2014年7月31日木曜日

道東の旅 2013/春 (56) 「その差僅かに 0.16 リットル」

重複区間をゆく

道東道の足寄 IC からは、国道 242 号を北へと向かいます。道幅が広くてまっすぐな、典型的な北海道の国道ですね。
この区間は国道 242 号と国道 274 号の重複区間でした。それにしてもこの標識、すんごく低い位置にあるのですが、何故なのでしょう(街中なので、そこまで横風を気にするものでも無いと思うのですが)。大雪が降ったら埋もれてしまいそうですよね。
道路情報案内板には「国道38号 北見道路 3月31日 開通しました」の文字が誇らしげに掲げられています。「北見道路」とは耳慣れない道の名前ですが、皆さん覚えておきましょうね(なんでだ)。

重複区間と重複区間の分岐点

足寄の市街地が近づいてきました。300 m ほど先で国道 241 号と合流するようです。
ちょっと良く分からないことになりそうなので、おさらいしておきましょう。
国道 242 号線は、この先もまっすぐ続きます。重複区間だった国道 274 号は、「この先 300 m」で左(上士幌方面)に向かうことになります。逆に、国道 241 号は上士幌方面からやってきて、300 m 先からは国道 242 号との重複区間となります。

国道の重複区間自体は良くある話なのですが、重複区間と重複区間の分岐点というのは割と珍しいのではないかと……。

その差僅かに 0.16 リットル

さて。自宅を出発してからの走行距離が 700 km に近づいてきました。この日のゴールまではあと約 138 km なのですが、さすがに無給油で 838 km を走破するのは無理な状況でした。ということで、ホクレンがあったので緊急ピットインしました(残念ながらセルフ給油だったのですが)。

とりあえず「現金 ハイオク 満タン」をチョイスしたところ、いちまんえんだと 63.29 L まで給油できるとのこと。うちの車の燃料タンクは 70 L なので、ちょうどいい線ですね。
そんなわけで、漠然と給油をしていたのですが、リミッターが作動して無事給油が終わりました。給油量を見てみたところ……
なんと、金額が 9975 円で止まっていました。給油量にすると僅か 0.16 L の差です。

これは……どう考えれば良いのでしょう。事前に入金していた金額は 10,000 円だったので、それを超えないように自動停止したのか、それとも偶々 9,975 円分で満タンになったのか。前者だと 25 円少ないタイミングでストップしたのが少々謎ですし……(トラブルを未然に防ぐために、わざと 25 円少ないタイミングで止めるように設定しているのかもしれませんが)。
ご覧の通り、間違いなく満タンになっています。僅か 0.16 L 分を残して満タンになったのだとしたら、あまりにタイミングが絶妙すぎますね。まぁ、はっきり言ってどーでもいい話なんですが、その場では吹きそうになった出来事でした。

陸別へ出発!

国道 241 号との重複区間はおよそ 1.5 km ほどで終了します。国道 242 号はこの先もまっすぐ、陸別に向かいます。

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2014年7月30日水曜日

道東の旅 2013/春 (55) 「右も左も道東道」

右も左も道東道

本別 JCT からは、道東自動車道北見線(本稿での通称)で足寄へと向かいます。……入力していて毎回困るのですが、この路線、正式にはどう呼べばいいんでしょうね。本別から浦幌に向かう路線も「道東自動車道」ですし、本別から足寄に向かう路線も「道東自動車道」みたいなので、どう区別したらいいものか……。

案外、「道東自動車道(足寄区間)」あたりが現時点では正解なのかも知れませんが。

利別川、再び

本別 JCT で分岐して約 1 km ほどで、再び利別川を渡ります。北見線は本別川に沿って北上します。

台地を大胆にカットして

台地を大胆にカットして北へと向かいます。足寄までは、およそ 12 km の道のりです。
台地を越えると、次は美里別川(びりべつ──)です。

妙に長い「追越車線」

河岸段丘と川の間を、広々とした 4 車線道路が続きます。
この区間も「暫定 2 車線」なのですが、なんと 3.8 km もの「追越車線」があるのですね。すごく大盤振る舞いなのですが、何故なのでしょう。

