先頭の蒸気機関車には、立派なヘッドマークもつけられていました。
ヘッドマークには「準鉄道記念物 排雪列車『キマロキ』編成」とあります。はい、名寄には国内で唯一となる「キマロキ」編成が保存されているということで、一度見ておこうと思ったのですね。
最初の「キ」は「キカンシャ」のキ
「キマロキ」という、どことなくジャンカルロ・マロッキを彷彿とさせる(させません)名前ですが、最初の「キ」は「キカンシャ」のキのようです。この「国鉄 9600 形蒸気機関車」は貨物用(=トルクフルだが速度は出ない)の蒸気機関車で、770 両が生産されています。ここに保存されている車両は「59601」で、「9600 形」の 502 両目に当たる……筈です。
1 号機が「9600」で、100 号機が「9699」、101 号機が「19600」というネーミングルールです。必ず千番台が「9」で百番台が「6」になる、ということですね。
マックレー車
さて、「59601」の次の二両目が「キ 911」という黒塗りの特殊車両です。一見すると洗濯物を干すのに良さそうな構造に見えますが……(もう少しマシな感想は無いのか)実は、車両の後ろのほうに逆ハの字形をした巨大なフィン(羽)があって、車両の左右の雪を掻き集められるようになっています。線路に積もった雪は、スノープラウやラッセル車などで左右に掻き分けられますが、それだけでは線路の左右に雪が溜まって壁になってしまうので、わざわざ掻き分けた雪を再度掻き集めるわけです。
ちなみに、こう言った構造の車両を「マックレー車」と言うのだそうです。脱線しないか心配になりますね(それはマクレーでは)。
わざわざ線路脇に除けた雪を、再度線路上に掻き込んでどうする……という話ですが、後ろに「ロータリー車」の赤いタービンが見えています。そう、このタービンで、マックレー車が掻き込んだ雪を遠くに吹き飛ばす……というのが、この「キマロキ編成」の目的です。
ロータリー車
マックレー車とロータリー車は一体化したかのように見えますが、実際には「キマ」(機関車とマックレー車)が先行して、少し後から「ロキ」(ロータリー車と機関車)が追いかける、という形で走行することもあったようです。「キマロキ編成」の後半です。「ロータリー車」と後位の「機関車」ですが……
こうやって見てみると、「ロータリー車」もまるで蒸気機関車のように見えます。この「キ 604」は「国鉄キ 600 形貨車」という名前の「貨車」ですが、前面のタービンを回すための蒸気ボイラーが載っていました。ただ、自走はできないので「貨車」扱いだったようです。
「ロータリー車」は自走ができないので、後位の蒸気機関車が後押しすることになります。前位の「蒸気機関車」+「マックレー車」+「ロータリー車」+後位の「蒸気機関車」で「キ・マ・ロ・キ」だったのですね。
後ろの「キ」も「キカンシャ」のキ
後位の蒸気機関車は、日本国内でもっとも多く生産された蒸気機関車である D51(D51 398)です。こちらも 9600 と同じく貨物用の蒸気機関車です。ちなみに、こんな顔出しパネルが用意されていました(笑)。左腕が窓枠にかかっているあたり、ポーズも決まってますね!
「キマロキよ?」
「キマロキ編成」は機関車・マックレー車・ロータリー車・機関車の 4 両編成……だと思っていたのですが、あれっ、実際には最後に「車掌車」も連結されていたのでしょうか。この「車掌車」は「国鉄ヨ 3500 形貨車」で、紋穂内駅などの駅舎としても再利用されているもの……でしょうか。「キマロキ」の 4 両に車掌車「ヨ」を足すと「キマロキヨ」になるので、ちょっと脱力感が増すような感じもしますね(汗)。
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