2010年6月7日月曜日

春の道央・道北の旅 2010 (23) 「『赤い恋人』は『ニㇱパの恋人』」

さーて、久々に北海道の話題に戻ります。「平取町立二風谷アイヌ文化博物館」の中を見てみましょう。もっとも、とりとめもなく撮影した写真がベースなので、実際にはもっと見所のある展示も数多くある筈ですので念のため。
ホール外側の……えーと、何だ。廊下のようなところに飾ってあった農産物の写真です。「ニㇱパの恋人」とあります。「ニㇱパ」というのは「旦那様」といったニュアンスの、目上の人(あるいは貴人)を意味する言葉です。誰が考えたのか知りませんが、素敵なネーミングですね。

「ㇱ」(小書き「シ」)は閉音節なので、"shi" や "si" ではなく "s" と書いた方がしっくり来ます。そういえば箱にも "NISPA'S LOVER" とあります。ちゃんとしてますね。

Engrish for Dairy Life. (←

では、常設展示室に入りましょう。フラッシュ撮影禁止です。Do not take frash photographs です。Engrish.com です(←

厚岸、厚床、和寒……

最初に目に止まったのが、アットゥㇱ(織物)の説明です。オヒョウは樹皮から糸を紡いで織物ができるということで、アイヌの人々にも珍重された樹木だったようです。オヒョウはアイヌ語で「アッ」(at)と言うのですが、「厚岸」(あっけし)や「厚床」(あっとこ)、あるいは「和寒」(わっさむ ← あっさむ?)といった形で地名にも残されています。
以前にもちらっとお見せした記憶がありますが、アットゥㇱ織がケースに入れて展示されていました。
でも、こちらは固定されているので、動かしてはいけないそうです。

「シシㇼムカ」の謎

こちらは沙流川(さるがわ)の説明パネルです。これだとアイヌ語で「シシㇼムカ」と言っていたのを日本人が「沙流川」に変えたようにも思えてしまうのですが、「サㇽ」というのも実はアイヌ語です(「サㇽ」、または「サㇽ・ペッ」)。

「シシㇼムカ」の意味について、山田秀三さんは「判然としない」としましたが、パネルには次のように説明があります。
ほんとうに河口のあたりがふさがってしまう川」とあります。そういえば、どこかで聞いたことのある解釈です。実は……続きは明日にしましょう(←

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