2010年10月22日金曜日

次の投稿 › ‹  前の投稿

それが品格と言うものか

 

そんなこんなで無愛想

そんなこんなで「武相荘」の続きです。端的に言って変な名前ですが、慣れればなんてこと無いというのも不思議なものです。
入口の所で入場料(大人 \1,000- 也)を支払って中に入ろうとしたところ、カウンターのお姉さんが「荷物をお預かりしましょうか?」と。なぁんだ、無愛想だなんてとんでもない。めちゃくちゃサービス精神旺盛じゃないですか。

これは有名な写真のようですが……

中に入っていきなり目に付いたのがこちら。
でっかでかと在りし日の白洲次郎氏の写真が。一昨日の記事では修正を入れていましたが、もともとはこういった趣向だったのでした。ここは休憩所、みたいです。

四季折々に無愛想

この「旧・白洲邸 武相荘」は、その名の通り白洲次郎・正子夫妻が隠遁した「武相荘」を公開展示しているわけですが、単に建物を見てもらうのではなく、四季折々に合わせた「展示」が行われています。9/1(水)~11/28(日) は「武相荘─秋」が展示中で、12/1(水)~2011/2/27(日) は「武相荘─冬」が予定されています。「秋」と「冬」でどう違うのか、見てみたい気もします。

さて。この「母屋」に相当する部分がメインの展示場……の筈なのですが、
先日もご紹介した通り、この建物は「土足厳禁」なので、靴は袋に入れて持ち運びます。
この袋にも「武相荘」の文字が。確か、これと似た袋が売店で販売されていたと記憶しています。私は買いませんでしたが、実は意外と実用的で便利かも知れません。

Hope She will be MORE TIDY !

母屋の中は残念ながら「撮影禁止」とのことだったので、一切撮影はしていないのですが、入ったところにいきなり「Hope She will be MORE TIDY! 1979」との落書き?が書かれたブラシ入れがあったのには少々感激しました。

イギリス留学の経験もあった白洲次郎は英語が達者で、「キレると英語でまくしたてる」とすら言われたそうですが、この落書きは妻・正子へのうっぷんを記したのではないか、とされているようですね。和訳すると「あいつがもうちょっと綺麗好きだったら良かったのだが」といったところでしょうか。

建物の奥のほうにあった書斎も見ることができました。書棚には結構な数の書物が並んでいたのですが、河合隼雄(心理学者・元文化庁長官)関連の書物が多かったのが目を引きました。少し意外な感じがしたのですが、どうやら、河合隼雄や多田富雄(免疫学者)と交友があったのは白洲正子の方だったようです。

それが品格と言うものか

建物の中は、基本的には順路に沿って歩いて行けば良い、という流れになっています。展示されている品には「手を触れない」「写真撮影しない」が原則で、さらに言えば「小学生以下は入館禁止」です。これは、言い換えれば Ladies and gentlemen 以外は No, thank you ! という意味だと受け取りました。「一見さんお断り」ということではないのですが、「分別のある大人のみ観覧可」というメッセージなのだと思います。

さらに言い換えれば、「見る側には分別が求められる」と言えそうです。白洲次郎風に言えば「紳士的な態度が求められる」となるでしょうか。無分別で品位を欠いた「大人」が少なくない昨今ですが、だからこそ、見る側にこういった「凛とした気概」を求めるのは良いことではないかな、などと思ったりしました。あれ、作文?

* 文中・敬称略。

前の記事続きを読む

www.bojan.net
Copyright © 1995- Bojan International

0 件のコメント:

新着記事