長~い追い越し車線では、何台もの車に追い越されまくりましたが、ここで片側 1 車線に戻ります。

足寄まで

(現時点での)終点の足寄 IC まで、およそ 2 km となりました。池田か本別のあたりで見かけた案内板では「1」がナンバリングされていましたが、ここではナンバー無しになっていますね。まぁ、このほうが終点っぽくて良いのかも知れません。
道東道は川沿いの平地から 10 m ほど高いところをゆるやかにカーブを描きながら、終点の足寄 IC へと向かいます。
ここが将来、本線との分岐点となるところですね。現時点では立体交差ではなく、本線がそのままランプウェイに早変わりする構造です。
足寄 IC のランプウェイは、将来のフル IC 化を見越した構造になっています。ただ、段丘と平野部の隙間に本線を通しているので、意外と余裕は少なそうな感じですね。
ここからは、国道 242 号に合流して、陸別へと向かいます。

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2014年7月29日火曜日

道東の旅 2013/春 (54) 「今後が気になる本別 JCT」

ほぼ最東端のr(ry

池田本線料金所にやってきました。ここで本別 IC(あるいは足寄 IC)までの料金を支払います。
この日 3 度目の ETC ゲートを無事通過。この写真だと、残念ながら料金がいくらだったか見えませんね。札幌南本線料金所のように、ゲートの陰におまわりさんが隠れていたり……といったことはありませんでした。

意地でも本家の池田町

池田 IC を過ぎたところで利別川を渡ります。道内には全く同名の「利別川」が後志にもあるのですが、そちらは「後志利別川」と呼んで区別するようにしています。……池田町は川の名前にも旧国名をかぶせたりはしないのですね。偶然なんでしょうけど。

足寄は 10 km お買い得

さて。道東自動車道は本別 JCT で釧路線と北見線(どちらも本稿内での通称です)に分かれます。釧路線の本別以遠と北見線の足寄以遠は新直轄方式で整備されるため、有料区間は次の本別 IC(または足寄 IC)までとなる……というのは既述の通りなのですが、池田 IC から本別 IC までの距離と、池田 IC から足寄 IC までの距離は約 10 km も違うのですよね。

でも、本別 JCT よりはるか手前の池田 IC で「終点まで」の料金を回収している都合上、どちらの IC で流出しても料金は同じなのです。料金収受を効率化するためとは言え、なかなか思い切ったことをするものですね。

日本一の豆の町

本別町に入りました。カントリーサインは「日本一の豆の町」だそうです。
そう言えば、音更町や池田町は、通常のカントリーサインとは異なる横長で全面イラストの標識をつけていたのですが、本別町はふつーのカントリーサインに戻りましたね。独自規格の標識は評判がイマイチだったのでしょうか(確かにこうやって見ると背景に溶け込んでしまっているようにも見えます)。

今後が気になる本別 JCT

本別 JCT が見えてきました。本別 JCT はハーフ JCT のため、釧路方面から北見方面に向かうことはできません(よって料金収受の問題も発生しません)。これ、今は浦幌と足寄が終点なのでさほど問題にはならないのですが、釧路線が東に延伸した時はどうするつもりなのでしょう……。

Wikipedia を見ると、本別 JCT は 2015 年度にフル JCT に移行する予定なのだとか。本別から足寄に向かう車のためだけに料金所を設けるのか、それとも料金収受をあきらめるのか、ちょっと気になりますね(笑)。
こんな看板もありました。釧路へは直進だけど、阿寒湖へはここで流出して足寄へ向かって下さい、という意味ですね。なるほど確かに本別から釧路湿原に向かうはずの国道 274 号は 20 年以上未開通状態なので、阿寒湖に向かうには足寄経由で行くのが正解です。

精一杯の努力

本別 JCT で流出して、北見線で足寄に向かいます。
これはちょっと面白い光景です。すでに釧路線と北見線が分かれているのに、こんなところに方向を示す看板があります。これは「暫定 2 車線」のせいなんでしょうね。
釧路線が本来あるべき 4 車線になっていれば、ちょうどこのあたりで釧路線と北見線が分岐することになるのだと思うのですが、釧路線が右寄りの 2 車線しか開通していないために、こんな妙なことになっています。「分岐した後にこんな看板を立てても意味が無いじゃないか!」と言われるのがオチなので、目一杯フォントを大きくしているのも微笑ましいですね。

