ロンドン・モスクワ・パリ・ニューヨーク
そんなわけで、札幌に「ミュンヘン大橋」があるのは何故? というお話でした。それはもちろん、札幌とミュンヘンとミルウォーキーには切っても切れない縁があるからで……(増えてる増えてる)。「ミュンヘン」というキーワードから想像されるものは何でしょうか。バイエルン・ミュンヘンあたりでしょうか。バイエルンではなく1860 ミュンヘンが頭に浮かんだ貴方は結構な通かとお見受けしますが、かつて Thomas Haesler が所属していたらしいですねー。ヘスラーと言えば AS ローマに所属していたイメージが強いのですが、あの頃は初代?プリンチペこと Giuseppe Giannini がいましたねー。Walter Bonacina とか Ruggiero Rizzitelli とかも懐かしい……! あれ? 何の話をしていたんだか……。
ミュンヘンと言えば……
そう、ミュンヘンと言えばミュンヘン一揆、じゃなくて……ミュンヘンオリンピックです。ミュンヘンオリンピックと言えば、ミュンヘンオリンピック事件があったことで有名ですが……これ以上本筋からずれてしまうとさすがにマズイので、この辺にしておきましょう。ミュンヘンと札幌は、同じ 1972 年にオリンピックを開催したということもあって、姉妹都市になったのだ、ということだと思います。もちろんビールつながりもあるんでしょうけど、ミルウォーキーとは格が違います(言い切った!)。
北東向き徒歩15分
さぁて、そんなミュンヘン一揆……じゃなくてミュンヘン大橋を渡って、そのまままっすぐ西に向かうと「北海道神宮」のあるあたりにやってきます。なんと、「北海道神宮」なんてものが……あるらしいのですね(失礼!)。明治に入ってからの皇国ニッポンは各地に神社を建立しましたが、ここもその例に漏れず、もともとは「札幌神社」という名前で建立され、レベルアップ(←)を重ねた末に、昭和 39 年に「北海道神宮」に改名した、ということだそうです。
北海道神宮(ほっかいどうじんぐう)は、北海道札幌市中央区にある神社。
北海道の開拓当時樺太・千島に進出を進めていたロシアに対する守りということで、大鳥居が北東を向いている。
(Wikipedia 日本語版「北海道神宮」より引用)
ふむふむ……。「北東」と言えば「鬼門」に当たるわけですが、あえて大鳥居(正門、ですよね?)を鬼門に向けるというのは何とも不思議な話です。また、大鳥居が東側に向いている、数少ない神社の一つである。
(Wikipedia 日本語版「北海道神宮」より引用)
おいー、どっちやねーん!!鬼門は清浄に
ちなみに、脚注として「他に大鳥居が南に向いていない神社は靖国神社と鹿島神宮しかない」とあります。まぁ、物事には例外がつきものですが、その「例外」に隠された意味を探ってみるのも面白そうです。o 鬼門は忌み嫌われるという云れの他に、逆に神々が通り抜ける方角、あるいは太陽が生まれる方位(生門)であるために清浄の気を保たねばならぬという考えもある。
(Wikipedia 日本語版「鬼門」より引用)
これで思い出したのがロルンプヤㇽの話で……。アイヌの世界観では東方神……じゃなくて「東方上位」の考え方が存在しています。例えばチセ(家)を建てる場合でも、「東側の窓」は神様専用なので、人が出入りしてはいけないのはもちろん、窓越しに話しかけたり、外から中を覗くことすら御法度なのだとか。「神々の通り道」であるから、というのが東側の窓にまつわる禁忌の理由なのだそうです。この「神々の通り道」という理屈と、先ほど引用した「鬼門」における「神々が通り抜ける方角」という考え方が奇しくも一致しているのが面白いところです。北海道神宮(札幌神社)の大鳥居が北東を向いているのが、大国ロシアへの要としての意味以外にも、「アイヌの神々を招き入れたい」という意味が隠されていたりしたら面白そうですね。
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