この「ロータリー車」には複数の扉があり、前のほうと後ろ(と言っても車両全体で見ると中央ですが)の入り口から中に入ることができます。よく見ると階段(はしご)の段数が異なっていますね。
保存車両の車番は「キ 604」です。扱い上は「貨車」の筈ですが、まるで機関車のような見かけをしていますね。
連結器ではなく連接棒を使った理由
中に入る前に昨日のおさらいです。「キマロキ」の「マ」にあたる「マックレー車」とロータリー車の間は、通常の連結器ではなく特殊な連接棒で結ばれていた……と記しましたが……よくよく考えてみると至極当然な話で、ロータリー車の先頭には巨大なタービンがあったのでした。これでは連結器をつける場所が無いですからね。
連接棒は、マックレー車側にバネで吊るされているように見えました。ロータリー車と連接棒を切り離した際に、このバネで連接棒の重みを支える目的でしょうか。
謎の「BEBICON」
それでは、ロータリー車の中に入ってみましょう。まずは前位の入り口から。中には金属製の網で囲まれた箱の中に、まるでガスボンベのようなものが置かれています。
網には鍵がかけられています。ボンベのようなものには「BEBICON」と記されていますが、良く見ると左に日立のマークが描かれていました。これ、どうやらコンプレッサーのようですが、ブレーキ用とかでしょうか……?
まるで蒸気機関車のような
コンプレッサーの横から後位を望みます。……どう見ても蒸気機関車っぽいですが、この蒸気機関は車両を動かすのではなく、ロータリー車のタービンを動かすためのものです。蒸気機関車とは異なりわざわざ外に車体を設けているのは、見た目で蒸気機関車と間違えるのを防ぐためだったりするのでしょうか。そして、蒸気機関車では前面のナンバープレートがあるあたりには壁があり、圧力計がついていました。自動車におけるタコメーターと同じくらい、あるいはそれ以上に重要な計器だったのでしょうね。
六分儀のような謎な機械
回れ右して前の方を見てみます。巨大なタービンがあるので視界は決して良いわけではありませんが、それでも蒸気機関車よりは視界が優れています。ロータリー車の前位側は前面左右に窓がありますが、前面左右の窓の間に六分儀のような謎な機械が鎮座しています。どうやらこの機械で雪を投げる方向を調整していたみたいですね。それにしても、このアナログなデザイン、ここまで来るとアートの領域ですね。
右側には、てこのようなレバーが見えます。このレバーでタービンの横のフィンの角度を調整したのでしょうか。全体的にアナログな設計なので、ある程度は見ただけで判断できそうな感じがして面白いですね。
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