2010年7月6日火曜日

春の道央・道北の旅 2010 (47) 「1966 年の十勝三股」

マニアック、ではあるだろうけど

バス停の前を箒で掃除していた男性に呼び止められたのは、「十勝三股バス待合所」の変わらぬ風情を写真に収め、車に戻ろうとした時でした。どう呼び止められたかと言うと……「鉄道マニアの方?」と(←)。一瞬答に窮したのは言うまでもありません。

うーん、何と言ったらいいんでしょうね。私自身は「ただの鉄道には興味ありません」という類だと自覚していますし、何よりも「鉄道マニア」を自称するほどには全然詳しくなんか無いと思っているのですが、かといってふつーの旅人がわざわざ車を止めて「駅の跡」を歩き回るというのも妙な話です。てなことを 0.82 秒ほど考えてから「ええ、はい」と答えたのでした。

郵便局の跡に……

掃除をしていた男性曰く、「その建物、もとは郵便局だったんだけど、窓口に国鉄の料金表が残ってますよ」と。思わず「中に入ってもいいんですか?」という愚の骨頂にまみれた質問をしたところ、「どうぞいいですよ」と。
入口の前にやってきました。言われてみれば確かに郵便局っぽい建物です。
ドアを開けてみます。鍵は……かかっていないようです。

お宝拝見!

中は……とても狭いのですが……聞いた通りのものがありました。「普通旅客運賃表」です。

1966 年の十勝三股

そして、木製の立派な「普通旅客運賃表」の下には「十勝三股図」なるものが貼ってあります。「1966.9.6 撮影 空中写真より転写」とありますね。つまり、1966 年の時点では、この駅の周辺にはこんなに様々な建物があったんだ、ということになります。
製材工場があって、東の方には官舎もあったようですね。鉄工所も、営林署の事業所も、理髪店も診療所も、日通の営業所も食堂も風呂場も……。小中学校もあったんですね。
今ではこのように、一軒のレストラン(これが「三股山荘」さんだと思います)を除いては「何も無い」場所ですが、ほんの半世紀近く前にはこんなに賑わった時代もあったわけです。もとより理解の上ではあるのですが、とても切ない気持ちになってしまいました。

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