「由宇発利日誌」には次のように記されていました。

     ヘ タ ヌ
此処二股に成り居り川の正面丸き大岳有。其両方に別れ居り、右の方に入るを
     モユウハリ
と云。此河源はサルフツ、ムカワの方に行、シツナイのシヒチヤリえ近しと。コトンリウは行し事有るよし。又左り本川通り、モユウハリの方より少しひろし。
松浦武四郎・著 秋葉実・解読「丁巳東西蝦夷山川地理取調日誌 下」北海道出版企画センター p.232 より引用)
改めて「東西蝦夷山川地理取調図」を見てみると、現在の「パンケモユーパロ川」に相当する位置に「モユウハリ」と描かれていました。panke-mo-{yuparo} で「川下側の・支流・{夕張川}」と読めますが、panke- がついているのは上流側に「ペンケモユーパロ川」があるから、ということと思われます。

前の記事続きを読む

www.bojan.net
Copyright © 1995- Bojan International


2020年9月25日金曜日

春の道北・船と車と鉄道で 2016 (78) 「4 灯横並びの信号機」

国道 36 号「明野南通」を千歳方面に向かいます。途中で「幌内川」を渡りますが、確かに地図で見てみると(このあたりの川の中では)大きな川です。
「ぎょうざカレー」でおなじみの「みよしの」ですが、苫小牧でも 1 店舗が絶賛営業中です。公式 Web サイトによると、札幌市内に 20 店舗あるほか、旭川にも 2 店舗、千歳と恵庭にもそれぞれ 1 店舗ずつあるみたいですね。

国道はこの先左折

「国道のバイパス沿いにあるチェーン店」と言われると、いくつか思い当たる店があるかと思いますが、明野南通にはそういったチェーン店の大半があるんじゃないか……と思わせます。そんな明野南通ですが、国道 36 号としてはあと 300 m ほどで終了です。国道 36 号は左折して苫小牧港通を北北西に向かうことになります。
良く考えたら、明野南通はこの先も続いているんですよね。まっすぐ走れば日高道まで行けたみたいです。
ただ、この日は律儀に左折して引き続き国道 36 号をトレースしました。

そしてすぐさま右折

苫小牧港通のうち、国道 36 号に認定されているのは 1 km にも満たない区間のみで、すぐさま右折することになります。
ということで、今回も律儀に右折です。
「札幌まで 58 km」という案内が出ています。国道 36 号を走った場合は 80 分程度でしょうか。道内では「50 km」はそれほど遠いと思わなくなるんですよね(市街地を除く)。「あ、50 km ね」くらいの感覚です。

太平洋 vs 新日本海

国道 36 号の右側に、ものすごく立派な「太平洋フェリー」の宣伝が出ています。「苫小牧港 19時00分 出航」と明記してありますが、当分変更するつもりは無いのでしょうね。
少し先(千歳から苫小牧に向かった場合は「少し手前」ですね)には「新日本海フェリー」の宣伝も。随分と小ぶりで高さも低い上に、木が邪魔しちゃってますね。まぁ対向車線のドライバーにアピールできればそれで良いので、問題は無いのでしょうけど。

日高道の立体交叉

400 m ほど先に、日高道(の側道)との交叉点が見えてきました。左折すると道央道に入ることができます。新千歳空港へは直進するように促していますが、確かに道央道に入ってしまったらめちゃくちゃ遠回りになりますね……。
その道央道ですが、北広島から札幌南まで渋滞 3 km とのこと。札幌南本線料金所の渋滞でしょうか。

4 灯横並びの信号機

日高道の立体交叉が近づいてきました。左折すると道央道の苫小牧東 IC、右折すると日高道の沼ノ端東 IC に向かうことができます。
それにしても、この信号機にはちょっと驚かされますよね。「右折可」は赤信号の下に配置されることが多いと思うのですが、ここでは何故か赤信号の右側に配置されています。日高道の橋桁と関係があるのかな、と思ったりもしたのですが……
日高道の下をくぐり抜けた先でも同じでした。この 4 灯横並びの信号機、他所にもあるのでしょうか。

前の記事続きを読む

www.bojan.net
Copyright © 1995- Bojan International