2012年3月27日火曜日

道東の旅 2011/春 (27) 「天幕」

新直轄方式の光と影

「旭川紋別道」は、新直轄方式という仕組みで建設されたので、通行料はずーっと無料です(最初から料金所も設けられていない)。これはまぁ嬉しい話なのですが、その弊害?として、PA や SA などが存在しません。そのため、トイレに行きたくなった時に困るのですが、これにも答えがありまして……。

ええ、一部の IC にはパトロール基地などが併設されているので、そこでトイレを借りれば良いのです。というわけで……
「上川層雲峡 IC」で一旦流出します。そもそも通行料がかからないので、途中で何度流出しようがお値段そのままなのが嬉しいですね。

ありがたく使わせていただきます

何やら「除雪基地」のような建物が見えてきました。捨てられた雪らしきものもありますね。
というわけで、車を停めて……
はい、ありがたく使わせていただきます(ぺこり)。おやおや、これはまた随分と立派な建物で……。
それでは、ふたたび紋別に向けて出発です。

ここが「天幕」

ちょうど「天幕」のあたりに差し掛かったので、車窓をパチリ(死語)と。
このあたりには JR の石北本線が走っていて、「天幕駅」という駅がありました(石北本線自体は今も健在ですが、「天幕駅」は 2001 年に廃止されています)。

天幕駅(てんまくえき)は、北海道上川郡上川町字天幕鉄道用地に存在した北海道旅客鉄道(JR北海道)石北本線の鉄道駅。周辺が無人地帯となり、利用者皆無となったため、2001年(平成13年)7月1日に廃止された。
(Wikipedia 日本語版「天幕駅」より引用)
「周辺が無人地帯となり、利用者皆無となったため」というのがなかなかグッと来る理由なのですが、JR 北海道の場合、少なからずこういったケースがあるのですね。で、何故に「天幕」だけを特別視するのかと言えば……

駅名の由来
石北本線を敷設するための調査を行っていた鉄道建設部長の田辺朔郎(琵琶湖疏水を設計した技術者)が、この付近で寝食の世話をしてもらった天幕三次郎という人物に感謝の意を込めてこの駅名をつけたといわれている。
(Wikipedia 日本語版「天幕駅」より引用)
という話を(若かりし頃に)何かの本で読んだのを記憶していたものでして。そうか、石北本線のフィールドワークも田辺朔郎だったんですね。引用部にも記してあるように、田辺朔郎は琵琶湖疎水を設計した優秀な土木エンジニアで、根室本線のルート選定にも携わっていたと記憶しています。

で、「天幕さんに世話になったから、ここは『天幕』と呼ぼう」なんて呑気な?ことが通用したのは、当時から人跡未踏……とまでは言わないものの、ほとんど人通りの無いところだったのでしょうね。めぼしい資源も無かった、ということなのでしょう。

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