コンクリート橋で強度を稼ぐためにはアーチ型にする必要があるのですが、宮守川橋梁は、径間に謎の横穴が開けられています。
この「小窓」からは雨水などが漏れ出していて、結果的にコンクリート製の橋脚を汚してしまっていました。これでは美観上よくない、となったのか、
下部に「ひさし」が取り付けられたようです(横には橋上からの排水を通す雨樋も見えますね)。これで多少はマシになるのでしょうか。
一部凍害
この排水問題は主に美観のため……と思ったのですが、実はそれは大きな勘違いかもしれないことに気づきました。国道から見える部分の橋脚に、落書き……じゃなくて次のような文字が記されていたのですね。読みやすいように拡大したものがこちらです。「一部凍害」とあります。
小学校の理科の授業で習ったかと思いますが、水は凍らせると体積が膨張します。そのため、たとえば橋脚内に水が染み込んで、それが凍ってしまった場合、氷は僅かではありますが橋脚自体を膨張させるように作用します。春になると凍っていた水分が融けて水に戻りますが、凍っていた頃に押し広げた空間は元には戻らず、結果として空洞ができることになります。
空洞に溜まった水が再び凍結すると、今度はより大きな力で膨張しようとします。このサイクルを繰り返すことで、最悪のケースではコンクリートにヒビが入ることになります。
積丹半島に向かう国道 229 号の「豊浜トンネル」で大規模な岩盤崩落が生じたのも、トンネル直上の岩山に染み込んだ水分が凍結したことにより空洞が形成されたことが原因ではないかと言われていますね。
橋脚に記された「一部凍害」が、どのレベルの破壊を意味しているのかは良くわかりませんが、寒冷地におけるコンクリートやアスファルトにとって、水分がいかに面倒な存在かということを改めて認識させられます。橋脚の側面を水が伝うと薄汚れてしまう……というのもその通りなのですが、少しでも水分を含ませたくない、というのがより大きな理由なのかもしれません。
午前 8 時 28 分
道路の向こう側(北側)も、当然ながらほぼ同じような状態でした。こちらにも「一部凍害」の文字が見えますが、横書きなので見やすいですね。小窓から水が垂れていてその跡が黒くなっているところや、下部に「ひさし」がついているところまで同じですね。
歩道を歩いて橋の西側までやってきました。車を停めた道の駅が随分と遠くに見えますね。
ちなみにこの時点で、まだ朝の 8 時 28 分です。随分と日は高いですが、5 月ですし、しかも東北ですし。秋田港の佐原商店でうどんを食べたのが朝の 6 時頃ですから、いかに「秋田港 5:50 着」という運行ダイヤが大きな可能性を秘めているかということに、改めて気付かされます。
あまりに早く宮守に着いてしまったので、この後、当初の予定に無かったところに向かうことになります。
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