2019年12月18日水曜日

夏の焼尻・天売・道北の旅 2015 (159)「探訪・北海道博物館(地名って、おもしろいかも?編)」

「北海道博物館」の総合展示室(2F)の話題を続けます。昨日の記事では紹介しそびれてしまったのですが、「開拓使号客車」の横にはこんな展示もありました。
北海道の開拓、特に交通路の開削に囚人が労働力として用いられたことは有名かと思います。ただ、犠牲者が相次いだため囚人労働は廃止され、代わりに悪名高い「タコ部屋労働」が行われるようになります。
囚人労働が廃止されたのは正しい選択だった筈なのですが、結果的に無辜の民がタコ部屋に押し込められることになってしまうあたり、実に救いのない話です。日本は戦後の高度成長で、幸いにもこういった負の連鎖から抜け出すことができた……と思っていたのですが、また逆に戻りつつあるようで、大変悲しいですね。

四季を感じる百人一首

さて、ここからは「北海道らしさの秘密」の 2 つ目のサブテーマ「四季とともに」を見ていきます。最初のトピックは「四季を感じる」とのこと。四季を感じる展示とは果たしてどんなものだろう……と思ったのですが、
木でできた百人一首の取り札が展示されていました。ちなみに北海道では百人一首は上の句を読まないとのこと。その分反射神経が鍛えられるのかもしれません。

お姉さんは「嚴冬之征服者」

そして、やはり北海道と言えば長く厳しい冬ということで、続いてのトピックが「冬を生きる」でした。
昔ながらの暖房器具と、とてもモダンなストーブのポスターが展示されています。風呂上がりのような、あるいはサウナに入っているような女性の絵と「嚴冬之征服者」というコピーが全然マッチしていないのも面白いですよね。

ダルマストーブ?

続いてはこちらの、寸劇仕立ての実物大のジオラマ?です。ダルマストーブのついた客車と言えば、津軽鉄道のものが有名でしょうか。
ちゃんと解説も用意されていました。このジオラマは大正時代の客車を再現したものだったのですね。

〈北海道らしさ〉のア・ラ・カルト

続いては「〈北海道らしさ〉のア・ラ・カルト」と題されたコーナーです。
北海道のお土産と言えば「木彫りの熊」が定番ですが、古くからアイヌに伝わる民芸品……と言ったことはなく、スイスのベルンで見かけた「熊の木彫り」にインスパイアされて 1923 年に生産を開始したと言いますから、なんとまだ歴史は一世紀にも満たないんですね(!)。
「北海道らしい」と思えるものをとりとめもなく集めてみました、と言った感じの展示品が並びます(これはこれでとても興味深いものです)。急行「はまなす」のヘッドマークが懐かしいですね。
あれっ、この「すごろく」は松浦武四郎・作のもので、下のフロアで見かけたものと同じですね……!

地名って、おもしろいかも?

国鉄広尾線の「幸福駅」の駅名標をモチーフにした「地名って、おもしろいかも?」という展示がありました。考えてみれば「幸福」という駅名にも深~い歴史があるんですよねぇ。
地名が面白いのは重々承知の上ですが、「知りたい地名を選んでください」と言われたので……
とりあえず深川の「一已」(いちやん)を選んでみました。この独特のタッチの地図は山田秀三さんがトレースしたもので、「深川市史」からの引用とのこと。

〈北海道らしさ〉は何でもあり!

ケースの中には「定山渓鐵道」の銘板と「永山」と記された郵便の消印、そして百人一首の読み札と取り札が並んでいました。……関連性がめちゃくちゃ謎ですが、とりあえず「北海道らしい」という共通項は満たしていると言えるのかもしれません。

前の記事続きを読む

www.bojan.net
Copyright © 1995- Bojan International


0 件のコメント:

コメントを投稿