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2014年7月28日月曜日

道東の旅 2013/春 (53) 「池田 IC ご利用のお客様へのお願い」

池田 IC ご利用のお客様へのお願い

道東道の長流枝 PA にて、こんな掲示を見かけました。
「倉庫」と書かれた扉に、所狭しと貼ってあったのですが……。まずはこちらから。
「道東自動車道 池田インターをご利用のお客さまへ」と題して、入口料金所の写真が掲出されています。一見、どこにでもある入口ゲートに見えるのですが、流入したい方向によって適切なゲートを選ばないといけない構造のようです。

もう一枚は航空写真なのですが、
このような構造なのですね。実は、道東道の有料区間は次の本別 IC までで、そこから先は新直轄方式で建設されるために、通行料が永年無料なのです。ですから、池田 IC から本別方面に向かう車のみ事前に通行料を徴収しておけば、本別 IC での料金の収受を省略することができるのですね。

このような事情があるので、池田 IC の入口料金所は方向別に分かれているのですが……気づかずに本来とは違うゲートに誤進入するケースが多かったのでしょうね(誤進入があった場合は、都度係員の方が対応しているようです)。

この問題には相当頭を悩ませているのか、同じものがトイレの中にも掲示されていました(笑)。

ワインの町・池田町

では、そろそろ出発することとしましょう。
長流枝 PA を出たところに追い越し車線がありましたが、程なく片側一車線道路に戻ります。それにしても、もの凄く真っ直ぐな道ですね……。
長流枝 PA から 3 km ほど走ったところで、池田町に入ります。池田町は「ワイン城」で有名ですね。

ほぼ最東端の料金所

噂の池田 IC が近づいてきました。「池田」という名前の町は日本中を探すといくつかある筈なのですが、十勝の池田町は「池田駅」「池田 IC」で、そう言えば「十勝池田」という表記は見たことが無いですね。

大阪府池田市には中国自動車道が通っているのですが、IC の名前は「中国池田 IC」でした。道東道の池田 IC のほうが完成は後なのですが、たまたま「池田 IC」という名前が空いていたので、これ幸いとばかりにこの名前にした……といった感じでしょうか。
池田 IC の次の本別 IC で有料区間は終了するため、池田 IC の本線上に料金所があります。ここで本別(足寄)までの通行料金を支払うことになります。
本線料金所が見えてきました。速度を落としましょう。

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2014年7月27日日曜日

北海道のアイヌ語地名 (198) 「ヌタポマナイ川・オロロップ・モトツ」

やあ皆さん、アイヌ語の森へ、ようこそ。
(この背景地図等データは、国土地理院の地理院地図から配信されたものである)

ヌタポマナイ川

nutap-oma-nay??
山下の川沿いの平地・そこに入る・沢川

(?? = 典拠なし、類型あり)
旧・穂別町の北部を流れる川の名前です。JR 石勝線の「オサワ信号場」のあたりから南流して、道東道の「むかわ穂別 IC」の近くで穂別川に合流します。

ヌタポマナイ川が穂別川と合流するあたりは、このあたりでは珍しく山と山の間が少々離れていて、小さな盆地状の地形になっています。穂別川はこの先、穂別ダムのダム湖へと姿を変えてゆきます。

本題に戻りますが、ヌタポマナイ川は、おそらく nutap-oma-nay だと考えられます。nutap という単語の解釈は難しいのですが、「山下の川沿いの平地」だとするとしっくり来そうな感じです。「山下の川沿いの平地・そこに入る・沢川」といった意味になりますね。

この nutap の解釈は、知里さんの「地名アイヌ語小辞典」を参考にしていますが、「山下の川ぞいの平地」という解釈には【ナヨロ】との註がつけられています。一般的な解釈としては「川の湾曲内の土地」とされています。さて、ヌタポマナイ川の場合はどう解釈すべきなのでしょう……。

オロロップ

oro-rupne-i??
その中・大きくなる・もの
(?? = 典拠なし、類型あり)
国道 274 号は、「福山大橋」で鵡川を渡っているのですが、その「福山大橋」が存在するのが旧・穂別町の福山(現:穂別福山)集落です。福山集落の旧名は「居路夫」と書いて「オロロップ」と読ませていたのだとか……。

ちなみに、福山大橋のすぐ南側で鵡川に注ぐ小河川の名前は、現在でも「オロロップ沢川」のままです。難読であるなどの理由で消えゆくアイヌ語地名は少なくないですが、川の名前として残っているケースが多いのは嬉しい限りですね。

