2010年4月28日水曜日

「いわゆる彫りが深い顔立ち」の遺伝子

Jack In The Box に見る日本人のルーツ

日本人の多くは、全体的に彫りの浅い、のっぺりとした顔をしています。日本国内にいると滅多に自覚することはないのですが、例えば昨年の 9 月に SFO の JACK IN THE BOX でハンバーガーを買おうと並んでいて、硝子窓に映る自分の顔を見た時なんかに「うわー、モロ東洋人じゃん」と思ったりしたものです。
一方、先祖代々からの日本人でも、中にはとても彫りの深い人とか、あるいは全体的に顔が「濃い」人(気を悪くされた方にはお詫び申し上げます)もいます。平たく言えば「エキゾチックな顔立ち」となるのですが、そうした「日本人離れした」ルックスを持つ人は、そのルーツを辿ると結構な確率で、北海道だったり、あるいは南西諸島に行き当たります。

いわゆる彫りが深い顔立ち

この、「彫りが深い」という特徴は、いわゆる「縄文人」の特徴とも相通じます。

形質的特徴
縄文人の形質的な特徴を一般的に表すと、次のようになる。まず身長は平均して成人男性で160センチ弱、成人女性で150センチ弱。頭部は身長に比べて大きめで、顔の輪郭は正方形に近い。いわゆる彫りが深い顔立ちであり眉間が突き出しているが、一方で鼻の付け根が引っ込んでいる。眉毛は濃く、目は大きめで、まぶたは二重、唇はやや厚めで顎の骨が発達している。
(Wikipedia 日本語版「縄文人」より引用)
身長については、旧石器時代と比べると現代のほうが格段に栄養価の高いものを食しているので、あまり参考にはならないでしょう。平均寿命が格段に向上しているのも、同様に説明が可能です。

「いわゆる彫りが深い顔立ち」の遺伝子?

ポイントは「いわゆる彫りが深い顔立ちであり」というところです。アイヌ、あるいは古くから南西諸島に暮らしてきた人々の多くは「彫りの深い顔立ち」であるように思います。

分子人類学から見た縄文人のルーツ
ミトコンドリアDNAの分析による縄文人のルーツ解明も試みられている。宝来聡によると、東南アジアの少数民族と現代のアイヌおよび琉球弧人が共通の因子を持つとされ、形質人類学においてこの両者と縄文人が特に近いとされることから、縄文人のルーツの一つに東南アジアの旧石器時代人が存在したとの見方が可能である。
(Wikipedia 日本語版「縄文人」より引用)
前述の「印象」は、こうやって DNA レベルでも確かめられている……というのは言い過ぎでしょうけど、少なくとも仮説を裏付けるような調査結果は存在するようです。

良くある仮説

日本の国土の中でも「北の果て」と「南西の果て」に住まうの人々のルーツが共通でありながら、「関東」や「畿内」の人間とは、見た目からも多少の違いが見られるというのはどうしてか、ということで、次のような Ad Hoc な仮説を立てることができます。

1. かつて、日本列島は北から南(南西諸島含む)まで、縄文人系が住んでいた
2. 弥生時代になって、大陸から弥生人系の人種が大挙して押し寄せ、先住民(縄文人系)を追い出した
3. 追い出された先住民は、東北・北海道や南西諸島などに落ち延びた

こういった話はまことしやかに語られますが、

エミシ・エビス・エゾ・アイヌと縄文人
前述のように明治から第二次世界大戦が終わる頃までは、縄文人は日本民族によって日本列島から駆逐されていった先住民と見られていた。こうした見方は必然的に、古代から近世にかけて日本の支配する領域の北隣に居住していた異民族、そしてアイヌを縄文人の直接の末裔と見る説を生み出した。このような縄文人、蝦夷、アイヌを等号で結ぶ見方は、その後の研究の発展によってほぼ否定され、今日の学界では受け入れられていない。
(Wikipedia 日本語版「縄文人」より引用)
ということなのだそうです。

とりあえず「そんなに単純なもんじゃない」ということです

ただ、こういった考え方は全くのデタラメというわけではなく、注意しないといけないのは「縄文人、蝦夷、アイヌを等号で結ぶ見方は(中略)今日の学界では受け入れられていない」ということだけであり、「不等号で結ばれる」というわけでは無い、ということです。「肯定できない」だけであり、「完全否定」ではない、ということですね。

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