2008年10月11日土曜日

北海道の旅 2008/夏 (50) 「ダムに沈むダム(『没ダム宣言』とか)」

副作用と絶賛格闘中の Bojan さんです今晩は。

斯くして Estimated Arrival Time は遅延した

「夕張に来たからには」シリーズ第 2 弾、ということで、さらに足を伸ばして大夕張(おおゆうばり)ダムを見に行くことにしました。駐車場に車を止めて、ダム湖(シューパロ湖)を眺めてみると、鉄橋が見えます。
実は、形容詞に困って、結局何もつけなかったんですが……。長いのは確かなので、「長い鉄橋」でも良かったのですが……。あるいは「古びた鉄橋」か。「立派な─」とか「雄大な─」というのは、ちょっと違うかな、なんて。

ダム湖の名前はシューパロ湖と呼ばれるが、「シューパロ」の語源はアイヌ語で「本当の」を意味する「シ」と、「鉱泉の湧出する所」を意味し夕張の語源となった「ユーパロ」の合成であり、「夕張川本流」を意味する。ダム右岸部のシューパロ湖上には三弦橋(さんげんきょう)と呼ばれる鉄橋が架橋されている。この橋はかつて旧・下夕張森林鉄道線夕張岳線森林鉄道の鉄道橋として使用されており、現在は使用されていない。その名の由来が示すように、四角錘を並べて頂点を結び、断面が二等辺三角形になる特異な形式のトラス橋である。現存する鉄道専用橋としてこの形式が採用されている橋は世界的にも希であり、橋梁工学的に極めて貴重な橋梁である。また、ダム湖周辺には同様にいくつかの廃橋梁が存在し、中には日本に唯一残存する旧陸軍の鉄道連隊が架橋器材として使用した重構桁を用いた橋梁も含まれている。
(Wikipedia 日本語版「大夕張ダム」より引用)
なぁるほど……。こいつが「三弦橋」だったのですね。Wikipedia の「三弦橋」のページに色々と詳しく載っているので、良かったら見てやってくれワトソン君。

森林鉄道の遺構は、ほかにはいくつかの鉄橋が散見されたくらいでした。なにしろ湖の向う側なので、手も足も届かないという感じで。
ちなみに、このシューパロ湖にかかる「三弦橋」、大夕張ダムのすぐ下流に建設中の「夕張シューパロダム」が完成した暁には、大夕張ダムもろともダム湖に沈む運命にあるのだそうです。三弦橋の行く末も然る事ながら、ダムに沈むダムというのも、実にシュールな話です。

「ユーパロ」について

尺が足りないときにお馴染みの、アイヌ語プチ講座の時間がやってきました。

「夕張」の語源は、アイヌ語の「ユーパロ」だとされます。おそらく yu-paro なのでしょう。"par(o)" は、道東や道北での "char(o)" と同じ意味で、「口」という意味になります(「屈斜路湖」の「斜路」の部分ですね)。"yu" は「湯」の意味で、日本語の「湯」に由来すると言いますから、面白いですね。

「ユーパロ」は、直訳すると「湯の入口」となりますが、屈斜路湖の項でも記しましたとおり、アイヌの人々の河川観は逆流しているので、「湯の入口」=「湯が湧き出る泉」と解釈できると思います。

ちなみに、「ユーパロ」ですが、今年のラリー・ジャパンでは "YUPARO" というコースが、DAY 1 の午前と午後で登場するとか。Mt. レースイの裏側の「夕張林道」が舞台として使われるみたいですね。じゃ、レースっぽい山でも正解だったのか……。

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