この「オロロップ」ですが、東西蝦夷山川地理取調図には「コロルフナイ」と記されています。ただ、「コ」と「ロ」の間が不自然に空いていることと、隣に「ヘンケヲロルフナイ」が存在することから、これはおそらく「ヲロルフナイ」が正しいのだろうと思わせます。

明治期の道庁 20 万図では「パンケオロロップナイ」とあるので、おそらくこの頃に「オロロップ」という名前が定着したのだと考えられそうです。

「ヲロルフナイ」あるいは「オロロップナイ」という音からは、oro-rup-nay と解釈できそうですね。「その中・魚群・沢川」と読み解けそうです。

2020/8/15 追記
「ヲロルフナイ」という音からは oro-rupne-i で「その中・大きくなる・もの」という解釈もできそうです。オロロップ沢川はこのあたりの支流の中では奥行きのある川ですが、そのことを指していた、とも考えられるかと……。

モトツ

metot??
深山幽谷
(?? = 典拠なし、類型あり)
国道 274 号は、旧・穂別町と占冠村の間を三つのトンネルで抜けているのですが、もっとも西側に位置するのが「モトツトンネル」です。

この「モトツトンネル」は、パンケモトツ沢川とペンケモトツ沢川の間をまっすぐ貫いています。明治期の道庁 20 万図では「パンケモトッ」と「ペンケモトッ」と記されていますが、より時代の古い東西蝦夷山川地理取調図には「モトツ」「ヘンケモトツ」と記されています。これらを総合すると、「モトツ」あるいは「モトッ」のどちらかだったと考えられそうですね。

ちなみに、motot は「背骨」という意味なのだそうですが、地名あるいは川名で「背骨」というのはあまり聞いたことがありません。

「背骨」ではなく「肋骨」を意味する ut であれば枚挙に遑が無いのですが……。

「モトツ」あるいは「モトッ」に近く、かつ意味も通じる単語は何だろう……という話になるのですが、metot である可能性があるかなぁ、と思います。metot は「山奥」あるいは「深山幽谷」という意味ですが、パンケモトツ川(東西蝦夷山川地理取調図で「モトツ」と記されていたほう)は標高差 300 m ほどの深い渓谷を流れています。なるほど、これは確かに metot と呼ぶに相応しい地形のように思えますね。

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2014年7月26日土曜日

北海道のアイヌ語地名 (197) 「サヌシュベ川・マツカシマップ川・ソソシ沢川」

やあ皆さん、アイヌ語の森へ、ようこそ。
(この背景地図等データは、国土地理院の地理院地図から配信されたものである)

サヌシュベ川

san-us-pe
下る・いつもする・もの

(典拠あり、類型あり)
旧・穂別町の北部を流れる川の名前で、穂別川の西支流です。国道 274 号線が川に沿って流れています。サヌシュベ川に架かる国道 274 号線の橋の一つは「佐主橋」と名付けられているため、「佐主○」という字が充てられていた可能性もありそうですが、そのような記録を見つけることはできませんでした。

では、早速ですが山田秀三さんの「北海道の地名」を見てみましょう。

サヌシュベ川
 穂別川上流西側の相当大きい支流であるが,この名の意味もはっきりしない。永田地名解は「サヌシペ san-ush-pe 低き川。宗谷にサンナイあり。同義」と書いたが,このサンには低いという意味はなさそうである。
(山田秀三「北海道の地名」草風館 p.372 より引用)
ふむふむ。続きを見てみましょう。

サンは「浜の方に出る」であるが,川の場合にはラン(下る)とだいたい同じように訳されて来た。
(山田秀三「北海道の地名」草風館 p.372 より引用)
となると、san-us-pe は「下る・いつもする・もの」となりそうですね。あるいは pe ではなく pet で、「下る・いつもする・川」となるのかも知れません。ここで問題となるのが、一体何が「下る」のか、という話なのですが……

 平賀さだも媼は「奥に小沢が一ぱいある。それが一つになって下って来るのだからサヌㇱペッというのだ」と語られた。つまり水が流れ下ると解されたのである。とにかくまだ研究して行きたい地名である。
(山田秀三「北海道の地名」草風館 p.373 より引用)
確かにサヌシュベ川の流域は、川の長さを考えると割と広いほうなので、ひと雨降った後は水が一気に流れ落ちてきそうな印象があります。もしかしたら一気に増水することが多い川……といったニュアンスがあったのかも知れません。

