野に咲く駅名標
「富内駅跡」の写真がまだまだあるので、もう少しご紹介しますね。野原の中に駅名標があるのですが、これは移設したのか、それとももともとホームだったものが野生に還ったのか、今ひとつ釈然としません。
ただ、この駅跡のコンセプト?を考えると、前者のような気もします。というのも、この駅名標から少し進んだところは、このようになっていました。
ホームの跡、と考えても差し支えなさそうです(断定はできませんが)。
「涙ぐむ眼」
駅の山手には、「生きがいセンター」という施設があるようです。ググっても詳細を把握出来なかったのですが、想像するに高齢者向けのデイケアセンターかな、と思います(とんでもない勘違いだったらどなたかご指摘を)。富内駅と、その「生きがいセンター」の間の野原には、こんな花壇もあります。
またしてもハンガリアンな色合いなのですが、もちろん関係は無い……筈で。これは一体何でしょう?
ふむふむ……。「宮沢賢治設計の花壇『涙ぐむ目』」とあります。宮沢賢治と富内の街にどんな関係があったのでしょうか?
ほべつちょうのことでおうかがいします
旧・穂別町の公式ウェブサイト「ほべつちょうのことはおまかせ」内の「宮沢賢治が描いた理想郷『ホベツイーハトーブ』」に、解説がありました。著作権関連法規に言うところの「引用」の定義を満たすか少々疑問もあるのですが(「転載」になるのかも)、ずずずぃっと引用?してみます。戦後初の公選村長が描いた理想郷とまぁ、ここまでは割と良くある「できた首長」の話のように思えます。
穂別と賢治? いったいどのような関係があるのでしょうか。
そのルーツは、穂別初の村長にまで溯ります。
昭和4年10月1日から穂別村行政が施行されて以降、穂別村も大戦の影響を受けることになりました。
そして戦後、昭和22年5月3日に施行された日本国憲法の地方自治法にならって、穂別村も地方自治体としての自治行政がおこなわれることになったのです。 そして満20歳以上の男女による直接選挙で、村内で雑貨商を営んでいた横山正明氏が当選して、初の公選村長となりました。
横山氏は、穂別の開発を積極的に推進するほか、福利厚生や教育面に特に力をいれて村政をすすめました。 国保病院を設立して65歳以上の村民の治療費を無料にしたり、高校を設立すると貧しい家庭の子弟の授業料を免除して、村内からの大学進学者には奨学資金制度を設けたり。さらに充実した教育と平等な教育が受けられるようにと、道内では初めてのスクールバスを走らせたアイデアマンでもありました。
理想と挫折のはざまで「かねてから村長が心酔していた宮沢賢治の──」というのがキモだったわけですね(笑)。てなわけで、
このように村民が暮らしやすい村づくりに邁進した横山村長は、さらなる躍進を目指して電源開発事業へと取り組み、村民をあげての大事業となりましたがこの発電工事が予想を大きく裏切る難工事となってしまったのです。
当時の三ヶ年計画がのび、工費も倍以上がかかってしまったおかげで村の財政は苦しくなり、窮地に立たされた横山村長が、村民全体に明るい村を切り開くための精神的なよりどころをつくろうと計画。かねてから村長が心酔していた宮沢賢治の精神を込めて、明るく不屈の開拓精神で未来を築こうと、賢治観音を建立して奉納することになったのです。
「宮沢賢治の農民に対する深い理解と愛情に燃えた精神こそが、すべての根源を成すものだ」
青年のような情熱とあつい眼差しで語った村長の大志には、村民の誰もが心を打たれたということです。
村長の開拓魂を語り継ぐホベツ「イーハトーブ」となったのだそうです。いや、多少は削っても良かったんですが、原作者の意に沿わない恣意的な引用の方がむしろ失礼にあたると思ったので、まるまるごそっと引用(転載?)させていただきました。どうかご容赦を。
そして、横山村長の開拓魂を今に語り継ぐ穂別「イーハトーブ」は、穂別町内の富内地区でその面影を辿ることができます。
まず、昭和22年に建立された通称賢治観音は、昭和63年に完成した観音堂に安置されています。
旧富内駅に隣接する銀河ステーションには、宮沢賢治が設計した「涙ぐむ眼」を再現した花壇もみることができます。
平成8年には、俳優で宮沢賢治の研究者としても知られていた故・内田朝雄氏から寄贈された、宮沢賢治関連の本をおさめる「イーハトーブ文庫」も開設されました。
「ほべつちょうのことはおまかせ」ですが、ソースを Another_HTML-lint でチェックしたんでしょうか。いやはや、これまた懐かしいですねぇ。
そんなわけで、ここは「富内駅跡」なんですが、なんでも「銀河ステーション」という壮大な何か(何なんだ)が隣接しているのだそうです。果たして何が出てくるのかは……明日のこの時間をお楽しみに!(←
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