2020年4月10日金曜日

木次線代行バスで各駅停車 (30) 「油木~備後落合」

備後落合行き 1449D の代行バスは、油木駅を定刻通りに出発しました。しかし……
「油木駅前」のバス停は、一部が雪置き場になっていたこともあってか、大型バスが一回転できるだけの広さが無いため、バスは一旦県道 256 号「比婆山県民の森線」をバックして方向転換する必要がありました。方向転換でおそらく 1 分近くはロスしたと思われます(上の写真は方向転換後のものです)。

2.2 km の差

代行バスが、三井野原駅に 7 分ほど早着したことをご記憶の方もいらっしゃると思いますが、この早着は起こるべくして起こった出来事でした。出雲坂根と三井野原の間は、木次線では 6.4 km(しかもスイッチバックによる方向転換あり)なのに対し、国道 314 号では 3.9 km しかありません。これでは早着するのも当然……と言えます。
ところが、油木から備後落合の間は、木次線が 6.6 km なのに対し、国道 314 号経由だと 8.8 km もあります。木次線が大小あわせて 6 本ものトンネルで比較的カーブを少なくしているのに対し、国道 314 号は 3 箇所ほど川に沿って大きく迂回しているところがあります。また、両駅とも国道から少しだけ離れたところに駅があり、それぞれ 1~2 分ほどタイムロスがありそうです。

実は、備後落合で新見行き 444D に乗り換えるつもりでいました。1449D の備後落合着が 14:34 で、444D は 14:37 に備後落合を出発する予定です。3 分乗り換え……なのですが、代行バスが果たして時刻表通りに到着できるのか……という不安が頭をよぎります。出雲横田と備後落合の間の木次線は一日 4 往復しかありませんが、備後落合から新見方面に向かう芸備線は一日 3 往復しかありません(!)。

木次線の踏切

前方に、木次線の踏切が見えてきました。列車は運休中の筈なので、遮断機が降りることは無い筈ですが、法律上は自動車側が一時停止する必要があります。
線路はしっかり雪に覆われていました。ただ、レールの熱が伝わるのか、レールの上だけわずかに窪みができているのが面白いですね。

頭文字D(D は「代行バス」)

油木から備後落合までが、木次線だと 6.6 km なのに対して国道経由だと 8.8 km になってしまうということは運転士さんももちろん承知していて、明らかにコーナリング速度が上がりました(笑)。八川から出雲坂根に向かっていた頃ののんびりモードとは全く別次元の、キレた走りが繰り広げられます。
比婆山温泉の近くにやってきました。ここまでは木次線と国道がほぼ並走する形でしたが、木次線がこの先をトンネルでショートカットするのに対し、国道は川に沿ってグルっと大回りを強いられます。
大回り区間(その一)に入りました。路面に「減速」の文字が見えますが、バスはフルスピードのままハンドブレーキ片手に華麗にドリフトを……(もちろんウソです)。
西城川の向かい側に木次線の土手が見えてきました。これだと大きなタイムロスが無さそうなので安心できますね。
西城川の支流の奥の方に、木次線の橋?が見えますね。冬場でないと見られない眺めです。

皿谷トンネル

木次線の油木と備後落合の間にはトンネルが 6 つあると記しましたが、並行する国道 314 号線にもトンネルが 2 つあります。どちらも 100 m 程度の長くないトンネルですが、これほど(長くない)トンネルによるショートカットが嬉しく思えるのも珍しいような気がします。
ちなみに木次線は、トンネルではなく西城川を 2 回渡ることでほぼベストなラインをキープしています。もともと国道は川沿いにカーブしていたのですが、木次線に道を譲るためにトンネルを掘削したようにも見えます(国道もトンネルで線形改良ができているので、どちらにとってもプラスなんですけどね)。
トンネルを抜けたあとは、国道は再び川沿いに大回りを強いられるのに対して、木次線は橋と大小二つのトンネルでほぼ直線的にショートカットしています。この大回り区間(その二)で 0.7 km ほど損をしたでしょうか。

梶谷トンネル

二つ目の大回り区間を過ぎたあとも、代行バスは右に左にとカーブを駆け抜けながら備後落合を目指します。前方にこの区間で二つ目のトンネルが見えてきました。

あと 5 分……!

1449D の備後落合駅到着予定時刻まで、あと 5 分ほどとなりました。代行バスは最後の大回り区間を全力で疾走中です。

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