ちなみに駅舎の前にはなんと池までありました。水が抜かれていたのは惜しい限りです。
観光協会のお兄さんと
川本町観光協会のお兄さんから「荏胡麻せんべい」を買い求めたという話は昨日に記した通りですが、某全国紙の記者さんの取材も一段落して他にお客さんがいないのをいいことに、軽くおしゃべりさせてもらいました。お兄さん曰く、「やはり廃止方針が明らかになってから利用客が増えた」、そして「地元の人間は滅多に三江線を使うことが無いから、廃止も仕方がない」とのこと。鉄道が廃止されるという悲しい事実もしっかりと受容して、前向きに考えているあたりは立派だなぁ……などと思ってしまいました。
「石見川本で 1 時間半待ちというのは食事や買物ができるので良くできてますよね」という話になり、それにしても何故こんなダイヤに……と疑問に思っていたところ、観光協会のお兄さん曰く「江津からの列車が来るのを待ってるんですよ」とのこと。へぇ~そうだったのか……とその場では思ったのですが、時刻表を良く眺めてみるととんでもないことに気づきました。
ラミネートがテカって見づらいですが、石見川本から江津までの列車は一日 5 往復あります。上りも下りも引っくるめて時系列に並べると、次のようになります。
石見川本 江津
7:08 ← 6:00 (下り)423D
7:09 → 8:15 (上り)420D
8:32 → 9:32 (上り)422D
13:42 ← 12:54 (下り)425D
13:43 → 14:49 (上り)426D
16:25 ← 15:17 (下り)429D
17:46 ← 16:38 (下り)431D
17:47 → 18:54 (上り)430D
20:13 ← 19:05 (下り)435D
20:14 → 21:20 (上り)434D
お気づきでしょうか。石見川本から江津までは 1 時間以上かかるということを(知ってた)。……そうじゃなくて、石見川本から江津までの線路には、常に一本の列車しか存在しない、というところがポイントです。
「閉塞」とは
鉄道では、列車の追突や正面衝突を防ぐために「閉塞」という考え方が用いられます。これは、一定の区間内には一本の列車しか入らないようにすることで、列車同士の衝突が起こらないようにするという仕組みですが、なんと三江線では石見川本から江津までの 32.6 km が「一閉塞区間」だったのでした。時刻表をちらっと眺めた感じでは、三江線の閉塞区間は次の 5 区間でしょうか。
三次-式敷(14.8 km / 30 分)
式敷-口羽(13.6 km / 24 分)
口羽-浜原(29.6 km / 30 分)
浜原-石見川本(17.5 km / 38 分)
石見川本-江津(32.6 km / 66 分)
距離の長さでは、口羽-浜原間もそこそこ長いのですが、口羽から浜原までは 1975 年に開通した区間で線形が良く、表定速度も高いので所要時間は他と大差ありません。一方、石見川本-江津間は距離も長ければ所要時間も他の閉塞区間のほぼ倍以上ということがお分かりいただけるかと思います。
こうやって眺めてみると「石見川本-江津」の間がいかにボトルネックになっているか……という話になるのですが、こうなってしまった以上はもうどうしようもないですよね。結局の所、425D が江津を出発するのがちょっと遅い所為で、424D 改め 426D は石見川本で 94 分もの「時間調整」を強いられることになったのです。
見方を変えれば、75 分程度の間隔があれば、石見川本と江津の間に列車を増発できるということになります。最近の三江線は廃線間際の駆け込み需要で積み残しが出るほどらしく(汗)、JR 西日本は急遽増発を決めたようですが、これだけ閉塞区間の数が少ないとスジを引くにも選択の余地がほとんど無いのかな、と思えてしまいます。石見川本と江津の間だと、9:32 から 12:54 の間に一往復挟めそうですよね。……あれ、あとはもう無理かな。
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