2011年10月31日月曜日

隠岐ジオパークの旅 (44) 「ふたたび五箇へ!」

(当社比)

さぁーて、「隠岐空港」の駐車場で遅い昼ご飯を食して元気百倍(当社比)になったので、日が落ちるまで、もうひとっ走りです!
初日のスタートから、ちょうど 600 km を走ったことになります。では、元気よくまいりましょうか!
正面に西郷大橋を望みます。橋の向こうが西郷の市街地です。前夜にお世話になった某民宿も……見えるような見えないような。

ふたたび五箇へ!

ここからは、国道 485 号を五箇に向けて戻ります。「玉若酢命神社」も「ショッピングセンターひまり」もスルーします。
右に曲がれば「銚子ダム」に行けるみたいですね。お昼頃に、「乳房杉」と「かぶら杉」の間に通りかかったダムです。

水沸かす!?

「五箇まで 10 km」の案内板が見えます。
トンネルを抜けて、五箇の集落が近づいてきました。右は旧道のようですね。何やら案内があります。
なになに……?
水若酢神社」とあります。……え? 「みずわかす」って……。「水沸かす」神社とは聞き捨てなりません(なんでだ)。

いや、本当は Shurine をツッコむべきなんですけどね。"u" は余計です。

つづく

これは立ち寄るしか無いでしょう(←)。はい。場所はこのあたりです。

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2011年10月30日日曜日

隠岐ジオパークの旅 (43) 「西郷大橋」

西郷に帰ってきました

というわけで……。「S さんと島後を巡る半日ジオパーク巡検」は、あちこちのジオサイトをぐるるっと回って、ついに出発地点に戻ってきました。
今回、ガイドの S さんを私にご紹介くださった P さんからは、「費用面も含めて事前に話をしてください」との連絡を頂いていたのですが、やはり案の定と言いますか、事前にそういった話を詰めることができずにいまして……。

ショッピングセンター「ひまり」の駐車場でガイド費用の話をしたところ、S さんからはなんと「タダでいいですよ」と。いや、いくらなんでもそれはマズイですよ……ということで、ガイド費用の相場の話も伺った上で、「では、──円で」という話に落ち着きました。ええ、費用対効果は文句なしです!

「半日」と言いながら、結果的には 7 時間近くもお付き合いくださり、本当にありがとうございました!

まずは昼食を

さて。S さんはここで通常業務に戻られます(おつかれさまでした!)。まだ日が落ちるには時間があるので、まずは……何か食べないと(←)。弁当はすでに買ってあるので、車を停めて落ち着いて食せる場所を見つけないといけません。というわけで……
ついでに空港でも見ておこうかと。

驚きの「西郷大橋」

隠岐空港は、西郷の市街地から入江を挟んだ向かい側にあります。民宿の窓から見えたこの橋を渡って行くことになります。
この橋は「西郷大橋」と言うのだそうですが……
あれ? センターラインが無い! 見た目は随分と立派な橋だったので、まさかこんなに幅が狭いとは思ってませんでした。このサイズだったら大型車同士の離合は難しいのかも!?

歓迎 横綱牛

橋を渡ったあとは、このように快適な道路を走りながら……
隠岐空港の駐車場に到着です。
何やら謎めいた看板(「歓迎 横綱牛」)もありますが、
そんなことは気にせずに、遅い昼食をがっつりいただきます(笑)

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2011年10月29日土曜日

隠岐ジオパークの旅 (42) 「隠岐は出雲のパラレルワールド?」

玉若酢命神社

隠岐の島町の「玉若酢命神社」にて、「永遠の樹齢 800 歳」(← 気に入ったらしい)である「八百杉」に圧倒された後は、神社の拝殿や本殿を見て回ります。
「文化財案内」ということで、細々と説明がなされています。案内板の真ん中には簡単な見取り図もあるので、拡大しておきましょう。
正面に拝殿があり、その後ろに本殿が控える、ごくごく一般的な形態の神社です。ただ、よーく見ると、左手に「旧拝殿」なる記載があります。実際にこの場所にかつての拝殿があるのですが、S さんに聞いてみたところでは「これは移設したもの」とのことでした。なぜわざわざ移設してまで遺したのかは……、何故なんでしょう。その場で S さんに伺ったような気もするのですが……。

