「
北海道の旅 2010/春 Day 2」に出てき……てないのが殆どですが(汗)、ええい、今夜は「
平取町のアイヌ語地名特集」ですっ!
「
二風谷」(にぶたに)の意味するところが詳らかではなくなっていて、萱野茂さんは「プ」を省いた
ni-tai 説を唱えていたのですが、そういえば、古くから二風谷に住んでいたアイヌの人たちが苗字を名乗ることになった時に、多くが「
二谷」(にたに)姓を名乗ったのだそうです。
こうなると二谷英明の出身地が気になってきますが、残念ながら?京都府舞鶴市なのだそうです。
萱野茂さんの講座テキストに、平取の他の集落に住んでいたアイヌがどんな姓を名乗ったかが記されていますので、ちょいと紹介しておきます。
「ピラカ」→「平賀」
分かりやすいですね。そのまんまです。ちなみに
pira-ka は「崖の・上」という意味だそうです。
「紫雲古津」→「鍋沢」
「しうんこつ」と読みます。
sum-un-kot で「西に・ある・窪み」という意味だとされますが、
永田方正翁の地名解には
shu-un-kot とあります。
shu は
su の誤りなのですが、「鍋」という意味で、そこから「鍋沢」なのだとか。
「去場」→「鳩沢」
「さるば」と読みます。
sar-pa で「湿地の・頭(先端)」という意味になります。「鳩沢」の由来はさっぱりわかりません……。
「荷菜」→「平目」
「にな」と読みます。
nina だと思うのですが、意味は「ヒラメ」なのだとか。つまり、そのまんま。
「ピパウシ」→「貝沢」
pipa-usi は「貝が・ある処」、従ってそのまま「貝沢」としたようです。道内には他に「美馬牛」という地名もありますが、これも
pipa-usi から来ている筈です。
「ペナコリ」→「川上」
pena-ko-ri を逐語訳すると「上のほう・それ・高い」となるそうで、
山田秀三さんは「上流・に向かって・高い」と読み下していました。なるほど、「川上」を名乗るのも理解できます。
それにしても、「ペナコリ」という地名も趣があっていい響きですね。
「貫気別」→「黒川」
今は「ぬきべつ」と読むそうですが、もともとは
nupki-pet で「濁り川」という意味だったとか。そこから「黒川」ということですね。
「荷負」→「木村」
読みはそのまま「におい」です。
ni-o-i で「流木が・ごちゃごちゃある・処」と読めるのだとか。
ni からの連想で「木」でしょうか。
「長知内」→「日川」
「おさちない」と読みますが、もともとは
o-sat-nai、すなわち「オサッナイ」だったようです。東北地方にも多く見られる「長内」「小山内」も
o-sat-nai ではないか、と考えられます。意味は「川尻が・乾く・川」。「乾く」→「お日様」で「日川」なのでしょう。
「幌毛志」→「長野」
「ほろけし」と読みますが、古くは
poro-kes-oma-p(ポロケㇱオマㇷ゚)だったのだそうです。「ポロ・ケㇱ・オマ・ㇷ゚」を逐語訳すると「大きい・尻のほうに・存在する・もの(川)」となります。
山田秀三さんは、「ポロ」は「幌去」(ポロサㇽ)が下略されたのではないか、との説を開陳されていました。そうすると「幌去・のはずれに・ある・川」という意味になります。
「長野」の意味ですが、萱野さんの説では「あの辺りは
野っ原が広がっているから」なのだとか。案外、こういったシンプルな由来が正解なのかも知れませんね。
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