いつもは「入港」=「下船」なので、荷物をまとめていつでも車両甲板に向かうことができる準備を整えたりするのが常だったのですが、今回は久しぶりに「寄港」オンリーなので、のんびりと入港作業を眺めることができます。仙台港フェリーターミナルのボーディングブリッジが見えてきました。
ボーディングブリッジには "WELCOME TO SENDAI" の文字が踊ります。
船首部では、船員さんが慌ただしく作業を始めていました。雨の中でも黙々とプロの仕事が行われます。
船室からこれだけの距離感で船首部を眺めることができるということは、船首部からお風呂も……(やめなさい)
繋留作業開始
繋留用ロープがボラード目がけて投げ落とされました。地上係の人がロープの先端をボラードに引っ掛けた後、船首にいる船員さんがウインチでロープを巻き上げて船体を固定します。これだけ大きなフェリーでも、ロープで船体を固定できてしまうものなのですね(もちろん船体が静止状態にあることが前提でしょうが)。
船首部では、車両甲板入り口のドアが跳ね上げられました。太平洋フェリー「きそ」は、前(船首部)と後ろ(船尾部左右)のドアを併用して、車両の乗降をスムースに行えるようになっているみたいですね。
一時上陸……の話
太平洋フェリー「きそ」は、ほぼ定刻通りに仙台に入港しました。ここで名古屋から仙台までの車両が下船して、代わりに仙台からの車両が乗船することになるので、出港は 3 時間後の 19:40 の予定です。出港までのんびりと部屋で待つ……のも勿体無いので、ちょいと船内を見物してみましょう。ボーディングブリッジと繋がっている筈の乗船口(下船口)は、既に封鎖されていました。実は、この船は仙台港に 3 時間も停泊するにもかかわらず、乗客の「一時上陸」(途中下船)は認められていなかったのですね。その理由がこちらです。
東日本大震災の余震で発生しうる津波を警戒していたのが「一時上陸」ができない理由でした。フェリーは、巨大津波が発生した場合、港に停泊するよりも湾外に退避して津波をやり過ごすほうが(比較的?)安全だということで、停泊中であってもいつでも出港できるように、乗客の一時上陸を停止していたということだったんですね。
ちなみに、この一時上陸の中止措置は、2015 年 3 月に無事解除されたとのことです。
月はピアノに誘われた……けど
船内を歩いていると、またしてもピアノの音色が聞こえてきました。仙台からのお客さんの乗船まではもう少し間がありますが、早くも「船上のピアニスト」による歓迎演奏が始まったのでしょうか。ピアノの音色に誘われて 6F の「マーメイドクラブ」に足を運んでみたところ……あれ? ピアニストの野々山さんの姿はどこにもありません。ピアノはシューマンの「トロイメライ」を奏でているのですが、実は……
何のことは無くて、ピアノに自動演奏装置がついていたのでした。
しぼったばかりの夕陽の姿は既に無く
そして仙台入港から約 1 時間が過ぎた頃には、すっかりと日が暮れていたのでした。「太平洋フェリー『きそ』ロイヤルスイート乗船記」、過去の記事はこちらからどうぞ。
2015/12/10(はじめに)
2015/12/11(名古屋港 FT 編)
2015/12/12(乗船待ち編)
2015/12/13(ようやく乗船編)
2015/12/14(車両甲板から客室へ)
2015/12/15(居室編)
2015/12/16(寝室編)
2015/12/17(バーカウンター編)
2015/12/18(おトイレ編)
2015/12/19(お夕食編)
2015/12/20(プロムナード編)
2015/12/21(船上のピアニスト編)
2015/12/22(船内ブラブラ編)
2015/12/23(船内うろうろ編)
2015/12/24(無重力マッサージ編)
2015/12/25(朝食編)
2015/12/26(昼食編)
2015/12/27(お風呂編)
2015/12/28(トリスおじさん編)
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