マツカシマップ川

{makayo-us-i}-oma-p???
{フキノトウ・多くある・ところ}・そこに入る・もの(川)
(??? = 典拠なし、類型未確認)
佐主橋の近くでサヌシュベ川と合流する小河川の名前です。残念ながら手持ちの資料には情報が見当たりません。

「マツカシマップ」という音をアイヌ語地名っぽく紐解いていくと……そうですね。mata-kas-oma-p であれば「冬・小屋・そこにある・ところ」となりそうですね。

音からは mat-kachi-oma-p で「女の子・そこにいる・ところ」という解釈も可能ではありますね(地名としての必然性は少々びみょうですが)。残念ながら今のところはこれ以上のヒントを得られそうに無いので、どちらも試案とさせてください。

2020/8/15 追記
「東西蝦夷山川地理取調図」を確認したところ、「サヌシヘ」の支流として「マカウシ」という川が描かれていました。makayo-us であれば「フキノトウ・多くある」と考えられそうです。問題は「マップ川」のほうで、makayo-us-oma-p とすると usoma が続いてしまい、文法的にちょっとおかしなことになります。makayo-us-i という「地名」があり、そこに向かう川だと考えれば一応なんとかなりそうな気もしますが……。

ソソシ沢川

so-san-us-pe??
滝・下る・いつもする・もの
so-so-us-nay??
滝・滝・多くある・沢川
(?? = 典拠なし、類型あり)
サヌシュベ川の南側を流れる小河川の名前です。明治期の道庁 20 万図には「ソーサヌシュペ」とあります。これを素直に解釈すると so-san-us-pe となりますね。意味は「滝・下る・いつもする・もの」となりそうです。

この「ソーサヌシュペ」を急言すると「ソソシペ」になりそうな感じもするようなしないような……(どっちだ)。もう一つの可能性としては、so-so-us-nay で「滝・滝・多くある・沢川」という解釈も考えられそうです。

地形図を見た限りでは、顕著な滝の存在は確認できませんが、もしかしたら小規模な滝をいくつも持っている川なのかも知れません。

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2014年7月25日金曜日

道東の旅 2013/春 (52) 「長流枝限定? 幻のレアアイテム」

車速はなるべくキープしましょう

音更帯広 IC を過ぎると、今度は音更川を渡ります。このあたりは十勝川に注ぎ込む支流が多いですね。先ほどの鎮錬川は然別川と合流後に十勝川に注ぎますが、この音更川、そして、東隣を流れる士幌川は、いずれも直接そのまま十勝川に注いでいます。
その士幌川を渡ると、長流枝内(おさるしない)川沿いに緩やかな上り坂が続きます。長流枝(おさるし) PA までは約 3 km のようです。
上り坂が続くと、どうしても速度をキープできない車が出てきて、車列ができてしまいますね。この時もまさしくそんな感じだったわけですが……。
長流枝 PA までは約 1 km となりました。通常の PA の標識とは違った、コンパクトなデザインの標識が目を惹きます。

長流枝 PA へ

時刻は 13:45 で、目的地まではおよそ 190 km の場所にいました。18 時には宿に着いておきたかったのですが、計算上はちょうどオンタイムっぽい感じでしたし、前方には車列もできていたので、ここで本線を離脱して長流枝 PA に向かうことにしました。

「長流枝」の由来については、北海道のアイヌ語地名 (107) 「近牛・長流枝・売買」をどうぞ。
よーく見ると、かなり駐車枠から前にはみ出て止まっていますが、気にしてはいけません。この長流枝 PA にはトイレと自販機があるのですが……
もちろん給油所はありません。
それにしても、この「道東道に給油所ありません」というのは厳密には間違いですよね。*あの* 由仁 PA にガソリンスタンドがあったじゃないですか……と思ったのですが、由仁 PA にガソリンスタンドがオープンしたのは 2013 年の 7 月のことでした。2013 年 5 月時点では確かに「道東道に給油所ありません」だったのですね。

