2011年5月9日月曜日

関東ローム層の意外な効用

今夜も「三航北国日誌」番外編です。「番外編」なので書庫も移動中です。

「平成17年度放射線監視交付金事業」だそうです

そんなわけで、「北海道原子力環境センター」を見て回っているのですが、1F のエントランス(だったと思う)にはこんなモニター画面も設置されていました。
これだけでは流石に何のことだかわからないのですが、ちゃんと説明も用意されていました。
13 箇所の計測ステーションにおける放射線量を nGy/h で表示しています(10 分間隔で更新しているようです)。ちなみに nGy/h は「ナノグレイ毎時」のことですね。最近はシーベルトに押され気味の印象がありますが……。

参考までに、13 箇所の名前を記しておきましょう。(1) 神恵内ステーション、(2) 泊ステーション、(3) 茅沼ステーション、(4) 茶津ポスト、(5) 堀株神社ポスト、(6) 岩内ステーション、(7) ヘロカルウスポスト、(8) 堀株ステーション、(9) 気象観測局、(10) 宮丘ステーション、(11) 発足ステーション、(12) 南幌似ステーション、そして (13) 高台ステーション、です。

もっとも低い値が出ていたのが、原発に近い「堀株神社ポスト」の 34 nGy/h で、もっとも高い値が出ていたのが、そこから少しだけ離れた所にある「堀株ステーション」の 44 nGy/h でした。ちゃんと以下のような但し書きもあります。

 <空間放射線等の測定値について>
 環境中(土壌、空気など)には、どこにでも自然の放射性物質が微量に含まれており、通常、空間放射線等の測定値のほとんどは、自然界からの放射線によるものです。
 測定値は、測定地点周辺の土壌や気象条件(降雨雪や積雪)などにより変化することがあります。
(北海道原子力環境センター「環境放射線モニタリングデータ(現在の測定データ)表示画面の紹介」より引用)

関東ローム層の意外な効用

モニター画面の手前には、他にも「放射線を測定する施設・装置と単位の紹介」「環境放射線テレメータシステム データ表示盤の紹介」「放射線の測定値について(自然界の放射線)」といった説明があります。

興味深いところとしては、「積雪時期は、地表からの放射線を雪が遮へいするため、同じ地点でも、積算線量が減少する傾向にあります」とかでしょうか(まぁ、もともとが誤差の範囲なんですけどね)。あと花崗岩に放射性物質が多く含まれていることは皆さんご存じでしょうか。そのおかげで、平常時の自然放射線量は山口県がトップのようです。うちの近所も結構高いんですよねぇ。関東平野は関東ローム層のおかげで自然放射線量は比較的少ないのだそうです。

放射線の監視結果について

「放射線の監視結果について」という資料もあります。
せっかくなので、引用しておきましょう。

 北海道原子力環境センターでは、放射線の測定値を常時監視していますが、これまでに、泊発電所の影響による環境の異常は認められておりません。
 また、発電所からの放射性物質の放出量から影響を評価していますが、過去において、年間で 0.0000026~0.000023 ミリシーベルトであり、国が定めた原子力発電所(軽水炉)周辺の線量目標値である 0.05 ミリシーベルトを十分下回っています。
 例えば、宇宙や大地、飲食や呼吸により受ける年間一人当たりの自然放射線が 2.4 ミリシーベルト(世界平均)、東京からニューヨーク航空機旅行(往復)での宇宙線の増加による影響が 0.2 ミリシーベルトと比較しても、さらに低い値となっています。
(北海道原子力環境センター「放射線の監視結果について」より引用)
正直なところ、この展示を見るまでは、日常生活の中で「自然放射線」や「宇宙線」の影響を受けているという認識が無かったので、この展示を見て素直に「へぇ~」と感心したものです。

……日頃から基礎知識をつけておくことは大切ですね。

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