隠岐国駅鈴

あ、そうそう。ちょうどいい具合に「隠岐国駅鈴」の文字が見えるので、先にこちらの話題から。

駅鈴(えきれい)は、日本の古代律令時代に、官吏の公務出張の際に、朝廷より支給された鈴である。
(Wikipedia 日本語版「駅鈴」より引用)
はい。何やら聞いたことがあるような気があるのですが、「駅鈴」とはどのような効能があったのでしょう。

646年(大化2年)1月1日、孝徳天皇によって発せられた改新の詔による、駅馬・伝馬の制度の設置に伴って造られたと考えられており、官吏は駅において、この鈴を鳴らして駅子(人足)と駅馬または駅舟を徴発させた。
(Wikipedia 日本語版「駅鈴」より引用)
ということで、これまた随分と強力なアイテムだったようです。スターアライアンス・プラチナメンバーもびっくりですね。で、その駅鈴なんですが……

現在残っている実物は、国の重要文化財に指定されている隠岐国駅鈴2口(幅約5.5 cm、奥行約5.0 cm、高さ約6.5 cm)のみである。この駅鈴は島根県隠岐の島町の玉若酢命神社に隣接する億岐家宝物館に保管・展示され、同神社宮司で隠岐国造の末裔である億岐家によって管理されている。
(Wikipedia 日本語版「駅鈴」より引用)
ということなのだとか。あ、最後に

ただし、隠岐国駅鈴の真贋はいまだ諸説あって、はっきりしていない。
(Wikipedia 日本語版「駅鈴」より引用)
とも書いてあるんですけどね。とりあえず制作された年代だけでも C14 あたりで測定できないのかなー、などと思ったりもするのですが。

この屋根はいつか見た屋根

さて。拝殿の脇から本殿を眺めて見ます。
なんとなく既視感をおぼえて首を傾げている私を見て、S さんが笑みを浮かべながら「この形、どこかで見たことがありませんか?」と。「もしかして、出雲大社ですか?」と聞いてみたところ、「そうです」と。

実際には、この形状は「隠岐造」という隠岐オリジナルの形状のようです。

隠岐は出雲のパラレルワールド?

玉若酢命神社の宮司を代々務める「億岐家」の先祖は「大国主命」だと伝えられています。そしてどことなく「出雲大社」を思わせる外見……。思わず S さんに「この神社も『四拍』で拝礼するのですか?」と確認してしまいましたが、そのような風習は無いとのこと。つまり、少なくとも「玉若酢命神社」と「出雲大社」は全くの別系列ということになります。

「出雲大社」の祭神はご存じの通り「大国主大神」ですが、「玉若酢命神社」の祭神は(大国主ではなく)「玉若酢命」という謎の神様です。玉若酢命神社の宮司を代々務める「億岐家」は大国主系ですが、出雲大社の宮司は代々天照大神系の「出雲国造家」が務めてきたそうですから、出雲大社と玉若酢命神社はちょうど主客転倒していることになります。つまり、ここは一種の「パラレルワールド」とも言えそうです。

……ちょっと面白そうな気がしませんか?

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2011年10月28日金曜日

隠岐ジオパークの旅 (41) 「永遠の樹齢 800 歳」

帰れ西郷へ!

旧・五箇村の代海岸で「代のフィーダー岩脈」を見学して車に戻ると、時間は 14:30 近くになっていました。いくら午後のスケジュールをこじ開けていただいたとは言え、いつまでも S さんをお引き留めするわけにもいきません。そして、さすがにそろそろお腹も空いてきました……。

ということで、ここからは一路、西郷に戻ることになりました。
……さすがにお腹が空きましたね、ということで、ショッピングセンター「ひまり」にピットイン。ここは「サンテラス」と同様のスーパーマーケットなのですが、飲み物と、そして昼食となる弁当をゲットしました(笑)。

