2015年1月12日月曜日

青函連絡船記念館「摩周丸」 (6) 「操舵室いろいろ」

レーダー

ではでは、青函連絡船「摩周丸」の操舵室の話題を続けましょう。……あっ。よく見たら操舵輪のところに小さなお客様が映ってましたね……。
最初はこちら。はい、「レーダー」ですね。
説明文もありましたので、引用しておきましょう。

レーダー
コンパス甲板のレーダーマストにある回転アンテナ(スキャナー)から電波を出し、陸地や他船の映像を画面に写します。船位の測定、衝突防止に無くてはならない航海計器の一つです。
視界不良、荒天時のみならず、通常航海にも使用されます。
函館市青函連絡船記念館「摩周丸」 操舵室室内の展示より引用)
今では「GPS」という便利なものがあるので、簡単に自船の位置を知ることができますが、青函連絡船が現役だった頃は GPS のような便利なものは使えなかったので、レーダーなどに頼ることも多かったのでしょうね。もちろん AIS のようなものも無かったでしょうから、常に他船の位置を目視とレーダーで把握して、衝突防止に努めていたということでしょう。

衝突予防装置

そして、このような装置も備えてあったそうです。
「レーダー情報処理装置」とありますが、説明文の中に「衝突予防装置とも呼ばれました」とあります。要するに、レーダーの情報をコンピュータで処理して、他船の情報と進行方向を図示するというハイテク機器だったようです。レーダーからのインプットで動作する AIS のようなものですね。これは……便利だったのだろうなぁ……。

操舵輪と各種計器

船のハンドルとも言える「操舵輪」は、操舵室のど真ん中にありました(右側奥に「レーダー」と「レーダー情報処理装置」も見えますね)。
実は、この写真では良くわからないのですが、一連の装置は窓から 2 m ほど手前に置かれています。何故そのような設計になっているのかは良く分かりませんが、外を注視する人と実際に舵を操作したり機関の出力を制御する人が全く別なので、このような設計にしても何ら問題無かった、ということなのでしょうか。

前方の窓との位置関係は、この写真で見るのが分かりやすいかもしれません。人がすれ違うのに十分な幅が確保されています。
操舵輪の前から前方を見ると、窓の上にとても多くの計器があることに気づかされます。
目一杯拡大してみました(あまり変わらないか……)。
えーと、左から「速度計」「時計」……あとは……わかりません(汗)。船ですから、ピッチやロールなどの自船の姿勢を示す計器もあったのかな、と想像したりします。あとは風向や風速などでしょうか。こういった情報は実際に舵を任された者だけではなくて、操舵室の船員全員が見るべき情報だったでしょうから、前方の窓の上という見やすい場所に並べられたのでしょうね。

上からぶら下がっているものは「基準コンパス」とありますが、この形はもしかしてジャイロのようなものでしょうか。あと右側のラッパには「伝声管」と書かれています。上階との会話に使ったようです。

観光地でお馴染みのこんなものも

そして、操舵室の左側にはこんなものが……
観光地でお馴染みの「顔出し看板」ですね(笑)。とてもいい味が出ていますね!

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