長流枝限定? 幻のレアアイテム

さて、この長流枝 PA は自販機こそあるものの、基本的には無人です。ただ、トイレに入ると……
洗面台のまわりが小物で飾り付けられていました。左側のイーゼルは何だろう? と思ったのですが……
「旅の想い出に絵葉書をどうぞお持ち帰り下さい」とあります。何とも気の利いたサービスですね。残念なことに絵葉書は品切れだったようなのですが、
よーく見ると、下の方に「(数に限りがありますので・・・無かったらゴメンなさい)」と書いてありますね。もしかしたら、これはかなりのレアアイテムなのかも知れません(汗)。

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2014年7月24日木曜日

道東の旅 2013/春 (51) 「モール温泉の草分け」

音更町=花時計?

帯広 JCT を直進して、そのまま東へと向かいます。次の「音更帯広 IC」まではおよそ 6 km です。
音更(おとふけ)町に入りました。このあたりでは、一般的なカントリーサインではなくて、独特の町境標識が用意されていますね。音更町は「花時計」なのだそうです。
ここから鎮錬(ちんねる)川・然別(しかりべつ)川を越えるあたりまでは下り坂が続きます。坂を下り切ったあたりで然別川を渡ります。

モール温泉の草分け

帯広音更 IC が近づいてきました。
よーく見ると、下に「十勝川温泉」と書かれています。「十勝川温泉」と言えば、モール温泉の草分け的な存在として有名な温泉ですが……
「このインターチェンジをご利用下さい。」とは、なかなかサービス精神が旺盛で素晴らしいですね。現実問題としては、道東道よりも国道 38 号のほうが十勝川温泉には近かったりしますが……。

「モール温泉」って何?

あ、「モール温泉」って何? という話ですが……

モール泉(モールせん)とは、植物起源の有機質を含んだ温泉のこと。モール温泉ともいう。
(Wikipedia 日本語版「モール泉」より引用)
植物起源の有機質を含んだ温泉……ですか。一瞬何のことやら? と思ったりもするのですが、言われてみれば一般的な温泉は金属を含むもののほうが多かったような気もします。

モールとは、ドイツ語で湿原(Moor)のこと。
(Wikipedia 日本語版「モール泉」より引用)
ふむふむ。もちろん続きがあります。

昭和初期には十勝川温泉を含め世界で2箇所しかないといわれていた。しかしその後、各地でモール泉が確認されている。
(Wikipedia 日本語版「モール泉」より引用)
へぇぇぇ。なるほど、確かに「草分け的存在」と言うに相応しいですね。

温泉法に基づくの療養泉の分類についての泉質とは全く別の概念である。
(Wikipedia 日本語版「モール泉」より引用)
泉質というと、「弱アルカリ性泉」とか「硫黄泉」といったキーワードが思い浮かぶのですが、「モール泉」はこのような「泉質」とは別の概念だということですね。

石炭の形成途上であり炭化が進んでいない泥炭や亜炭層から源泉を汲み上げるため、植物起源の有機質を多く含み、肌に触れるとツルツルとした感触があるのが特徴だが効能としては認められていない。
(Wikipedia 日本語版「モール泉」より引用)
ふむふむ。泥炭層から汲み上げているのですね。まるで油井のような印象も受けますが……

湯色は飴 - コーラ色を呈し、黒湯のように透明度が極めて低い湯もある。
(Wikipedia 日本語版「モール泉」より引用)
あ、やっぱり……(汗)。油混じりの温泉としては道北の豊富温泉が有名ですが、モール温泉は「石炭混じりの温泉」のようなもの、と言えるのかもしれませんね。

ちなみに、一般的な「温泉」は深層水が地熱によって暖められたものと認識されていますが、「モール温泉」については次のような説もあるのだとか。

これらのうちの一部は、源泉が地下10m前後と極めて浅い層からでも得られること、湯温も30度前後と低いことなどから、地下に封入された化石水による温泉ではなく、自由水が泥炭中の有機物から生じる熱で暖められているのではないかという説がある。
(Wikipedia 日本語版「モール泉」より引用)
ふむふむ。「泥炭中の有機物から生じる熱」というのは発酵熱のことでしょうか。熱を持つメカニズムが異なったところで大した意味は無いのですが、よりユニークな印象を与えてくれますね。

まだまだ東へ!

音更帯広 IC を過ぎると、次は「池田 IC」です。

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