そういえば、S さんお薦めのトロピカーナは美味でしたです、はい。

億岐家住宅

弁当を掻き込む間もなく、最後の目的地に向けて急ぎます。……到着しました。
「億岐家住宅」、そして「玉若酢命神社」(たまわかすみことじんじゃ)です。

まずは「億岐家住宅」です。
こちらも朝イチに見た「佐々木家住宅」と同様に、入口が何ヶ所もあるのが特徴……のようです。日常で使用する「通用門」のようなもの、家の「玄関」に相当するようなもの、そして貴賓専用の入口がそれぞれ別々に存在する、ということのようです。これは即ち、この家に住まう人自体が地域社会における重要人物だったことを表します。

ということで「億岐氏」について。

億岐氏(おきし)は、大国主命の後裔で、代々隠岐国造、隠岐国国司、玉若酢命神社宮司を務めた社家の家系。意岐、億岐、億伎、隠岐、とも書かれる。
(Wikipedia 日本語版「億岐氏」より引用)
ふむふむ。「国造」・「国司」でもあり、且つ「宮司」でもあると言いますから……おそれ入ります。

大国主命の後裔と伝えられ、十拶彦の代あたりから隠岐国造となり、国造制度廃止後は国司となって代々隠岐国を治めていた。国司となった頃から玉若酢命神社の宮司も務めるようになったと言われており、現在でも子孫が代々宮司を務めている。
(Wikipedia 日本語版「億岐氏」より引用)
ということなのだそうで、現在も代々宮司を務めるお家柄のようです。そして「大国主命の後裔」というのも要チェックです。

玉若酢命神社

では、「玉若酢命神社」を見に行きましょう……
拝殿・本殿を見る前に……うおぉっ!
これはまた、何やら凄そうな杉の木が。
この杉の巨木は「八百杉」(やおすぎ)と言うのだそうです。その名前からは「永遠の樹齢 800 歳」のようにも思えますが(←)、実際はどうかと言えば……

境内にある杉の巨木で、樹齢は1,000年とも2,000年以上ともいわれる。
(Wikipedia 日本語版「玉若酢命神社」より引用)
ひょえー(最近こればっかのような気が)。

若狭国からきた八百比丘尼が参拝の記念に植え、800年後の再訪を約束したことから八百杉と呼ばれるようになったと伝えられる。
(Wikipedia 日本語版「玉若酢命神社」より引用)
ほうほう。とことん「八百」に拘るわけですねぇ。

『隠岐古記集』には、同様の伝承を持つ杉が3本あったが、1本は天明年間(1781年 - 1788年)に大風で倒れ、もう1本も近年倒れたので現在は1本しか残っていないとの記述がある。
(Wikipedia 日本語版「玉若酢命神社」より引用)
むむっ。これはちょっと捨ておけないですね。なるほど、それで何本もの「つっかえ棒」で支えているということですか。ちょっと残念な気もしますが、これだけの老巨木ですからね。いつまでも大切にしていきたいものです。

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2011年10月27日木曜日

隠岐ジオパークの旅 (40) 「これがマグマのなれの果て」

延長戦突入!

さて。ガイドの S さんとの「午前中一杯ね」という約束を見事に反故にしてしまった(汗)ので、引き続きジオサイトを案内いただきます。朝から何も食べてなかったりしますが、気にしてはいけません。

あー、そうだ! 浄土ヶ浜で缶ジュースをご馳走になったんでした……!

「代のフィーダー岩脈」

次なるポイントは、http://www.oki-geopark.jp/01geosite-3.htm の「C19 代のフィーダー岩脈」です。「代」は「しろ」と読む……ので合ってますよね?(自信なし)
代には、久見から 7~8 分で到着です。再び海沿いの空き地に車を停めて、浜辺を歩いてゆきます。
この辺の海岸も、砂は無く、「ごろた石」ばかりです。こうやって見てみると、「浄土ヶ浜」には少ないながらも砂浜があったのが、逆に珍しく思えてきました。

「ごろた石」は方言かと思っていたのですが、意外と全国各地で通用するみたいですね。

S さんは、時として不安定な丸い石の上をひょいひょいと進んでゆきます。私も置いてきぼりを食うわけにはいきませんので、少々どぎまぎしながらも先を急ぎます。

左右で組成が違う……

ということで、ごろた石の海岸を歩くこと数分で……到着です。
はい。なにやら組成の違う岩が見えます。これは一体何なんでしょうか……?

