2019年12月23日月曜日

夏の焼尻・天売・道北の旅 2015 (162)「探訪・北海道博物館(夢の大衆車編)」

「北海道博物館」の総合展示室(2F)の話題を続けます。「アジアの戦争と北海道」の 3 つ目のトピックが「日本敗戦から東西冷戦へ」です。
日本人が、沖縄以外にも国内のあちこちに米軍基地が存在する現実に違和感を持たなくなって久しいですが、「どうしてこうなった」かを改めて考えてみると、いくつもの偶然が重なり合った結果だということに気付かされます。少なからず幸運なこともありましたが、その後の不始末で自ら首を絞める結果になっているものも少なくありません。
「9.7 自衛隊違憲判決を!」というタスキ(かな?)はインパクトがありますね。その横に「矢臼別演習場の 2013 年の誤射事件略図」というパネルが並んでいて、更にその横には「恵庭・長沼事件がつなぐ憲法裁判のあゆみ」と題されたパネルが掲出されています。
自衛隊が合憲か違憲かを争う裁判としては「長沼ナイキ事件」が有名ですが(パネルでは左から 3 番目)、他にも「恵庭事件」や「砂川事件」があったんですね。……あれ、この「砂川」って東京都立川市の話ですか。危うく勘違いするところでした。
そして矢臼別の誤射事件略図ですが、うわぁ、これはちょっと酷いですね。本来の着弾地点から 4 km も北北東に逸れて、あろうことか演習場の外、しかも国道から 900 m ほどの地点に着弾した、とあります。

高度経済成長の時代

総合展示室の展示の第 4 テーマが「わたしたちの時代へ」で、最初のサブテーマが「アジアの戦争と北海道」でした。次のサブテーマが「高度経済成長の時代」です。
エレベーターの横のスペースには、なぜかヰセキのトラクターが置かれています。なるほど、高度経済成長を象徴するアイコンのひとつとして展示されているのですね。
トラクターの横には自転車が……と思ったのですが、実はこれ、自転車じゃなくて「原動機付き自転車」だったみたいです。まさしく「原チャ」と呼ぶに相応しい代物ですね。これ、欲しいなぁ……(なんか軽そうですし)。

夢の大衆車

そして、あれっ、こんなところに MINI が……いえ、違いますね(汗)。
はい。このアイスブルーの小型車は、「夢の大衆車 トヨタ・パブリカ」でした。このデザイン、今でもネオ・クラシカルな感じで十分行けそうな感じがしますね……。

石炭から石油へ

それでは、「高度経済成長の時代」の展示を詳しく見ていきましょう。最初のトピックは「石炭から石油へ」です。
「430 万人の協力で豊な北海道を!」とあります。「本道開發五ヶ年計画の構想」とあるので戦前っぽい感じもしたのですが、左下には「昭和31年には──」とあるので、戦後間もない頃のポスターのようですね。昔のポスターって今以上にデザイナーさんのセンスが問われていたような気がします。アナログの良さも見え隠れしますよね。
ポスターの右には、万字・美流渡・赤間炭鉱の分社化を伝える掲示が展示されていました。かつては「黒いダイヤ」と呼ばれた石炭ですが、エネルギー政策の転換により石炭産業の急速な合理化が進むこととなります。
急速な合理化は炭鉱労働者とその家族にとって死活問題だったため、労組は全力で抵抗します。その「闘争」の際に使用された「たすき」が展示されていました。

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