2016年10月4日火曜日

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秋の道南・奥尻の旅 (64) 「奥尻島津波館『振動』『波・炎』『生起』『希望』」

 

意外なことに勾玉推しの「奥尻島津波館」ですが、もちろん「北海道南西沖地震」にまつわる展示も充実しています。震災当時の生々しい写真なども展示されています(ぜひ「奥尻島津波館」現地でご覧になってください)が、写真のほかにも「振動」「波・炎」「生起」「希望」と題されたオブジェが展示されていました。

振動

まずは「振動」と題されたオブジェから。
石を並べている最中にうっかり転倒させてしまった……のではありません。地震によって地表と建物が崩れ落ちる様をイメージしたものだそうですが、なるほど確かに、一枚岩だと思っていた地表が突如としてバラバラになってしまうというのは、まさにこんな感じがピッタリのような気もします。

波・炎

続いては「波・炎」と題されたオブジェです。
奥尻の震災被害が甚大なものになってしまったのは、わずか数分で津波が押し寄せたことと、地震直後に発生した火災が猛威を奮ってしまったことによるものでした。
「津波」と「火災」と言えば、阪神・淡路大震災では「火災」による被害が甚大なものとなり、東日本大震災では「津波」による被害が大災害をもたらしてしまいました。今から思えば、阪神・淡路大震災のわずか一年半前に「北海道南西沖地震」が奥尻を襲っていたわけで、この地震で得た教訓をもっと活かすことができていれば……と思ってしまいますね。

生起

続いては「生起」と題されたオブジェです。
ひび割れた地表から何かが芽吹いているイメージでしょうか。地震が発生したのが平成 5 年(1993 年)7 月で、災害復興計画が策定されたのが平成 7 年(1995 年)3 月だということですから、ちょうどその間に「阪神・淡路大震災」が発生していたことになりますね。

希望

そして、最後のオブジェが「希望」と題されたものです。
なんとなく神戸市垂水区の「五色塚古墳」のようにも見えてしまいますが、もちろん関係ない……筈です。最後だけあってか、ちょっと難解な感じもします。
もちろんこのように説明文はあるのですが、必ずしも意図するところは一意では無いように思えるんですよね。これまでの 3 つのオブジェが視覚的に訴えかけるデザインだったのに比べて、最後のオブジェだけ抽象的な色合いが強いようにも思えます。

あえてこのような違和感のある組み合わせにして、見る者の想像力を掻き立てる狙いがあったりするのでしょうか。あるいは「まだ見ぬ未来」を現出するための舞台装置だったりするのでしょうか。アートのことはさっぱりわかりませんが(汗)、こうやって色々と思いを巡らせてみるのも悪くないのかもしれません。

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