ロシアの大河
シベリアから北極海に流れ込む大河が白地図上に描かれていて、それぞれ名前を答えなさい、といったテスト問題があったような気がします。かく言う私は、センター試験は受けてないので、高校入試の時の受験勉強で出たのかも知れません。確か、当時言われたのが「ヴォルガ川、オビ川、エニセイ川、レナ川、そしてアムール川は押さえておけ」といった内容だったような気がします。この 5 河川のうち、アムール川は閉伊論チャン、じゃなくて黒龍江(ヘイロンチャン)とも呼ばれることからも明らかな通り、ロシア・中国国境を流れてオホーツク海に注ぐあの川です。ヴォルガ川はカスピ海に注ぐ川ですね。残りの 3 つ(オビ・エニセイ・レナ)が、それぞれ北極海に注ぐ川ですので、最初の問題はオビ・エニセイ・レナを適切な順番で並べればそれで OK、ということになります。
「毒を食らわば皿まで」?
例のカラクーム運河によるアラル海の水位減少問題に対して、ソ連側はオビ川だかエニセイ川だかの上流を塞き止めて、そこからアラル海まで運河を通して水を回す、というアイディアを用意していました。結局、「環境に与える影響が甚大である」などと言って、この計画はゴルバチョフの時代に正式にボツになったらしいですが、基本的に水資源に余裕がある筈の所から、水不足に苦しんでいる中央アジア地域に水を引くというのは、個人的には興味を惹かれます。まぁ、ゴルビーも本音は「そんな事業に回す金なんてねーんだよ」だったんでしょうけど。
環境に与える影響も確かに計り知れないわけですが、すでに「カラクーム運河」というものを作って水の需給バランスを乱しまくっているわけですから、「毒を食らわば皿まで」といった、開き直りたい気分にもなったりします。まぁ、「水不足に悩んでいる人が楽になればいいな」という、似非ヒューマニズムのような考え方であることも否定はしませんけどね。
「スター・ウォーズ計画」なんてのもありました
……てなことを考えてですね。ソ連時代に計画されていた大運河の構想について、「オビ川」だか「エニセイ川」だかの記事に書いてないかなぁ、なんて調べていました。結論から言えば空振りだったのですが、代わりにちょっとだけ面白い運河の話が引っかかりました。というわけで、まずはオビ川の紹介を。
オビ川(英表記:ob'、ロシア語:Обь)はロシア連邦西シベリア低地を流れる川である。支流のエルティシ川はアルタイ山脈を水源とし、カザフスタン共和国の領内を通る。中流ではチュメニ油田を横切り、南北に 800 km ほどあるオビ湾を通ってカラ海に注ぎ込む。河口の位置は、北極圏・東経 70 度にあたる。
(Wikipedia 日本語版「オビ川」より引用)
オビ湾というと、スター・ウォーズなんかに出てきそうですが、もちろん関係はありません。オビ川の流域
もちろん、これだけの文章でオビ川の位置関係が理解できる方はほぼ皆無だと思いますので、例によって Wikimedia Commons さんから地図をお借りしました。(Wikimedia Commons より借用。この作品の著作権者である Karl Musser 氏は、この作品を以下のライセンスで提供しています。:
This file is licensed under the Creative Commons Attribution ShareAlike 2.5 License. In short: you are free to share and make derivative works of the file under the conditions that you appropriately attribute it, and that you distribute it only under a license identical to this one. )
えーと、オムスク、あるいはノボシビルスクといった都市を流域に持つ大河、ですね。支流のエシム川はカザフスタンの首都・アスタナを通っています。「支流」と言いながら 2,450 km と言いますから、日本一の大河・信濃川(全長 367 km)とはスケールが違いますね。
あ、ちなみに、この地図の左下にひっそりと描かれているのが、在りし日のアラル海です。
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