実は、この写真は不完全なもので、より完全なものが島根ジオサイト100選(隠岐地方) 代のフィーダー岩脈にあります。先に答を書いてしまいますと、左側の赤みがかった岩が「流紋岩溶岩」で、右側の白っぽい岩が「マグマ」のなれの果てである「粗面岩」であるとのこと。

「フィーダー」ってなーに?

そもそも「フィーダー」ってなーに? という疑問が湧いてくるのですが、「フィーダー」とは「マグマの通り道」のことなのだそうです。その「フィーダー」にマグマが溜まって、そのまま冷えて固結したものが「フィーダー岩脈」と言うのだとか。へぇぇぇ。

で、この日はご覧の通り中途半端な写真を撮影するに留まったのですが、理由は簡単でして……。海がちょい荒れ気味だったので、ベストなビューポイントに移動するのはちょいと危ないだろう、という判断です。巡検は安全第一が基本ですからね!

ハニカム構造?

ちなみに、足元にはこんな岩も。
まるで珊瑚のようにも見えますが、もちろんそんな訳は無く……。これもマグマのなれの果ての「粗面岩」なんでしょうか。

「ごろた石」だらけだから「ゴロタ浜」

そして、「ごろた石」だらけのこの海岸ですが、なんと通称「ゴロタ浜」なのだそうです(http://www.geo.shimane-u.ac.jp/geopark/shironofeedergannmyaku.html による)。何という偶然……! 海岸にはなぜか浣腸の容器などが漂着しているケースが多いのですが、こちらは……
発泡スチロール状の何か、ですね。もうちょいと陸地側にもいろいろなものが打ち寄せられていました。
S さん曰く、このあたりはハングルのロゴ入りの漂着物が多いとのこと。まぁ、お隣さんを啓蒙することも必要でしょうが、「人の振り見て我が振り直せ」という言葉も忘れてはいけませんね。金と海水は天下の回りものです。

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2011年10月26日水曜日

隠岐ジオパークの旅 (39) 「細くて長くて要注意」

細くて長い……と言えば!

隠岐の島町久見の海岸で、白い「アルカリ流紋岩」を見たあとは……
海です!(見りゃわかる) いや、写真の中央に、何やら気になるものが見えるじゃないですか……。拡大しましょう。
あ。これは違いますね(←)。これは歯舞群島の「水晶島」の写真です。
こちらでした。これは一体……? というのもあまりに白々しいですね。これは「ローソク岩」というのだそうです。意外なことに(?) Wikipedia に記事まで立っていますので、見てみましょう。

ローソク島(ローソクじま)は日本の中国地方、隠岐諸島の島後島北西部・代地区沖の海面上に高さ20mほど突き出した岩である。行政区分としては島根県隠岐郡隠岐の島町に属する。鮮新世前期(約500万年前)に噴出して出来た火山岩で形成されている。名前の由来は、ろうそくのような細長い岩の形状、特に夕日が先端に重なった時に灯がともっているように見える様から。奇岩として観光地となっている。
(Wikipedia 日本語版「ローソク島」より引用)
ふむふむ。確かに国土地理院の地形図にも「ろう燭島」とあったのですが、「──岩」ではなく「──島」と呼ぶのが正式なようですね。

隠岐諸島内では古くから知られていたが、島外でも知られるようになったのは第二次世界大戦後に観光地化が進んで以降である。現在では島内で指折りの観光スポットとなっており、島で作られている藻塩炊き式の塩の商品名にも「ローソク島」の名が使われている。その反面、長らく隠岐を代表する景勝地として知られていた白島海岸への遊覧船の客がローソク島観光に吸収されてしまっているとの指摘もある。
(Wikipedia 日本語版「ローソク島」より引用)
はい。「ローソク島」は「かぶと岩」などと同じく遊覧船に乗って眺めを愉しむのが良いようなのですが、今年の夏は大人の事情により遊覧船は運休だったようです。来年以降の復活に期待したいところです。

荒れた海には要注意

さて、空は少し雲が多くなってきましたが、海も調子を合わせるかのように荒れ模様になってきました。
そして、この写真、防波堤のあたりをよーく見てみると……
釣り人がいます。この防波堤は陸地とは繋がっていないので、船で陸地に戻らないといけない筈なのですが、大丈夫でしょうか?

