やはり群発地震は大地震の予兆なのか?
1995 年の「阪神淡路大震災」の時には、その 2 ヶ月ほど前から、西宮市の北にあたる「猪名川町」にて群発地震が観測されていました(猪名川群発地震)。この群発地震は、阪神淡路大震災の予兆だった可能性が高いとされているようです。「東日本大震災」が起こる少し前の 2/27 から 3/2 のあたりで、岐阜県高山市で群発地震が起きていたのはご記憶でしょうか。「岐阜県高山市」において震度 1 以上を観測した地震は、この 4 日間で 32 回にものぼります。震源の深さはいずれも 4km 程度で、マグニチュードは 2.0 から 5.5 といったところでした。
震源地が揺れない地震が発生していた
ところが、この群発地震が発生する半年も前に、同じく飛騨地方を震源とする、とても奇妙な地震が起こっていました。はい、マグニチュードそのものは 5.1(推定)だったんですが、震源となった岐阜県では揺れは観測されず、代わりに福島県浜通りを中心とする太平洋沿岸域で、幅広く弱い揺れを観測しています。また、図を見る限りでは、滋賀県・福井県・兵庫県でも震度 1 を観測しています。驚くべきはその震源の深さで、「約 280 km」と推定されています。
揺れを観測したエリアから想像するに、深度 280 km の地底で「太平洋プレート」が派手に動いた、という仮説も考えられそうな気がします。この地震によって生じたプレートのひずみ?が、岐阜県高山の群発地震を呼び、また、「東日本大震災」の呼び水となってしまった……といったことは考えられないでしょうか?
【4/12 加筆】
このように、震源から遠く離れたところで強い揺れが観測されるケースは「異常震域」と呼ぶようです。異常震域は深発地震ではしばしば見られる現象で、また、その深発地震も日本近辺ではしばしば発生しているようです(つまり、浅発地震よりも観測数はずっと少ないとは言え、それほど特異なものでも無いということです)。今回取り上げた 2010/8 の地震と一連の東北沖の地震はどちらも太平洋プレートに因るものだと考えられますが、現時点ではそれ以上の相関は証明できない……とするのが妥当なようです。
それにしても、地震のメカニズムというものも謎に満ちていてディープですね。たとえ震源の深さが 60km 未満の浅発地震であったとしても。ちなみに、先週の土曜日には、こんな地震も観測されていました。 http://www.jma.go.jp/jp/quake/20110409220243491-092158.html
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