ということで、駅間の眺めを楽しむ余裕などは無いまま、次の出雲大東駅が見えてきました。駅からすぐのところに「雲南市立病院」があることもあってか、木次線では最も利用客が多い駅なのだそうです。
運転士支援システム
マイカーにカーナビを装着している方は多いと思いますが、最近は鉄道でも運転士支援システムの装着例が増えてきた印象があります。……と思ったら近鉄と JR 西日本での採用例が多いのですね。てっきり日本中の事業者で採用されているものかと……(早まった一般化だね)。どうやら木次線のキハ 120 にも「運転士支援システム」が搭載されているようで、停車駅が近づくと編成の両数を運転士に伝えていました。両数によって駅の停車位置が異なる場合があるので、何両編成の列車を運転しているかを正確に把握しておかないと、停車位置を間違えることになってしまいます。端的に言えばポカミスなんでしょうけど、そういったポカミスを事前に防ぐ効果が期待されます。
出雲大東駅(いずもだいとう──)
出雲大東の駅が近づいてきました。あれっ? もっと大きな街の駅という印象があったのですが……。実は、出雲大東の駅は加茂中(や幡屋)とは異なり、市街地の西の外れにあります。このあたりの木次線の線形の悪さは相当なもので、岩手県の「ドラゴンレール大船渡線」を彷彿とさせるものがあります。
(この背景地図等データは、国土地理院の地理院地図から配信されたものである)
右往左往する木次線
木次線の前身である「簸上鉄道」によって宍道-木次間が建設されましたが、路線免許を出願した時点では「宍道-加茂中-幡屋-木次」の本線と、「幡屋-大東」の支線を建設するという計画だったとのこと。ただ、幡屋から大東の間に支線を設けると大東と木次の間が遠回りになると考えたのか、幡屋から大東経由で木次にルートを変更して建設されました。支線の終点を設置するのであれば、現在の「出雲大東駅」のような西の外れではなく、もっと東側の中心部に近いところが選択されたと思いますが、幡屋から木次に向かう本線上に駅を設置することになり、町の外れに駅を設けることになった……と考えられます。
結果的には大成功?
市街地と駅の間に少し距離がある場合、結果的に市街地と駅の間が発展して新たな市街地が形成される……というのが「お約束」ですが、出雲大東駅もまさにそのパターンだったようです。駅の近くに大きな病院ができるというところまで、見事なサクセスストーリーに感じられます。今は 1 面 1 線ですが
木次線で最大の利用者数を誇る「出雲大東駅」ですが、駅の構造は 1 面 1 線の倹しい感じのものです。ただ、航空写真で見ると、元々は 1 面 2 線の島式ホームだったように思われます。Wikipedia には次のように記されていました。
かつては島式ホーム1面2線を有する構造であったが、片側の1線が撤去された。なお、撤去された線路跡は新駅舎供用開始に伴い埋められている。
(Wikipedia 日本語版「出雲大東駅」より引用)
かつての線路跡は、駅舎と北側の駐車場になった、ということなのでしょうね。例のアレ「神阿多津姫命」
現在は 1 面 1 線のシンプルな構造になった出雲大東駅ですが、もちろん駅名標があり……「駅の愛称」を紹介する例のアレ(また手を抜き始めたな)も設置されています。幡屋駅にもあったのでしょうが、きっと見落としていたのでしょうね……。
「神阿多津姫命」で「かむあたつひめのみこと」と読むそうですが、別名の「木花之佐久夜毘売」のほうが馴染みがあるかもしれません。「木花之佐久夜毘売」は「コノハナノサクヤビメ」と読むのが一般的でしょうか。
ちなみに「難波津に 咲くやこの花 冬ごもり 今は春べと 咲くやこの花」という和歌(王仁の作とされる)と「コノハナノサクヤビメ」とは、直接的な関係は無い……ということで良かったでしょうか?(誰に聞いている)
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2 件のコメント:
出雲大東といえば、河川敷のサクラですかね。
ねこあたま さん:
出雲大東の駅の手前で赤川を渡っていたので、眺めの良いところかもしれないなぁ……と思ったのですが、やはり桜が楽しめるのですね。Google ストリートビューの車も 4 月に撮影してくれたら良かったのに……と思ってしまいます。
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