そして、車に戻る途中で、今度はシュノーケルを持った親子とすれ違いました。S さんはすかさず「今から海に入るんですか?」と声をかけて、「今は危ないから止めた方がいいですよ」とアドヴァイスを。観光客はどうしてもこの辺の匙加減が甘くて事故を招くので要注意なのだとか……。

車内にて

車に戻って、次の目的地を目指します。「このあたりが旧・五箇村なんですよね?」と S さんに聞いてみたところ、「その通りです」と。そして「このような質問をする方は珍しいですよ」と。あははは……(乾笑)。

そしてもう一つ、はっきりさせておかないといけないポイントがあったのでした。確か S さんは午後から NHK の番組の準備があった筈。「いいんですか?」と聞いてみたところ、「大丈夫です。日を改めるように連絡しておきました」と。うわー、ありがたいやら申し訳ないやら……。

そんなわけで、もうすぐ 14 時になろうかという時間ですが、引き続き次のスポットにご案内頂けます(やった!)。

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2011年10月25日火曜日

隠岐ジオパークの旅 (38) 「キラキラの正体」

キラキラの正体は!?

では、昨日の答合わせからいきましょう……。こちらの「黒曜石ストラップ」にて、ネコ型のキラキラの正体は!? という話ですが……
こちらのお店、「八幡黒耀石店」について、allabout に記事がありました。引用してみますと……

おそらく島根、いや日本唯一の黒曜石専門店、八幡黒曜石店では、黒曜石をペンダントやブレスレット、ストラップなどにして販売。お土産にもぴったりです。注目は、アワビの殻を埋め込んで作ったストラップ。漆黒の黒に虹色に輝く貝殻が映え、見た目以上に手間がかかっています。
ということで、正解は「アワビの殻」でした!

S さん曰く、黒曜石にアワビの殻を埋め込むのは Y さん(もはやバレバレですが)しかできない!?とのこと。美しく、かつ、どことなくミステリアスな雰囲気を湛えた Y さんの黒曜石グッズは、やはり人気商品のようで、バックマージン……じゃなくて大量のバックオーダーを抱えているのだとか。
右の方に制作中のものも見えますね。いやいや、これはさぞかし手間がかかることでしょう……!

久見は黒曜石の産地です

さてさて。この「八幡黒耀石店」さんが、港や空港から結構はなれた久見の地に工房を構えられている理由はと言えば……。理由は至極簡単で、このあたりが良い黒曜石を産出するからのようです。
結局、「八幡黒耀石店」さんの工房では、色々とお話を伺ったり、鹿の角で鏃を削り上げるところを実際に見せて頂いたり、あれやこれやとしているうちに結局 30 分近くお邪魔していたのでした。

アルカリ流紋岩とダルマギク

S さんのガイドでジオサイト散策を再開します。続いては、http://www.oki-geopark.jp/01geosite-3.htm の「C45 久見の浜の流紋岩とダルマギク」です。
車を停めて、海沿いの小径を少し歩いてみました。後ろをふりかえると……ちゃんと車が見えますね。そして前を見ると……なにやら白い岩が見えます。
これが、どうやら「アルカリ流紋岩」のようです。
岩場になにやら植物が自生していますね。少し寄ってみましょう。
うーん、何やら風変わりな植物に見えますが、一体これは何でしょうか? 原寸でトリミングしてみるとこんな感じです。
残念ながら詳細は良く憶えていないのですが、http://www.oki-geopark.jp/01geosite-3.htm を見る限りでは「アルカリ流紋岩の岩場には大陸性のダルマギク群落が見られる」とありますので、これがダルマギク……だったかも知れません。

路傍の黒曜石

S さんがなにやらこぶし大の小石を手にしています。一見何の変哲もない小石なのですが、「これ、黒曜石の原石ですよ」と。ほぇー……。

このあたりも「大山隠岐国立公園」内のため、規模の大小を問わず、許可無く採掘を行うことはできません。ご注意ください!

