2012年5月8日火曜日

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泰緬鉄道乗車記 (18) 「アルヒル桟道橋!」

 

「橋をかけない」「トンネル掘らない」

さて、またしても大変くどいことで恐縮ですが……。「泰緬連接鉄道」は、第二次世界大戦中にタイとビルマを鉄路で結ぶべく、日本軍の主導で建設された「軍用鉄道」です。全長は約 415 km で、これは東京から大垣までの距離に相当するのですが、これだけの距離の鉄道を半年で建設しよう、などという無茶な計画が立てられ、実行に移されたのでした。

重機などは無いに等しく、爆薬などの資材も乏しかったけれど、人だけはどんどんと集められ、劣悪な環境の下で厳しい労働を強いられた……という話はご存じのことかと思います。そして、とにかく工期を短縮するために、「長大橋をかけない」「トンネルを掘らない」という原則に従ってルート選定が行われたのでした。「長大橋をかけない」の例外が、ご存じ「メクロンの永久橋」ということになります。

カンチャナブリーからビルマ国境に向かうためには、どこかでクウェー・ノイ河を越える必要がありました。「クウェー河橋梁」の建設は地理的に不可避なものだったのです。

アルヒル桟道橋!

……といった前フリもほどほどにして、「──乗車記」を続けましょう。我らが 257 列車は Thamkrasae Bridge 駅に到着しました。
いかにも観光地らしく、とても手入れが行き届いていますね。木立の向こうになにやら建物が見えます。
窓から顔を出して外を眺めるお客さんの姿も。
ベルギーからやってきたお向かいさんは、ビデオカメラで録画を始めました。
木陰で進行方向をじっと見ている観光客の姿も。
一体、この先に何があるのでしょうか? 実は……こちらです!
拡大すると……
はい。この川べりの断崖絶壁すれすれに木橋をかけて、その上をこれから列車が走るのです。「長大橋をかけない」「トンネルを掘らない」という原則でルートが決められたので、こんな崖っぷちに線路を通すしか無かったわけなんですね。

日本では「アルヒル桟道橋」という名前で有名ですが、現在では "Thamkrasae Bridge" という名前で呼ばれているようです。

「アルヒル」というキーワードでググると、YouTube の動画がいくつか見つかるようです。

「崖っぷちの木橋」は、この後すぐ!

ついに「戦場にかける橋」に次ぐ名所にやってきました。感慨にふけっているうちに、木橋を通過します。
慌てて窓から下を撮影すると……
ここはそれほど高くありませんし、コンクリートの基礎もしっかりしているので、そういった意味では安心できますね。でも、この先の「崖っぷちの木橋」はどんな感じなのでしょう……。

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