2020年7月17日金曜日

春の道北・船と車と鉄道で 2016 (37) 「セタカムイは黙して何も語らず」

国道 229 号を古平(ふるびら)方面に向かいます。少し上り坂になってきたでしょうか。
登坂車線があった割には、前方に車列ができてしまっています。よーく見ると先頭が道警のミニパトですね……(汗)。道路脇には自衛隊の看板もありますが、余市には海上自衛隊の基地があるので、数ある「自衛隊の町」のひとつと言えそうです。
出足平峠を貫く「梅川トンネル」にやってきました……がっ!
数年前まで現役だったトンネルはすっかり封鎖されてしまっていました。

ワッカケトンネル

「梅川トンネル」を抜けて、出足平川沿いを北に向かいます。ここは「白岩町」というところで、どうやら retar-pira (白い崖)を意訳した地名のようです。前方に海が見えてきました。
片斜面の手前に「ワッカケトンネル」の入口がありました。見ての通り、割と新しそうなトンネルです。
かつてのトンネルは出足平漁港の近くに入口がありましたが……


海沿いのルートは高波や土砂災害の危険性があるためか、新しいトンネルは半ば地下に潜るような感じで随分と手前に入口が設けられました。また、カーブの半径を大きくするためか、緩い左カーブ → 緩い右カーブ → 緩くて長い左カーブが続きます。カーブはいずれも緩いものなので、法定速度で走る分には減速の必要性は感じられません。

滝ノ澗トンネル

「ワッカケ岬」をワッカケトンネルでショートカットして、余市町潮見にやってきました。次の「滝ノ澗トンネル」の入口が見えていますが、先程のワッカケトンネルと同様に、旧トンネルと比べてかなり手前に入口が設けられています(旧ルートは「滝ノ澗ノ岬」の手前まで海沿いを通っていました)。
全長 1320.5 m の「滝ノ澗トンネル」に入ります。
このトンネルも、出口に向かって緩いカーブが続く構造です。少しだけ緩く右にカーブした後は、緩くて長い左カーブが続きます。

豊浜トンネル

トンネルを抜けて余市町豊浜にやってきました。前方に見えるのが「豊浜トンネル」の入口です。
豊浜トンネルは、1996 年 2 月に発生した痛ましい事故を受け、事故現場に近い古平川の入口を放棄し、隣の「セタカムイトンネル」と一体化する工事を行いました(結果的に、事故現場をトンネルの外から俯瞰することが困難になりました)。そのため、現在は全長 2228.5 m の長大トンネルとなっています。
地形図で見た限りでは、かつての「豊浜トンネル」はほぼ一直線のトンネルだったようですが、事故現場を避けて「セタカムイトンネル」と(トンネル内で)連結するために、途中で左に向きを変えます(この場所が切り替えポイントだったかどうかは確証がありませんが)。
このあたりが事故後の改良区間でしょうか。これまでのトンネルと比べるとやや急な感じもしますが、特に減速の必要は感じられない右カーブです。
トンネルは、やがてかつての「セタカムイトンネル」区間に入ります。
豊浜トンネル(元々は「セタカムイトンネル」として建設された区間)を抜けて、古平町に入りました(厳密には事故後の改良区間に入ったあたりから古平町でした)。

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