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2011年10月24日月曜日

隠岐ジオパークの旅 (37) 「日本唯一?の『黒耀石専門店』へ」

日本唯一?の「黒曜石専門店」へ

謎が謎を呼ぶ「伊勢命神社」にて脳内が謎だらけになってしまいましたが、気を取り直して……、次なる目的地に車を走らせます(いや、実際は歩ける距離ではあったんですけどね)。次の目的地も、同じく「久見」の、今度は海沿いです。
久見の集落の中の、ちょっと狭い道を行きます。川沿いの空き地に車を停めて、とある民家にテクテクと歩いて行きます。

辿り着いたのは、一見すると普通の民家のようにも見えるのですが、かなり広い土間のある家です。そして、テーブルの上にはなにやら黒い石が並べられています。
そう。この黒い石の正体は……「黒曜石」です。

「黒曜石」については、「黒耀石」という表記も見かけますが、今回の記事では原則として「黒石」を使用することとします。ご了承ください。

中の人の正体?は……

ガイドの S さんは、中の人とは随分と昵懇のようで、本来は許可が無いと土木工事ができないはずの「海苔田ノ鼻」に重機が入って節理が動かされていた、なんて話をされています。それもその筈で、こちらの工房のご主人は、S さんと同じく「隠岐ジオパーク」のガイドとしても名高い Y さんご本人だったのでした。

Y さんは(S さんと一緒に)http://www.oki-geopark.jp/guide.htm でも紹介されています。ぜひチェックを!

さて、では改めまして「黒曜石」ってなーに? というところから参りましょう。

化学組成上は流紋岩(まれにデイサイト)で、石基はほぼガラス質で少量の斑晶を含むことがある。流紋岩質マグマが水中などの特殊な条件下で噴出することによってできると考えられている。同じくガラス質で丸い割れ目の多数あるものはパーライト(真珠岩)という。 二酸化珪素が約70%で酸化マグネシウムや酸化鉄を含む。急激に冷却される事によりできる。外縁部と内側では構造が異なる。内部では結晶が認められるものもある。
(Wikipedia 日本語版「黒曜石」より引用)
うーん、何やら小難しいことが書いてありますね……。でも、S さんの説明はもっと簡潔なものでした。曰く、「要するに『ガラス』です」と。うむ、これはわかりやすい(笑)。
これを見ると、確かにガラスっぽい雰囲気です。ヘタをすれば、ウィスキーボトルの破片と見分けがつかないかも知れません(実際には色合いが違うので、間違えることは無いと思いますが)。この「天然のガラス」とも言うべき特性を活かして……

外見は黒く(茶色、また半透明の場合もある)ガラスとよく似た性質を持ち、割ると非常に鋭い破断面(貝殻状断口)を示すことから先史時代より世界各地でナイフや鏃(やじり)、槍の穂先などの石器として長く使用された。日本でも後期旧石器時代から使われていた。
(Wikipedia 日本語版「黒曜石」より引用)
という歴史を持つことは皆さんよーくご存じかと思います。

古代の鏃を作ってみよう!

Y さんは、この工房で黒曜石を加工して色々なものを制作されているのですが、中にはこんなものもあります。
ご覧の通り、石器時代の「矢」の復元を試みられています。鏃(やじり)の部分は研磨するのではなく、カッターナイフで鉛筆を削るような感じで削りだして行きます。当然カッターナイフなんかはありませんから、代わりに何を使うかと言えば……なんと、「鹿の角」を使うのだとか。

詳細は http://fish.miracle.ne.jp/koji/sekizoku.htm をどうぞ。

で、できあがったこの鏃、写真で見た感じではいびつに見えるかも知れませんが、切れ味は十分です。制作中の鏃で、試みに新聞紙を切って頂いたところ、新品のカッターナイフばりの切れ味を見せてくれました……。

このキラキラの正体は!?

せっかくなのでお土産を買って帰ろう……ということで、こちらの携帯ストラップを購入することとしました。
このキラキラと光るネコのシルエットに惹かれて購入したのですが、このキラキラの正体、皆さんはお判りでしょうか!?

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