2010年5月23日日曜日

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春の道央・道北の旅 2010 (15) 「蕗の葉の下の人の伝説 (←『の』が多い」

 

蕗の葉の下の人

「二風谷アイヌ資料館」の話に戻ります。敷地の中には「チセ」(家屋)が沢山復元されているのですが、中にはこんなものもあります。
はい、「コロポックルの家」とあります。コロポックル」とは、アイヌの伝承に出てくる「小人さん」のことですが、今のところは「実在しない」とされています。はい、かつては実在説が唱えられたこともあったそうですね。

コロポックル(アイヌ語: コㇿポックㇽ korpokkur)は、アイヌの伝承に登場する小人である。アイヌ語で、一般的には「蕗の葉の下の人」という意味であると解される。
(Wikipedia 日本語版「コロポックル」より引用)
迂闊だったのですが、根っからの日本人のわたくし、てっきり「コロポックル」なんだとばかり理解していました。実際には "korpokkur" ですから、「ロ」や「ル」は閉音節ということになります。間違えてもアクセントを置いてはいけません。そういえば、ヒュンダイ・アクセントという車もありましたが……(←

コロポックルは神か人間か

さて、「コロポックルの家」の説明文を拡大してみましょう。
Wikipedia の説明文との違いを考えると面白いです。この説明文には「アイヌ民族の言い伝えで、昔この村に、コㇿポックㇽ=蕗の葉の下に住む人、と、いう神が居り」とあります。Wikipedia には「小さな」と言うニュアンスで記されていますが、この説明文では「蕗の葉の下に住む人、という」とあります。

「伝説の存在」であり「神」である、と明記することで、その神秘性を高める効果もあるのかも知れませんが、「現実」と「伝説」の間の線をきちんと引いておきたい、という気持ちもあるのかも知れません。

初代館長の遊び心

「アイヌ」は現実、「コロポックル」は伝説。この両者が混同されるようなことは甚だ不本意でしょうが、「コロポックルの伝承」は「アイヌの現実」なので、それを紹介するのは意味がある、といったところでしょうか。もちろん、そんな深慮遠謀のもとにこの展示が作成された……というのも考えを穿ちすぎだと思っていますけどね。

萱野茂二風谷アイヌ資料館 公式ホームページ」によると、

初代館長 萱野茂が遊び心で作ったコロポックルの家。人間を小さくすることはできないが、鉄板で作ったふきと大木のほこらに出入り口をつけて作った家です。写真撮影は自由。アイヌの伝説にふきの下に住むコロポックルという小人が困った時にアイヌを助けてくれるというものがあります。あなたもこの巨大な家でコロポックルになってみませんか?
とあります。あはは、「初代館長 萱野茂が遊び心で作った」と明記されていますね(笑)。

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