2011年3月10日木曜日

北海道・東北の旅 2010/夏 (73) 「ミネラルたっぷり!」

「三航北国日誌」第 73 回です。本日は鉄分とカルシウム分を増量してお届けします(「カルシウム分ってドコ?)。「神居古潭編」も今日で最終回……にしたいんですが、さてどうなりますやら(←

蒸気機関車 三態

駅跡には、3 台の蒸気機関車が静態保存されています。
明細については、昨日の記事でもご覧に入れましたが、前から 9600 型、C57 型、D51 型です。「デゴイチ」という略称?は有名ですよね。

なめくじ構造

何となくですが、後ろの D51 から見て行きましょうか。
それなりに手入れされているとは思うのですが、やはり雨ざらしだと、どうしても汚れが目立ってしまいますね。
この赤い棒は……「連結棒」で良かったんでしたっけ。確かに赤い連結棒は格好良いと思うのですが……果たして現役時代はどうだったんでしょうか。何か、「見栄えを良くするために赤くしてみました」感が漂うような……。
「煙突」と「砂箱」が一体化している、俗に「なめくじ」と呼ばれるタイプの車体です。昭和初期(だったと思う)の頃は、世界的に「流線型ブーム」というものがあったらしく、この「なめくじ構造」もその延長線上の産物だ……なんて説もありますが、果たしてこの程度で「流線型」と言えるのかは疑問が残りますね(笑)。

ちなみに、「なめくじ構造」でない D51 は、こんな形です。
(Wikimedia Commons より借用。この作品の著作権者である「Taisyo」氏は、この作品を以下のライセンスで提供しています。: クリエイティブ・コモンズ 表示 3.0 非移植ライセンス)
ボイラの上の「でっぱり」が、随分とコンパクトになっていることにお気づきになるかと思います。

腐ってませんよ!(←

続いては「C57 201」です。
「C57」と言えば、その優美な姿から「貴婦人」というニックネームで呼ばれていることでも有名です。国鉄時代から「SL やまぐち 号」として、山口線で SL の保存運転が行われていますが、そこで使用されているのが「C57 1」です。

この「C57」は、合計 201 両が製造されたそうで、この「C57 201」がそのラストナンバーだそうです。ふむふむなるほど……。ここに保存されている 3 台の中では、この「C57 201」が一番(製造年次が)新しいようで、言われてみれば運転席にドアがあったり、垢抜けているような印象がありますね。

ナンバリングは計画的に

最後がこちらの「29638」です。
「C57」や「D51」に見られる「C」や「D」が何を意味するのかをご存じの方もいらっしゃるかと思います。正解は「動輪」の数で、より正確な表現をすれば「駆動軸の数」とでもなるのでしょうか。「C──」の場合は動輪が 3 つ、「D──」の場合は 4 つとなります。厳密には車輪は左右についていますから、6 つ、あるいは 8 つとなるわけですが。

つまり、このネーミングルールを乗用車に当てはめたなら、4WD の乗用車は「B──」、FF の乗用車は「A──」となります。

ところが、この「29638」には「C」も「D」もついていません。何故なのか……と言えば、そういったネーミングルールが無かった頃に製造されたから、みたいです。「9600 形」の「29638」と言われると、まるで 2 万台製造したような錯覚を覚えますが、実際の所は「9699」の次が「19600」だったそうです。ですから、「29638」は、えーと……、239 番目に製造された個体、となるのだとか。

最終的には 770 台製造されたそうで、「79669」がラストナンバーだそうです。

こうやって並べてみると、同じような蒸気機関車でも、意外と違いがあるものですね。不思議な話ですが、比較的新しい「C57」が一番優美に見えてしまいます。

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