合法ではないけれど、事実上罰せられない
日本では、マリファナ(乾燥大麻)の所持および使用は違法行為として罰せられます。諸外国でも大抵は似たようなものですが、罰則の大小にはやはり差があり、例えばオランダのように「合法ではないけれど、事実上罰せられない」という国もあります。深刻な薬物汚染という国の事情から、地方自治体は個人使用のための大麻を販売する小売店コーヒーショップを許可する権限を持つ。オランダ国内法では、個人使用のための製造及び所持も違法行為であるため、地方自治体が許可するコーヒーショップは矛盾を抱えた存在である。
(Wikipedia 日本語版「大麻」より引用)
とあるように、個人使用のための大麻の製造や所持はオランダでも違法らしいのですが、オランダでは法の刑罰に優先順位を付けており、「個人使用目的とした5グラム以下のソフトドラッグ所持」と「個人使用目的とした0.5グラム以下のハードドラッグ所持」は優先順位が低い。そのため、これらの罪は通常、起訴が猶予される。
(Wikipedia 日本語版「大麻」より引用)
なのだそうです。なんか日本もびっくりの「ホンネとタテマエ」の世界ですね。マリファナ合法化!?
そんな世界の大麻事情ですが、米カリフォルニア州では州議会に「マリファナ合法化」法案が提出されたのだとか。財政再建のための税収アップが目的か!? なんて話もあるようです。カフェイン違法化!?
さて、そんな「マリファナ合法化!?」といった話が出る州もあるかと思えば、ちょいと東側のユタ州では、これまた驚きの法案が近々提出予定なのだとか。「マリファナ合法化」とは完全に逆の方向を行く、なんと「カフェイン違法化」法案が準備されているそうです。カフェイン (caffeine) はアルカロイドの一種。プリン環を持つプリンアルカロイドの一種で、コーヒー類に含まれることからこの名がある。また、安息香酸ナトリウムカフェイン剤などは強心・興奮作用を期待して使われる。IUPAC名は 1,3,7-トリメチルキサンチン。さらに、抗がん剤が破壊したがん細胞のDNAの修復を阻害する作用があるとされる(抗がん剤などの効果を高める)。
(Wikipedia 日本語版「カフェイン」より引用)
ちなみに、カフェインには喘息の症状を和らげる効果もあるのだとか(気管支拡張薬として使用できるそうで)。以下のように、実際に医薬品としても活用されています。医薬品として
主に無水カフェインとして、一般消費者向けの総合感冒薬に用いられることが多い。これは、カフェインの作用である鎮痛補助目的が主で、配合された塩酸ジフェンヒドラミンやマレイン酸クロルフェニラミンなど催眠性の強い抗ヒスタミン剤の副作用を緩和する目的ではない(実際のところ、催眠性成分の緩和には至らない)。
(Wikipedia 日本語版「カフェイン」より引用)
ただ、カフェインは決して万能薬ではなく、次のような指摘もあります。副作用
多くの人がコーヒーや緑茶などからカフェインを日常的に摂取しているが、過剰な摂取は健康に害をおよぼすことが知られている。カフェインは一般的には薬物とされないが、脳神経系に作用する薬物の一種であることには違いない。
(Wikipedia 日本語版「カフェイン」より引用)
ユタ州にてカフェインが違法化されそうな背景について
さて、ユタ州で「カフェイン禁止法」が準備されている背景には、上記のような医学的な見解も然る事ながら、むしろ宗教上の必然性があるのではないかと言われています。ユタ州は「末日聖徒イエス・キリスト教会」(通称「モルモン教」)の盛んな土地として有名ですが、モルモン教はコーヒー、紅茶、緑茶、ウーロン茶、タバコ、アルコール飲料、麻薬類などの摂取を禁じていますが、平たく言えば「刺激物の摂取の禁止」となります。コーヒーや紅茶、緑茶、ウーロン茶などに含まれる「刺激物」=「カフェイン」ということで、カフェインの摂取を州法で禁じてしまおう、という話になってしまったようです。
でも、仮に「カフェイン禁止法」がユタ州で成立してしまったならば、コーヒーや紅茶はさておき、ココアやチョコレートとか、あるいはレッドブルだったりリポ D あたりも「違法!」ということになるわけで……。つまり、コーラの持ち込みもできなくなる、ということになりかねません。20 世紀初頭に施行された「禁酒法」のさらに上を行く「稀代の厳法」の行く末が気になる所です。
2010/4/2 追記
えー、この記事の「カフェイン禁止法」のくだりは April Fool のネタですので、お間違いありませんよう……。ちなみに、カリフォルニアの「マリファナ合法化法案提出」については事実のようです。
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