ちなみに午後に走る 1729D と 1733D は、上下駅ですれ違うダイヤのようです。
上下駅(じょうげ──)
6 分ほどで、上下に到着です。交換設備のある割と大きな駅で、無人駅ではなく簡易委託駅だそうです。二面二線の構造で、線路の向かい側のホームに向かうための歩道橋もあります。
上下駅の開業は 1935 年(昭和 10 年)のことです。福塩線は福山と塩町(三次市)を結ぶ路線ですが、両備軽便鉄道を買収して国有化した福山~府中(府中町)間を除けば、工事は北の塩町から進められました。塩町から 2 駅先の吉舎(きさ)までが 1933 年(昭和 8 年)に開通(福塩北線)し、吉舎から上下までが 1935 年(昭和 10 年)に開通しています。上下から府中までが開通し、福塩北線と福塩南線がつながって「福塩線」となったのが 1938 年(昭和 13 年)のことです。
今の駅舎がいつから使われているものなのかは不明ですが、かなり歴史の長そうな感じのする駅舎ですよね。
上下からは、福塩線は上下川沿いのルートを通ります。駅名だけではなく自治体名も「上下町」でしたから、普通に「上下タイヤ」なんてお店もあります。ここまで並走していた国道 432 号はこのまま北上するので、この先でお別れです。
線路の左側は山すれすれのところを通ります。右側には「上下川」が流れていますが、上下川は江の川の支流のひとつです。あれっ、分水嶺はどこにあったのだろう……と思ったのですが、上下駅のあるあたりが分水嶺だったようです。「上下」は日本海側と太平洋側の境界でもあったんですね。
甲奴駅(こうぬ──)
福塩線は西に向きを変えて、上下から 7 分ほど走ると、間もなく次の「甲奴」です。「こうぬ」という駅名は中々読めないなぁ……と思ったのですが、Wikipedia にはこんな情報が記されていました。
2017年現在、JR各社の駅において「ぬ」で終わる唯一の駅名である。
(Wikipedia 日本語版「甲奴駅」より引用)
「かなりどうでもいい」とはまさにこのことでしょうか(汗)。甲奴駅の開業は 1935 年(昭和 10 年)の福塩北線延伸と同時でした。1985 年(昭和 60 年)に簡易委託駅となり、国鉄から JR に継承された後の 1993 年(平成 5 年)に簡易委託が終了され無人駅になっています。
ただ、駅舎は今でも「お好み焼き屋」として使用されているとのこと。なるほど、道理で綺麗に整備されている筈です。
このあたりは、かつては「甲奴郡甲奴町」でした(お隣の上下町も「甲奴郡上下町」でした)。甲奴町は 2004 年に廃止され、三次市と新設合併しています。
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