力道山は今いずこ
北電「泊原発」にほど近いところにある「とまりん館」の話題を続けます。左に進めば、お決まりの?原発の仕組みに関する展示があるのですが、その前に。左手前の階段をちょちょいと登ってみると、
小ホールがあり、そこには「高校野球 放映中!」の文字が。「ご自由にお入り下さい」と書いてあるので、中に入ってみましょう。
……。「街頭テレビ」に人々が酔いしれる時代は、いつの間にか終わってしまっていたようです(いつの話だ)。
というわけで泊原発です
では、展示の数々を見て行きましょうか(このご時世、気が重いですが)。沖合から見た泊発電所の写真です。地図で見るとわかりやすいのですが、近くを通る国道 229 号は、原発の裏側をトンネルで抜けています。
もともと山が海に迫っている地形だった上に、旧道を構内道路として活用するためには、トンネルを掘ってバイパスするしか無かったんでしょうけど、結果的には「いろんな意味で」良くできた構造になっています。
首都圏の電力需要は計り知れず
今回の出来事で、原発に詳しくなってしまった方も多いと思いますので、もう少し詳細を見て行きましょうか。「定格電気出力」を見せられても「ふーん」としか言いようがないのですが、最近は色々と情報が落ちてくるものでして。http://www.tepco.co.jp/forecast/index-j.html を見ると、東京電力のピーク時供給能力(4/25)は 4,000 万 kW なのだそうです。これを見る限り、泊原発をフル稼働させたとしても 200 万 kW 程度のようですから、泊原発クラスの発電所があと 39 ヶ所は必要になるということになりますね。……計算、合ってるんだろうか(汗)。
ちなみに、Wikipedia の「北海道電力」を見る限りでは、北電の発電能力は約 741.7 万 kW とのこと。同じく「東京電力」を見ると、水力と火力だけで約 4,489.1 万 kW、柏崎刈羽原発・福島第一原発・福島第二原発を含めると約 6,219.9 万 kW になるみたいです。単純計算で、北電は東電の 8 分の 1 以下の発電能力しか無い、ということになるんですね。
PwC とか TWR とか(違)
さてさて。日本の電力事情については日を改めるとして(改めるつもりなのか)、「泊発電所のあらまし」をもうちと見て行きましょう。「原子炉の形式」は、「軽水減速・軽水冷却・加圧水型」とあります。日本の商用電力は、その歴史的経緯から東日本が 50 Hz(ドイツ式)、西日本が 60 Hz(アメリカ式)に分かれてしまっているのですが、他にも東西で違うものがあって、例えば原子炉の形式も東日本が「沸騰水型原子炉(BWR)」で、西日本が「加圧水型原子炉(PWR)」を採用しています(どうでもいい話ですが、個人的には PWR の設計の方がちょっぴり安全っぽくて良いなぁ、と思っています)。
ですから、泊原発もてっきり BWR で……と思いきや、PWR だったんですねぇ。BWR を採用しているのは東京電力と東北電力だけで、北海道電力は PWR を採用していたとは……気づきませんでした。PWR は冷却系が分離されているのが素敵なポイントですが、その「一次冷却系」と「二次冷却系」に介在する「蒸気発生器」のメンテがちょいと面倒なのがコストに跳ね返ってくるので痛いんだよね……といったところでしょうか。
並列か直列か、それが問題だ
「燃料の種類」は「低濃縮ウラン」とあります。ちなみに、いわゆる「原子爆弾」を造るためには「高濃縮ウラン」が必要だとされます。「高濃縮ウラン」を精製するためには遠心分離機でウラン 235 を抽出する必要があるのですが、イランは自国の核開発施設にて高濃縮ウランを精製できるだけの能力を既に有していて、IAEA による査察をのらりくらりと交わしている、なんて話もあります。……話が逸れましたね。まぁ、「原発」と「原爆」では、ウラン 235 の濃度が全然違いますよ、ということです。どちらも人体などに与える影響は計り知れないわけで、そういった意味では似たり寄ったりとも言えるのですけどね。
※この絵はコンピュータグラフィックです
それにしても、気になるのがパネル右下の……この注釈です。なんですとー! 写真をベースにレタッチしたもの……じゃあ無かったんでしょうか。どーしてまた……。
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