ビニールシートの敷かれた土手と代行バスという、いかにも「震災後」を象徴するかのような光景が眼前に広がっていました。
孤立した区間
鵜住居と両石(りょういし)の間の「恋ノ峠」というところにやってきました。三陸自動車道の高架の下を通ります。三陸道の釜石北 IC と釜石両石 IC の間は 2011 年 3 月 5 日、つまり震災の 6 日前に開通した区間ということになりますが、その後 7 年近く北にも南にも延伸されていない区間でもあります(南北とも 2018 年度に延伸の予定だそうですが)。2015 年時点では、この区間は「孤立した区間」で、しかも現道(国道 45 号)から少し離れたところに IC があるため、距離的にも遠回りを強いられることになっていました(この時も結局そのまま現道を南下しています)。
JR 山田線の鉄橋が見えてきました。山間部なので無傷のように見えますね。
ヘルメットをかぶったパンダという、割と珍しそうな単管バリケードを見かけました。
集落自体を嵩上げして高台に
両石漁港の前にやってきました。すごく高い防波堤が聳え立っていますが……ところが約 2 年後にはこのように変化していました。
旧来の防波堤の更に上を行く新しい防波堤?を建設しているようですが、旧来の防波堤が以前よりも低い位置に移動したようにも見えます。なるほど、国道自体を嵩上げしたということですね。
厳密には、嵩上げしたのは国道だけではなく、むしろ国道は結果的に嵩上げを余儀なくされた、というのが正しいようです。地理院地図で見てみると、神社の西側に 30 m ほどの斜面があるように見えますが、
(この背景地図等データは、国土地理院の地理院地図から配信されたものである)
Google Map で見てみると、地形図とは全く異なる地形になっていることに気づきます。厳島神社の西側もほぼ平坦になっているように見えます。津波の被害から逃れるために「高台移転」というメソッドが良く使われますが、両石町の場合は集落自体を 20 m ほど嵩上げしたようですね。まるで「シムシティ」のような世界ですが、そんなことができてしまうんですね……(急ごしらえの地盤なので、地震の揺れそのものに対して脆弱である可能性もあるわけですが)。
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